報告】全国スラップ訴訟 止めよう!シンポジウム

2013年11月23日 早稲田大学15号館

全国スラップ訴訟 止めよう!シンポジウム


 11月23日(土)、早稲田大学早稲田キャンパス15号館にて「スラップ訴訟止めよう!シンポジウム」が開催された。
 「スラップ(SLAPP)訴訟」という言葉はまだ日本ではなじみが薄い。これは公共の利益を目的として市民が行う行動に対して、国や企業がその妨害を目的として高額の損害賠償裁判などを起こすことである。
 最初に東電株主代表訴訟事務局長の木村結さんの司会で、自らもスラップ訴訟の被害を被った経験を持つフリージャーナリストの烏賀陽弘道(うがやひろみち)さんから、スラップ訴訟についての基調講演が行われた。そのあと、実際におこっているスラップ訴訟被害者たちからの報告が行われた。

7歳の子供まで「通行妨害」で告訴

 沖縄からは高江ヘリパッド建設に反対している安次嶺現達さん、伊佐真次さんらの報告があった。 最初に高江の豊かな自然を紹介するビデオを上映したあと、訴訟の内容が紹介された。高江の住民たちが建設工事に反対してゲート前に座り込むと、国は「通行妨害」をでっちあげ、証拠もないのに7歳の子どもまで被告にしてしまった。
 本来は、ヘリパッド建設について住民に充分な説明があるべきであるが、それもなく、憤慨した住民らの生活をかけた、やむにやまれぬ行動であったにもかかわらず、国はヘリパッド問題から論点をずらし、「通行妨害」の問題へとすり替えて訴訟を行っている。

中国電力の理不尽な暴力と損賠訴訟

 次に、上関原発阻止被告団の清水敏保さん、橋本久男さん、岡田和樹さん等が発言した。地元の豊かな干潟や自然が原発建設のために埋め立てられていくのに抗議したら、中国電力職員から暴行を受けた。それに対する告訴は不起訴となった。一方、中国電力から起こされた4800万円もの「損害賠償」訴訟が裁判所に受理されるという理不尽な事態が起こっている。裁判は今も続いている。

市民は告訴、自民党にはタダで提供

 次に経産省前テントひろばからは淵上太郎さん、正清太一さん等がそれぞれ報告に立った。
 国は経産省前テントひろばのわずか90平米程度の土地を「不法占拠した」として1000万円もの損賠賠償を要求している。
 しかし、一方では自民党が衆議院の所有になる1300平米もの土地を40年以上も無料で使用していた事実が発覚している。
 ともあれ、テントひろばの占拠は福島原発事故が原因であるのに、それを全く捨象して「不法占拠」に矮小化して訴訟を起こしている。

米国より20年も遅れている民主主義

 市民に対して国や企業が高額の損害賠償などを求めて訴訟を起こすのは論点のすり替えであるばかりでなく、一般には支払えないような高額の訴訟が相手を萎縮させ、問題があってもそれを告発する勇気を奪い、相手を黙らせてしまうという効果がある。
 スラップ訴訟は、国や企業の横暴に対して市民が堂々と思う事を述べたり行動したりする、最も基本的な民主主義的権利を奪うものである。
 米国では言論の自由や人権を侵害するものとして20年も前からそうした行為が禁止されている。また米国ばかりでなく、民主主義が浸透している国にとっては当たり前のことである。日本でも早急な法制化が望まれる。

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