年頭主張】貧困・戦争の資本主義から共生・協同型社会へ

貧困・戦争の資本主義から共生・協同型社会へ

安倍政権打倒、日本を変えよう!

沖縄の闘いと結び日米安保破棄し平和な東アジアを!
8月30日、戦争法成立阻止のため国会を包囲する民衆

8月30日、戦争法成立阻止のため国会を包囲する民衆


年頭に当たって
 今、私たちは新たな戦乱と恐慌に向かう、世界と日本の歴史的分かれ道に立っています。沖縄と日本の未来のかかった辺野古阻止や安保・戦争法の廃止、高齢者・子ども・非正規労働者の貧困の拡がりと生存の危機との闘いなどにおいて、安倍政治を打破する正念場を迎える新年。
 引き締まった思いと希望への大きな確信をもって新年の挨拶を送ります。

世界はどこに向かっているのか

「テロ」の元凶は資本主義に

 世界は、5世紀にわたる資本主義の世紀が確実にその終末期を迎え、地球上のいたるところで、「憎しみと暴力の連鎖」による「地獄絵」を繰り広げながら、多国籍金融資本の世界的秩序が崩れつつある。それは、次のような一連の事態に際立っている。

9・11テロ

9・11事件

 91年のソ連邦崩壊を機に「世界一となったアメリカ帝国」のいわば現代資本主義文明の中枢部に起きた01年の「9・11事件」、米欧日有志連合の「対テロ戦争」の名の国家テロによるアフガン・イラク戦争の開始。08年のリーマンショックによる米国発「世界信用・金融恐慌」の始まりと米国のアフガン・イラク侵略戦争の破綻・敗北。ここに、戦後の「アメリカによる平和」(パクス・アメリカーナ)という資本主義の世界秩序の瓦解が始まり、「自由・平等の米国流民主主義」の化けの皮もはがれた。
 そして世界金融恐慌の進行は労働者・新興国に犠牲を転嫁する「大失業と貧困」が世界を覆い、米欧日の有志連合による戦争テロルの拡大が世界に「暴力と憎しみの輪」を拡げた。今日の「イスラム国」はこうした中で、欧米諸国の石油利権など求めての中東諸国への軍事介入と分断、欧米社会の貧困と格差の拡大の中に生まれ、15年「パリのテロ事件」の悲劇となった。

 にもかかわらず、仏大統領は「対テロ戦争への突入」を宣言し、欧米露列強はシリア空爆(国家テロ)を拡大し、他方でテロと大量の難民問題への反発から、フランスでは極右の「国民戦線」が地方議会に大進出し、米大統領選では移民排斥と「イスラム教徒の入国禁止」を叫ぶ共和党のトランプ候補が支持率で首位を走る状況にある。衰退する米帝との日米安保同盟下の日本の極右・安倍政権の有志連合への参加・集団自衛権行使―安保・戦争法制定強行、改憲への暴走もこれらの一環にある。

 こうして世界は、田淵同志社大教授が本紙11面で鋭く指摘しているように、中国のバブル崩壊の兆しも顕在化し、リーマンショックに匹敵する恐慌に突入する危険も高まり、腐敗し終末期を迎えた金融資本主義がその延命のために「文明の衝突」的様相をもって資本主義の構造的根本的矛盾を吹き出しながら、全世界と人類を地球丸ごと地獄の淵に引きずりこんでいく「新しい型の恐慌と戦争の時代」へ向かおうとしている。

「もう一つの世界」は、既にある

資本主義を超える共生・協同型社会へ転換を

ウオール街占拠デモ

ウォール街占拠行動

 これらの元凶は、飽くなき利潤を求める資本主義、金儲けに走る一握りの多国籍型金融資本―大銀行・大企業である。
 しかしながら、どんなに破綻し腐っても、資本主義は倒さなければ倒れない。ゆえに、時代は、国家テロによるシリア空爆を止め、「憎しみと暴力の連鎖」を断ち切り多文明・多文化の共存を認めあうこと、資本とその国家の独裁に代わる人間的で連帯的な新しい民主主義の創始、貧困と失業を生む弱肉強食の競争社会から共生・協同型社会(アソシエーション)への転換をめざし資本主義とその「文明的野蛮」を超える運動とその主体形成を急ぐことを求めている。

 この時代を希望へと拓くその挑戦は、世界のそこ、ここで、目に見えるものとして既に始まっている。米ウオール街を占拠したオキュパイ運動、「アラブの春」、ヨーロッパで「反緊縮・反貧困・公正」を求めて起ち上がった万単位の民衆の草の根の大衆行動は、現在の欧州各国でシリアへの空爆・対テロ戦争反対の行動、米国バークレー市議会や米大手労組の「辺野古反対決議」などにつながり、アジアでの「雨傘革命」やミャンマーの民主化闘争へと拡がり、ギリシャ・チリ・カナダ・イギリスなどでは腐った政治権力、議会、地方議会を下からの運動を通じて政治変革する闘いへと向かっている。
GSEF2014会場にて

GSEF総会2014


 また韓国の「ソウル宣言」に始まる「グローバル社会的経済協議会(GSEF)」の設立は資本主義経済に代わる「社会的経済」への挑戦で共生・協同型社会へのグローバルな連帯のネットワークを形成し、16年秋にはモントリオール大会を開催する。

 そして日本における沖縄県民の辺野古阻止の闘いはいうまでもなく、「3・11東日本大震災」を契機とした反原発大衆行動や「生き方、暮らし方」を問い直す流れは日本社会の根底に地殻変動を起こしつつ現在の安保・戦争法反対の若者や広範な市民の闘いにつながっている。またTPPに反対する人々の運動や日本で「ソウル宣言の会」を起ち上げて社会的経済に挑戦する各種協同組合運動や連帯労組・関生支部の挑戦も含めて、これらは世界の新しい流れの中にある。

「もう一つの世界」は、既にある。私たちはこれら挑戦し闘う人々に連帯し、共にこの世界の流れを発展させるべく闘う。

安倍政権打倒し、「日本」を変えよう

沖縄の闘いと結び日米安保破棄し平和な東アジアを

 こうした世界と時代認識をはっきりさせて、以下の新年の闘いに挑みたい。
沖縄での警視庁機動隊の暴挙

沖縄での警視庁機動隊の暴挙

 第1は、日米両政府と真っ向勝負に臨み、年末に「辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議」の結成をもって、辺野古現地闘争、国との裁判闘争、新年1月の宜野湾市長選、6月県議選、7月参院選の勝利に向かっていく、辺野古新基地阻止の闘いである。

 私たちは、辺野古現地闘争と結んで普天間基地閉鎖・辺野古新基地阻止・米海兵隊の撤退を求め、第7期沖縄意見広告運動の大衆闘争を支えて闘う。と同時に辺野古阻止の闘いは、「日本」を問い、戦後の「この国のあり方」を問い、平和憲法の上に超法規的に覆いかぶさる日米安保条約の存在の真っ芯に突き刺さる闘いとしてある。
 私たちは、明治以来の近代日本国家がアイヌへの侵略と琉球王国への武力併合、同時に朝鮮・中国への侵略によって形成されてきたこと、敗戦による日米安保体制下の戦後国家もこの近代以来の沖縄などの「構造的差別」に支えられてきた歴史を踏まえて「日本」を問い直し、その根にある日米安保条約を破棄し、「太平洋・東アジアの民衆と平和に生きる、もう一つの日本」をめざして闘う。

 第2は、衰退するアメリカの対中国戦略を補完しつつ、他方で「死の商人」よろしくインドなどに日本の原発を売り歩き、原発・兵器産業資本のアジアにおける独自の権益の確保と独自の覇権確立のために奔走してきた安倍政権が、夏の参院選での改憲発議のできる「3分の2」以上の議席確保を狙い、参院選後には南スーダンへの「駆けつけ警護」はじめ、シリアなど「対テロ戦争」に参戦していこうとしている。安倍政権の「一億総活躍社会」の実現を目指す「アベノミクス第2ステージ新3本の矢」なる経済政策は、参院選に向けたその野望を覆い隠すための政策にほかならない(関連記事・本紙11面参照)。
国会前会場にて
 安倍政権のこの野望を打ち砕くことが、新年の重要な闘いである。そのためにも、辺野古新基地建設の沖縄の闘いと、安保・戦争法廃止、反原発、反TPP、そして反貧困などの大衆闘争とを結びつけ、大きな共同を実現し、安倍政権打倒へと高めていくことである。
 この大衆闘争の発展こそが、参院選における野党と市民勢力の協力による勝利を保証するものだということを、肝に銘じて臨みたい。

 第3は、安保・戦争法制反対で、60年安保闘争以来の広範な市民が立ち上がりはじめている中で、時代の歴史的転換に立ち向かい、時代の求めに応え、これら大衆闘争の先頭に立ち闘うべき労働運動全体の低迷・衰退が続いていることである。
反貧困デモ とりわけ、安倍政権の「世界で一番企業が活動しやすい国」をめざした大企業優遇政策、派遣法大改悪を典型とした、労働者の生活と権利破壊の中で、非正規労働者が労働者全体の4割となり、そのほとんどが低賃金と劣悪な労働条件を余儀なくされ、貧困と生き難い状態に放置されている。非正規労働者の貧困は、その子供や高齢者の貧困に直結している。

 これらの闘いと安保・戦争法などの政治課題が結びつき、一体に的に戦われない限り、労働と生活の現場から安倍政権を大衆的に包囲し打倒し、その野望を打ち砕くことはできない。
 新年の重要な闘いは、この現状を打破し、日本の労働運動再生に向かって始まった関西における「関生型」をもってする労働運動再生への挑戦を全国に広げることである(詳しくは本紙6~11面の【新年特集2】の一連の記事を参照)。

 私たちはこれらの闘いを全力で推進する中で、立ち遅れ、激動する歴史の「ふるい」にかけられていることを自覚する志ある人々と、日本の「反資本主義左派」の新生に挑戦していきたい。
 共にがんばろう!

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