主張】日米首脳会談、対米従属極まった亡国の安倍政権

■敗戦70年目の日米首脳会談に問われていた本題

安倍オバマ日米首脳会談(2015) 日米首脳会談が開催された4月28日は、1951年にサンフランシスコ講和会議が開かれ、沖縄を米占領軍に売り渡して天皇制を維持し、同時に米占領軍が駐留し超法規的にふるまうことを許した日米安保条約(旧)が締結され、翌52年に日本が主権を回復した日である。沖縄県民はこの日を「屈辱の日」として胸に刻んできた。

 敗戦70年の現在、グローバル資本主義の世界的危機を根拠に、ユーラシア大陸の西端の西欧と東端の朝鮮半島に至るまでの米帝一極覇権体制が歴史的没落過程に入り、この両端でロシアの台頭、中国の台頭と軍事大国化・海洋進出、中東の混乱・「イスラム国殲滅戦争」など、世界は世界支配の新秩序を巡る再編と抗争の只中にある。

 この事は、平和憲法に覆いかぶさり、戦後の「この国のかたち」を決めてきた日米核安保同盟の根拠をも揺さぶっている。一方の米オバマ政権は、「リバランス」ーアジア太平洋に戦略的重心を移し、台頭する中国との「米中新型大国関係」を重視しつつもアジアインフラ銀行〈AIIB〉にみるようにその「封じこめ」に失敗し、中東における「対イスラム国殲滅戦争」も思うに任せず、日本・韓国など目下の同盟国に新たな「役割分担」を迫り、米軍との共同作戦を担う「NATO」的な強固な戦争同盟構築を目論んできた。

 こうした米帝の歴史的没落過程は、まずは沖縄の辺野古中止の交渉、そしてわが国にとって戦後の日米安保条約による日米関係を変えることで、沖縄―本土から米軍の撤退をもって、真の意味での対等・平等・友好の日米関係を再構築するために物を言い、交渉に入る歴史的チャンスなのである。敗戦70年目の日米首脳会談に問われ、9条の平和主義を広げ、沖縄・日本・アジアの平和を積極的に望むならば、本題はそこにあったはずである。

■「日米戦争同盟」に希望などない。自衛隊は米軍の傭兵に

安倍オバマ日米首脳会談(2015) しかしながら安倍首相は、沖縄の辺野古新基地強行、新ガイドライン改定合意と「安保法制」の自公合意、TPP参加に反対したJA会長の首を手土産に訪米し、日米首脳会談に臨んだ。迎えた米オバマ大統領も窮地に「援軍」来たりと、満面の笑みを浮かべ「国賓級」の歓待で迎えた。こうして日米首脳会談では、第1に今後「不動の同盟」として世界的レベルでの米戦争戦略への軍事協力の拡大、第2にTPP交渉の早期決着、第3に沖縄の民意を切り捨てた安倍首相の「辺野古移設を唯一の解決策とする立場」の追認などが、確認された。

 会談後の共同記者会見で、オバマ大統領は「オタガイノタメニ」と日本語を使いながら、「戦後70年間、今日、私たちが達した進展は、日米の関係をこれから先何十年も導いていく」と語った。安倍首相は「日米同盟の歴史に新たな一ページを開いた」と胸を張った。さらに翌日の米上下両院合同会議の演説では、安倍首相は、聞いていて〈へど〉の出るような美辞麗句で米国礼賛を繰り返し、先のアジア侵略戦争、国家犯罪である従軍慰安婦問題に真正面から応えず、中国を念頭に今国会での成立をめざす「安保法制」について「自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟はより堅固になる。この夏までに成就させる」と決意を述べた。

 そして自ら掲げる「積極的平和主義」(=戦争主義だ!)を「日本の将来を導く旗印」と豪語し、「日米同盟を〈希望の同盟〉」と呼ぶよう提唱した。安倍首相は、日本の国会に上程されてもいない「戦争国家」への「安保法制」の成立を、期限を切って米政府・米議会に誓約したのである。ここに、安倍首相の沖縄の民意無視、憲法破壊、国会軽視の対米隷従もここに極わまった。安倍政権は、日米産軍複合体の利益のために、国と民の未来を売る亡国の犬に成り果てたのである。
 
■沖縄の闘いと結び、「戦争国家」へ向けた安保法制の成立阻止し、安倍政権打倒へ

辺野古新基地NO!沖縄の闘い2015 「戦争国家」のための「安保法制」は、新ガイドラインと一体で、一言で言えば、憲法上の制約を振り捨てて全世界でアメリカと共に戦争すること、もっと具体的に言えばアメリカの対中国軍事的包囲作戦を担い、米・有志連合ともに中東・「イスラム国殲滅戦争」に自衛隊が米軍の傭兵として参戦するための安保法制である。辺野古の「新巨大基地建設」は、これらの戦争遂行のための米軍と自衛隊が共同使用する軍事拠点であり、沖縄の米軍基地をはじめ日本列島各地の基地が、米軍と自衛隊がアジア、中東への出撃していく軍事拠点に組み込まれていくことは、言うまでもない。(4-5面参照) 

 沖縄への「構造的差別・暴力」の上に成立している日米安保同盟は、今、人間の尊厳と自己決定権をかけたオール沖縄の島ぐるみの闘いによって「辺野古阻止」を突き付けられており、「不動の同盟」どころか、その足元から火が噴いている「砂上の同盟」でしかない。
 その沖縄では、首脳会談直後の29日に翁長県知事が怒りの記者会見をし、怒りに燃える民意を背に5月末にも訪米し、米政権・米議会へ直接に訴え行動する。(2面参照) 

 安倍政権は「安保法制」を5月中旬にも国会に上程し、夏まで延長した今国会で成立強行しようとしている。これから、暑い夏まで、闘いの正念場となる。
 沖縄と結び「安保法制」の成立を阻止しよう!
 安倍政権を倒し、戦争への道を阻止する、大きな共同の闘いを!


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