2016春闘勝利へ 中小企業労働者は「関西生コン型春闘」に続こう!

格差・貧困打破、最賃1500円(時給)を求め闘おう!

 中小企業労働者はストライキを武器にした
「関西生コン型春闘」に続こう!

                        /仲村実(労働プロジェクト)
■闘いを放棄した連合春闘
2・26総決起集会 関生労組の春闘がはじまった

関生労組の春闘がはじまった


 2016年の春闘が始まっている。「官製春闘」が2年続き、春闘の波及効果が弱まり、賃金は産業間の格差、産業内でも企業規模間の格差、企業内でも正規・非正規労働者間の格差が拡大している。

 今年は「アベノ春闘」である。安倍首相の「賃上げを」と声をあげ、これに応えて経団連が「年収ベースでの賃上げ」を大手企業に求める。連合は「あくまで月給の引き上げにこだわる」とベースアップを主張するが、その内容と言えば「ベースアップ2%程度」で要求段階から「敗北宣言」に等しい。例えば史上最高の営業利益のトヨタで、トヨタ労組の要求は昨年ベア4000円を下回る3000円という有様だ。

 現在、雇用労働者5665万人のうち労働組合に加入しているのは17.4%で、ぼう大な未組織労働者、非正規労働者の多くは賃上げすらない現実が続いている。連合は格差や労働者の40%を占める非正規労働者の処遇改善について、「大企業には中小が賃上げできるように適正に利潤配分すべきだ」「経営者には待遇の改善とともに、正社員に転換する仕組みを求めていく」と言っている。ところが、連合には、これらを実現するための要求闘争はもちろん、ましてやその実現のために産別統一闘争や、ストライキ権を行使する気などみじんもない。「労使自治」とか口にするが闘い取るという意思はなく、総じて資本への癒着・迎合という他ない。

■格差・貧困押し広げる安倍政権を包囲し、最低賃金時給1500円を求め春闘行動を! 

関生労組の春闘がはじまった

2・26総決起集会

 安倍政権は、グローバル資本主義の危機の中で、「企業が世界で一番活動しやすい国・日本」を掲げて、大企業の利益・儲け優先で、競争と格差・貧困を拡大し、弱肉強食の新自由主義政策を推進してきた。そして儲けるためには戦争もいとわず、「戦争する国」へ兵器・武器生産・輸出、原発再稼動・原発輸出、自衛隊と在日米軍関連財源増、辺野古新基地建設強行、消費増税、TPPによる農業・産業破壊、労働法制の規制緩和など人々の命と暮らし、地域を破壊することもかまわず暴走している。その集大成が安保戦争法制定―改憲だ。

 労働組合の社会的影響力の低下はこうした安倍政治の金儲け主義の利潤追求の攻勢を打ち砕けず、結果、非正規労働者は1962万人(37.4%)、年収200万円以下の労働者も1000万人以上となり、労働者が競争に巻き込まれ、低賃金と貧困に叩き込まれている。最低賃金は、最高が東京の時給907円、最低が沖縄などの693円で。最近、安倍首相は「最低賃金を時給798円(平均額)から1000円に引き上げる」「同一労働・同一賃金」と言い始めた。これは、1%の資本家や大企業経営者らの利益代表である安倍政権が、アベノミクスの破たんを隠し、社会の多数者となった非正規労働者など99%の怒りの燃え上りを抑え込み、参議院選挙もにらんだ口先だけで労働者を欺くものでしかない。大衆行動やストライキ闘争がなければ、これらを政府に実現させることはできない。

 アメリカでは最低賃金を、2018年までに8.75ドル(約1000円)を15ドル(約1700円)に増やす州があり、ドイツでは2015年から8.5ユーロ(約1100円)となっている。
 今春闘で、安倍政権の大企業優遇税制を止めさせ、中小企業支援政策を実行させ、最賃大幅アップの条件を闘い取ろう。全ての労働者に適用できる最低賃金を時給1500円にせよと声を挙げ、デモで街に出よう!

■関生型―反独占「業界規制」春闘勝利!非正規・未組織労働者を組織する春闘に!
 ストライキを武器に、大幅賃金アップ・賃金配分決定まで闘おう!


2・26総決起集会 関西生コン支部(関生支部と略)は、労働組合と事業協同組合との一面共闘・一面闘争の取り組みを続けてきた。生コン業界は、セメント・ゼネコンという大企業による中小企業に対する収奪構造が存在する。従って、大企業の中小企業に対する収奪は、中小企業間競争で値引き競争を生み出し、その結果、労働者への収奪として賃金・労働条件を悪化させる。関生支部は、セメントメーカー・ゼネコンに対し、中小企業・事業協同組合と共同仕入れによる値下げ、共同販売による値上げのために、そこで働く労働者の賃上げ原資獲得のために、共同闘争を組んでいる。この関西生コン型運動は、他の産別、業種・業界にも適用できる反独占・大企業との闘争のモデルである。

 今16春闘では、関生支部を中心に全港湾大阪支部、連合の生コン産労、全労連の建交労など業界関連6労組の団結ができ、業界との集団交渉を3月7日に行う。現在、連帯ユニオン関生支部は、自らの生コン支部の拡大はもとより、セメント支部、トラック支部、圧送支部、今年の2月には関西クラフト支部を結成させ、ゼネラルユニオンとして、複合産別・業種を一万人規模の支部として拡大していく組織戦略を持ち奮闘中である。(関連記事3,4,5面参照)
 業界を規定する集団交渉の陣形構築をめざして、ストライキ態勢で大幅賃上げ、賃金配分明確化まで闘おう! 闘いを通して、労働組合運動を再生していこう。
                           (仲村実/労働プロジェクト)

注―ゼネラルユニオンとは ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
 イギリスでの本格的な労働組合運動のはじまりは、1889年のロンドン港湾労働者のストライキと言われている。船の積荷の積み下ろし労働は、不熟練労働者によって担われ、低賃金で長時間労働(12時間労働)。労働者から中間搾取(ピンハネ)をする「ギャング」という組制度があり、半失業状態が続いていた。この港湾ストライキがきっかけで本格的な組合結成となっていった。ロンドン港湾労働者のストライキ後、港湾の不熟練労働者、半熟練労働者に加え、運輸関係、機械関係、建築関係の不・半熟練労働者の組織化が始まり、いわゆるゼネラルユニオンとなっていった。イギリスの運輸一般労働組合がそれである。

※関西生コン支部とその闘いの特徴については、下記の通り本紙4-5面にて、『関西生コン支部50年誌』出版記念シンポジウムの報告を掲載しています。参照ください。――編集部

<参 照>
◎3面
2・27 雨をつき1500名が大阪で怒りの声
 -セメント・生コン関連業界再建と戦争法の廃止を目指す総決起集会

生コン業界再建・戦争法廃止2・27集会宣言(全文)
連帯ユニオン議員ネット11回総会 市民派議員が集合
関西短信】近畿トラック産業懇話会 労働・経営が共同セミナー ほか
◎4面~5面(関生労組出版記念シンポ報告)
開会挨拶】ともに考えたい3つの課題/伊藤誠(東京大学名誉教授)
関生労組50年の歴史的成果とは何か/武健一(関生労組委員長)
建設問題と東北の農業問題は一体/大内秀明(東北大学名誉教授)
記念講演】関生労組の歴史と日本労働運動の未来/木下武男(元昭和女子大学教授)

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