つながれアジア・葬れTPP 山形・大阪 国際シンポジウムの報告(下)

報告:大野和興(ジャーナリスト、TPPに反対する人々の運動世話人)

大阪シンポジウム

大阪シンポジウム


 TPPに反対する人々の運動が連帯労組関西生コン支部などと共催した国際シンポ「つながれアジア!葬れTPP!国際シンポジウム」は1月30日の東京シンポ(本紙既報)につづいて1月31日山形、2月1日大阪で、それぞれの地域が主催者となって開催されました。

≪山形シンポ≫
 1月31日午後、山形市内で開催されたシンポジウムには山形各地から参加した農家の姿が目立ちました。主催は山形県平和センターと置賜百姓交流会など農民グループで来る「ストップ!TPP山形県民アクション」。200人が入る会場はほぼ満席。コメどころで果樹、畜産も盛んな農業県山形だけに、農家の危機感がうかがえました。

≪大阪シンポ≫
 大阪シンポは2月1日午後6時から落成したばかりの学働館・関生(大阪市西区)で開催されました。ここも200人は入る会場がほぼ埋まる盛況でした。主催は連帯労組関西生コン支部」。それだけに参加者には労働者の姿が目立ち、マレーシア、韓国、ニュージーランドなど海外からのゲストの話も、TPPが労働者に与える影響について強調していました。

 「TPPに反対する人々の運動」の共同代表で山形・置賜の百姓、菅野芳秀さんが自身のフェイスブックで次のような感想を寄せていますので紹介します。

山形集会の様子

山形シンポジウム

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菅野芳秀さんー山形シンポ報告
 東京、山形、大阪と「ストップ!!TPP国際シンポジューム」が開催され、31日の山形会場では、およそ200人の老若男女が詰めかけ、マレーシア、ニュージーランド、韓国からの報告に耳を傾けた。
   
 マレーシアのファウワズさんからは「TPPの中のISDS条項によって外国から進出した企業は、その国の法律に従わなくても良くなってしまう。国内政策が 成立しない。公共事業も外国の巨大企業に奪われてしまうことで、自国の経済発展を考えた発注ができにくくなってしまう」と訴えた。
モアナさん(写真は大阪シンポ)

モアナさん(写真は大阪集会)

 ニュージーランドの先住民・マオリ族から来られたモアナさんは
「トップ5%が40%の富を持ち、14・6%のマオリは5% しか持てず、最下層に置かれている。いまもなお、植民地化された現実を変えることができていない。そこにTPP。TPPの価値観はマオリの伝統的な考え方 と相いれない。マオリにとって山や森、川や海は部族みんなのものだ。それらをTPPは西洋的財産権をもって独占しようとする。マオリだけでなく、TPPは 限りなくその国の人々の権利を奪っていく。」と話した。
 韓国のノ・ムヒョン大統領の首席秘書官だった鄭(チョン)さんは、「韓米FTA締結(2011年)から4年たった現在、アメリカによって韓国の54の法令が変えさせられた。韓国社会はアメリカのような社会にされようとしている。」と報告された。

 フロアからも「TPPによってこの社会が壊されようとしているのに、日本のマスコミは真実を伝えない」などの意見が出された。
 この国際シンポジュームを通して、TPPは単なる交易上の条約ではないこと。その本質は多国籍企業が国を植民地化しようとするものであること。同時に、そ れぞれの国では様々な反TPPの運動が闘われていること。それらの国境を越えた連携が求められていることなどが明らかとなった。
 さぁ、いよいよ正念場ですね。国会批准阻止に向けて、まずは参議院選で勝利することでしょう。どちら様も頑張り時ですぞ。

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連帯ユニオン関生支部機関紙『くさり』より-大阪シンポ報告
ファウワズさん(マレーシア)

ファウワズさん(マレーシア)

 日本は、TPPの大筋を合意したことによって「もうすでに成立している」という雰囲気になっている。しかし、テレビや新聞などのマスメディアでは一切報道されていない。各国でTPPに反対する民衆が大きな運動を作り出してきている。

 1月30日からニュージーランド、マレーシア、韓国から活動家を招き国際シンポジウムを東京、山形、大阪で開催されることとなった。大阪では2月1日、『TPPに反対する人々の運動つながれアジア!葬れTPP!2・1国際シンポジウムin大阪』と題し学働館・関生でシンポジウムが開催された。
 大阪では、主催者実行委員会としてTPP問題でつながる全港湾大阪支部と全農林労組大阪分会そして連帯労組関生支部の3労組が主催してのシンポジウムとなった。冒頭に3労組を代表し、関生支部の武執行委員長の挨拶から始まり、パネルディスカッションへと移った。

 コーディネーター役として同志社大学の田渕教授にお願いし各国の話に入った。マレーシアのファウワズ-アブドゥル-アズィズ氏は、2010年のマレーシア政府のTPP参加表明や同時にEUとのFTA交渉参加表明からTPPを取り巻く情勢は変化しており、新たな闘う戦略も必要とされていると発言された。
チョン・テインさん(韓国)

チョン・テインさん(韓国)

 次に韓国から、盧武鉉政権時に主席秘書官を務めていたチョンテイン氏が韓米FTAからTPPについて公共福祉や環境の破壊へ繋がるTPPを阻止しなくてはならないと発言があった。
 最後にニュージーランドからシンガーソングライターのモアナマニアポト氏の歌から始まりニュージーランドの現状を確認し、TPPは人権を無視し、全ての人を犠牲にしてアメリカと一部の富裕層だけが利益をもたらすものだと指摘した。

今、地球規模で広がる新自由主義的グローバリゼーションは、世界に何重もの格差・抑圧・差別を生みだしている。その最先端の動きがTPPである。その権力が行う暴力に対して民族を超え、国境を越え連帯し、アジア・太平洋地域の先住民、農漁民、都市生活者、労働者が団結し、TPP成立阻止の包囲網をつくっていくことを確認し、シンポジウムを終えた。

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