開会挨拶】ともに考えたい3つの課題/伊藤誠(東京大学名誉教授)

■開会のあいさつ 共に考えたい3つの問題
伊藤誠さん(変革のアソシエ共同代表・東京大学名誉教授)


伊藤誠さん

伊藤誠さん

 本日は各地からおいでいただきありがとうございます。変革のアソシエ主催のシンポジウムに様々な諸団体諸機関が協賛・連帯してくださり、感謝申し上げます。
 「今こそ、当たり前の労働運動へ」ということを巡っていろいろな視点から議論し学び合っていこうと思います。変革のアソシエ発足以来、関西生コン支部からはご支援頂き感謝しております。これからの日本の社会、政治をどうしていくのかを考える時、その根本に労働運動があります。

 出版された本の記録を読みました。1965年、発足当時5分会183名で発足し、1983年には3500名に成長しました。そして今日に至るまで、劣悪な条件を闘いを通して改善し、ゼネコン、セメント大手に挑戦し、革新政党の分裂工作を受けながら闘い成長してこられた。そして近年、日本でめったに聞かれなくなった「ストによる賃上げ」を闘いとってこられた。その指導者の方々には心からの敬意を表明し、元気、やる気、勇気を学んで帰りたい。この本を読んで非常に感銘を覚えたが分からないことが3つあった。それをこれからおこなわれる記念講演とシンポジウムの中で皆さんと共に考えてゆきたい。

 第一に木下さんがこれから講演される「関生型労働運動の特徴」。なぜ関生では成功したのか。全国の他の労働組合はどうしてこの壁を突破できないのか。それを学んで行きたい。

 第二に関生の運動は、その成功の一面として、中小企業を大企業に対抗する組織として組み込み、それを通して地域社会を下から支える組織として成長している。その組織化の中で労働組合がどう位置付けられているのか。世界的に注目を浴びているソウル宣言などで期待している新しい協同組合、労働者協同組合と共に企業を組織するところに関西生コンの組織がどのくらい近付いているのか。世界的には労働組合と協同組合は折り合いが良くないが、関生では両者が結合している。これをどう日本全体に拡げて行けるのか。

 第三に、それらの運動を支えてきた思想と理論について。変革のアソシエは批判的知性と社会的運動の橋渡しをしたいという志をもって活動してきたが、関生の50年にわたる歴史の中でシドニー・ウェッブ、ビアトリス・ウェッブ夫妻(福祉を重視するフェビアン協会を創設し社会改革を推進)の思想が関生型運動の役割を明らかにするのではないか。
 また、ソウル宣言の会で皆さんのお話を聞いていると、カール・ポラニーの協同組合理論がひとつの支えになっている。大内秀明さんが注目されているウィリアム・モリスや、宮澤賢治を始めとする日本のラディカルな思想と理論がどのようにマルクスの思想と結合され生かされているのか。関生の運動を基礎にして、今年より本山美彦教授・変革のアソシエ共同代表を校長先生として労働学校が開設されますが、新しい日本の政治社会を含め働く仲間のためにどういう思想と理論を生かしてゆくのか、それを多いに議論していきたい。

 以上三点に渡って、今日の講演、シンポにおけるご発言からぜひヒントとなるものを学んで帰りたいと願っています。

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