関生労組50年の歴史的成果とは何か/武健一(関生労組委員長)

■関生支部50年の歴史的成果とは何か
武建一さん(連帯ユニオン関西地区生コン支部委員長)


労組と中小企業の関係は「一面共闘・一面闘争」

武建一さん

武建一さん


 今日は国会周辺で沖縄の基地建設、あるいは辺野古への基地建設を認めない大行動が展開されております。この大行動の呼びかけ団体の中に沖縄意見広告運動も入っており、私は、その全国世話人の代表でして、本来は集会に参加するべきだったんですが、このシンポジウムを最初に計画しておりまして、沖縄意見広告運動の皆さんにもご了解いただいて、両方とも成功させようという事で今日ここに参加させていただいております。

 さて、50年前、バス・トラック・タクシーなどは花形の仕事でして、生コン車は1回走って幾らという歩合制の賃金ですから、当時は「カミカゼ」と言われ、競争原理をそのまま導入されている職場でした。奴隷的な労働で、ごく一時的な「腰掛け」程度の仕事で長く続けるような仕事ではなかったんです。
 ところが50年経過するとこれが逆転しまして、関西の生コン車運転手になるのは東大に入るよりも難しいと言われるようになりました。首を切れないため応募してもなかなか入れないからです。50年前は5つの分会180人そこそこでしたが、現在は職場の数は200を越し、組合員数は1600人。ところが直接影響を及ぼす範囲は近畿2府4県の生コン関連事業者500社、5000人に及んでおります。労働組合と中小企業協同組合が連携して大企業の収奪と闘って対等取引をする仕組みを共に創り上げ、それが拡がっています。

 労働組合と中小企業は利害が対立します。中小企業は労働者からの搾取で成り立っていますから。しかし同時に中小企業は大企業から収奪されています。ですから我々は中小企業と一緒に大企業の収奪と闘う仕組みを作ってきました。中小企業に対する我々労働組合の原則は「一面共闘・一面闘争」です。中小企業からの不当労働行為、解雇、人権侵害、著しい賃金抑制に対しては断固闘います。一方、大企業からの収奪に対しては共闘し、売り価格安定、運賃引き上げを勝ち取ります。そうすることで労使の対立が薄まり、信頼関係が高まる。それぞれの業種に組織を拡大してゆくのは労働組合の本来の使命ですが、労組を作るだけではなく企業をまるごと「協力会員」に組織してゆく。

労働者の競争を抑制する運動のしくみ

 いまの労働組合は労使協調型で、労働者の管理を労働組合にやらせるのが普通ですが、我々は逆に会社を丸ごと協力会員に入れて労働者が経営者を掌握してゆく。そのため1ヶ月に一度、各地区で労使懇談会を行なっています。そこで互いに置かれている現状や問題点をえぐり出し、解決するために力を合わせて何をなすべきかを議論する。
 それから、近畿2府4県327社と2ヶ月に一度ずつ懇談会を開いて同様の議論をします。また年間10回以上、労使で定期の学習会を開いており、毎回120~130人くらいが参加しております。また労使共同で『提言』という機関紙を発行しております。私が編集長となって、業界紙の側面を持ちながら、一般に報道されない問題などに切り込んでいます。2009年には「協同会館アソシエ」を創り、そこでも協同組合と労働組合が日常協力するスタイルを創っております。

 労働者は放置しておけばお互いに競争します。だから出来高払いとか歩合給とか労働者同士が競争するような賃金制度を完全になくし、本給、資格給、家族給の3つだけの単純明解で分かり易い制度にしました。また賃上げも日本では年功序列型が普通でしたが、そのような資本の恩恵ではなく闘いによって決め、賃上げも一律で決めるということを貫いてきました。格差が無いので労働者が団結しやすい仕組みですね。
 また1974年には「労働者の雇用は労働組合を通さなければできない」という優先雇用制度(クローズドショップ制度)を勝ち取りました。そしてそれ以後、全体が連帯して雇用を保障する制度が創り上げられてきました。

中小企業協同組合に競争をさせないための4つの方針

 次に我々は、協同組合に加入した経営者に競争させないための4つの方針を立てました。
 一つ目は共同受注です。二つ目は共同販売。三つ目はシェア運営をする。四つ目はシェアに不均衡が出たら調整する。そういう制度を1979年に実現しました。それが生コン価格の値戻し(安売り競争で下がった価格を元の価格に上げていく)をしていく上での協同組合の内部的パワーとなったわけです。大企業との対等取引のシステムがこれによってできあがりました。

 しかし中小企業の力には限界があります。販売価格が低いからといって出荷を拒否すれば損害賠償訴訟を起こされます。そこで中小企業がやれない事を労働組合がやります。2010年には生コン価格を押し上げるため4ヶ月半のストライキをやって勝利しました。我々は大企業に脅威を与えるまでやるので、80年以降は絶えず権力弾圧を受け続けています。4回にわたって想像を絶するほどの攻撃を受けています。それでも我々は屈しない。なぜか。それは学習力、実践力、想像力、不撓不屈の精神があるからです。この4つが我々の関生魂です。

「基金制度」の実現で財源を確保6労組共闘で前進

 昨年、40年前から約束していた「基金制度」が実現しました。それは生コン1立米(りゅうべい=立法メートル)の出荷に対して100円を拠出する制度です。大阪府下では年間560万立米の出荷がありますから計算すると5億6千万円になりますね。去年10月からスタートして、これから安定的に財源が確保できるようになります。
 こういう運動が前進したことで去年5月からは共産党系の建交労とも共闘し、非常に幅広い運動が構築され前進しています。5回目の弾圧があるかもしれませんが、それに対抗して幅広い戦線を創り上げていくために、今年は文化部をつくりました。また地域創生をめざして地域共闘を前進させる仕組みを作っております。
 また人材の育成をめざして「大阪労働学校・アソシエ」を設立し、この4月からスタートさせます。
 こうして「社会的労働運動」として一万人組織めざして前進させる基盤がようやくできあがったのが現状です。

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