建設問題と東北の農業問題は一体/大内秀明(東北大学名誉教授)

■建設問題と東北の農業問題は一体
大内秀明さん(仙台・羅須地人協会・東北大学名誉教授)


大内秀明さん

大内秀明さん

 関生の立派な本の出版おめでとうございます。私も小文を寄稿させていただきました。私どもの仙台・羅須地人協会のことについてはお手もとの大阪労働学校アソシエの学校案内に詳しく紹介していただきました。宮澤賢治は花巻で農業労働芸術学校ともいうべき羅須地人協会を設立したわけですが、私共はその賢治精神を受け継ぎながら、今震災復興活動などに努力しております。大阪社会問題研究所などともつながりがある大阪労働学校に、私共もお役に立てれば嬉しいと思います。

 今年1月9日に賢治生誕120年を記念する「賢治農民芸術祭」を仙台で開催しましたが、平山さんが報告してくれましたものが今日の資料の最初に載っております。今年は申(サル)年ですが、私も1932年、昭和7年の申年生まれです。宮澤賢治も申年生まれです。9日の賢治農民芸術祭は大盛況のうちに終わりまして、御出席の方々にはお礼申し上げます。賢治精神が大阪にも拡がる事を心から期待申し上げております。

 私は何年か前から仙台にある一般財団法人みやぎ建設総合センターの理事と所長をやっております。そこで大阪の建設業界と交流をしておりまして、関生支部とも交流をさせていただいております。その関係から、震災復興に関して、建設の需要とか、労働者の状況とかを時々ファックスで情報を提供しております。言ってしまえば、私は関生の「仙台特派員」ということで協力させていただいております。

 いま毎日のようにみやぎ建設総合センターで情報を集めたり、業界紙を読んだりしているんですが、前に宮城県の土木部長が私に「大内さん。東北地域の建設に関係するのは何よりもまず農業問題・農村問題である。これを理解しないとだめですよ」といわれました。確かに、東北は出稼ぎ地域です。東北の出稼ぎ労働によって東京や大阪の建設発展がありました。だから出稼ぎ労働は農村問題であると同時に建設問題でもあったわけです。

 ところが今、その出稼ぎ労働力がないんです。農村がつぶれてしまっています。今はまだなんとかいい。震災後の復興ブームですから。地元の建設業倒産も減っています。しかし楽観はできない。復興ブームでお金が入ってきたのを契機に廃業している企業がものすごく増えてきています。だから、今東京は建設ブームで沸いているけれども、果たして今後どこまで労働力を確保できるか。ご存じのように、人材不足で街頭にいる人をじゃんじゃん入れているわけです。

 大阪生コンで今まで築き上げられてきた協同組合運動や労働組合が、どう結合してこれからの建設業界を考えていくか、そして日本の農業問題をどうするか。TPPが入ってきたら、おそらく日本の農業は息の根を止められてしまいます。それを考えると関生のこれまでの活動はたいへんな意味を持っていると思っておりますし、今後も協力させていただきたいと思います。

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