解説】GSEFの創立と展開・ソウルからモントリオールへ

丸山茂樹さん

丸山茂樹さん

丸山茂樹(参加型システム研究所、「ソウル宣言の会」)GSEF2016ロゴ

 グローバリゼーションによる弱肉強食の政治経済は、貧富の格差の増大、社会的不平等と社会的排除、生態系の破壊など従来の社会的矛盾を一層拡大し世界化した。その弊害については金融危機をはじめ徐々に指摘がされ、世界経済フォーラム、アジア連帯経済フォーラムなどで対抗する試みがなされている。グローバルな対応が必要であるからだ。

GSEF2014会場にて

GSEF総会2014

 2013年11月5~7日に韓国・ソウル市で開かれたグローバル社会的経済フォーラム・GSEF(=会議場では”ジーセフ”と略称していた)もその一つである。ここで採択されたソウル宣言は投機的な国際金融資本やこれを是認する各国政府や国際機関を批判・告発するにとどまらず、極めて具体的かつ実践的な10項目の提案を発したことは画期的であった。

 2014年11月17~19日に再び韓国・ソウル市で開かれたグローバル社会的経済フォーラム(GSEF・2014)はソウル宣言を継承・発展させたGSEF憲章を採択し、総会、運営委員会、事務局を設けて恒常的な国際機関としての体制を整えた。

 そして2016年9月にはGSEF第二回総会(GSEF・2016)をカナダ・モントリオールで開く。モントリオール市シャンティエ社会的経済がホスト役である。世界で最も社会的経済が地域に根を張っていると評価されているケベック州においては既に、1996年に社会的経済の定義がなされ、統計を取り始めている。10年後の2006年には「社会的経済サミット宣言」を採択。公的セクター、営利セクターに対抗する、社会的経済セクターの発展を目指す方策がとられ、その実行のため数多くの中間支援組織が創られた。その中でも代表的存在がシャンティエ社会的経済なのである。

GSEF2014ソウル会場紙飛行機

GSEF2014ソウル会場

 GSEFの第1の特徴は、社会的経済を協同組合や非営利組織のみならず、大小さまざまなコミュニティ・ビジネス、環境保護、女性運動、貧困脱却の試みなど広範な社会運動を中に含むとしている事。

 第2の特徴は、社会的経済を支持し促進している地方政府(自治体)の参画とその国際的な連帯・参画を呼びかけている事である。協同組合が盛んな都市として良く知られたイタリア・ボローニャ市、スペイン・バスク州、カナダ・ケベック州、フィリッピン・ケソン市の政府首脳や市長・副市長などが参加し、日本からも2013年に京都市の副市長、2014年には川崎市の副市長が参加して報告者となっている。

 2度のフォーラムでイニシアティブを発揮したのは、ソウル市の朴元淳市長とカナダ・コンコーディア大学カールポランニー政治経済研究所のマーガレット・メンデル所長であった。スペイン・バスク州政府の閣僚、イタリア・ボローニャ市長も貧困・失業・格差の縮小において協同組合をはじめとする社会的経済と、それと協力する市政の連携が如何に重要であるか、具体的な数字を挙げてその報告している。

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※2016年ソウルからモントリオールへ!本紙では今後もこの間の動きと議論を報告していきます。(編集部)

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