国際短信】フランス・労働法改悪反対に50万人が決起 ほか4件

■仏 労働法制改悪に「ノン」
 「非常事態宣言」に抗して50万人が決起

デモには多数の高校生や大学生も参加した

労組のほか多数の高校生や大学生が参加した

3月9日、労働法改悪に反対する学生・高校生・労働者のデモがフランス全土で行われ、パリ同時テロ事件以来つづく非常事態宣言下にもかかわらずパリで10万人、全国で50万人が参加した。全国規模のストライキも闘われている。

 フランスの失業率は10%を超え、若年層ではそれが25%に達している。フランス労働者は闘いで勝ち取ってきた労働法典に守られているが、与党社会党バルス首相はこうした手厚い保護が失業率の高さの原因であるとして、昨年4月1日にこの制度の改革をめざす審議会設置を発表した。審議会は5月に発足し、そして9月には労働法典の簡素化などを含む提案を公表。これを受けて今年1月には法務大臣を座長とする委員会を設置し、改革案報告を政府に提出した。

 これによりまとめられた労働法典改革案が通れば、雇用・賃金・労働条件を法的規制から外し企業ごとに労使で決める事が可能になる。また週35時間を超える労働についての超過勤務手当を廃止されることで、事実上の「週35時間制廃止」となるなど、労働者の諸権利がはく奪される。この法案に反対する請願署名はすでに130万人を超えており、世論調査では10人中7人が反対している。「よりによって社会党政権がこれを提案するなんて」と人々は激しく反発している。

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■最低15ドルで合意(約1700円)
 カリフォルニア州最賃引き上げへ

「ファイト・フォー・15ダラーズ」のデモ

「ファイト・フォー・15ダラーズ」のデモ

 カリフォルニア州で3月28日、民主党のジェリー・ブラウン知事は、労働組合幹部と、州議会の有力議員とのあいだで州制定の最低賃金を2025年に時給15ドルにすることで合意したと発表した。これは州議会で採決される予定だ。
 現在、カリフォルニア州では最低賃金が時給10ドル(約1130円)と決められている。これまでワシントン州シアトルやカリフォルニア州ロサンゼルスなどの都市で最低賃金を時給15ドルに引き上げることが決定されているが、州レベルでの決定は初めてであり画期的。「時給15ドル」はひとつのガイドラインとして定着しつつあり、ニューヨーク州議会でも同様の方針で議会採決されると言われている。
 運動団体「ファイト・フォー・15ダラーズ」(15ドルのための闘い)は4年前にニューヨーク市での数百人の労働者の闘いから始まった運動が勝利を得ていると指摘し、時給15ドルをめざして闘い続けると述べた。

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■オバマ氏の演説は「口先だけ」
 カストロ前議長が批判


キューバカストロ キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(89)は3月27日、ハバナの国立劇場でのオバマ米大統領の演説について、「口先だけの甘い言葉にあふれたもの」として、キューバに対する米国の過去の行為をめぐる謝罪がなかったことを批判した。自国民が対米関係改善を歓迎するなか、キューバ政府の立場を強調し牽制した。
 オバマ氏の訪問をめぐる初めてのコメントで、28日付の共産党機関紙に「兄弟オバマ」と題して掲載された。
 訪問中の22日、オバマ氏がキューバ国民に向け「過去を忘れ未来を見据えよう」と呼びかけたのに対し、カストロ前議長は「我々は心筋梗塞を起こすかと思った」などとコメント。経済制裁がいまだに続いていることや、亡命キューバ人による1961年のキューバ侵攻(ピッグス湾事件)に米中央情報局(CIA)が加担していたことなどについて謝罪がなかったことを批判した。

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■グアム「独立」住民投票
 「米属領」に不満 11月に実施

海兵隊基地を視察するカルボ知事

海兵隊基地を視察するカルボ知事

 グアム政府脱植民地化委員会は4月1日、11月にグアムの独立の是非をめぐって住民投票を行なうことを同委員長のエディ・バザ・カルボ知事が公表した。
 グアムは米国の準州であり、「州」でないため米大統領選挙に投票もできず、米下院代表者に議決投票権もない。民主的諸権利を制限された「属領」扱いに対して住民の不満が募っていた。また沖縄と同じくグアムにも米軍基地があるが、その拡張計画についても住民の意思を無視して米政府、米連邦議会が決定してきた。
 住民投票は国連憲章で自己決定の原則を宣言した第1条と第55条を根拠に、「完全独立」「自由連合国」「米国の州」の3つの選択肢で行われる。「自由連合国」とは、パラオやミクロネシア連邦などのように、内政権、外交権を持つが軍事権は米国が持つ国のことで、国連には加盟できる。
 国連憲章第73条に基づき、米国はグアムの住民投票の決定を尊重しなければならない。

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■ビルマ(ミャンマー)に民主主義の風
 事実上のスーチー政権誕生

ティンチョー氏とスーチー氏

ティンチョー氏とスーチー氏

 3月30日ビルマ(ミャンマー)で、国民民主連盟(NLD)首班の新政権が発足した。半世紀以上も続いた軍事独裁政権によってこれまで長期的軟禁状態に置かれ、ビルマの多くの民衆から「民主化の星」と慕われていたアウンサン・スーチーさんを党首としたNLDが昨年の総選挙において圧勝し、軍事政権をやぶった結果である。
 スーチーさんの側近のティンチョー氏が大統領に就任し、30日、首都ネビドーにおける大統領就任演説を行なった。「新政権は国民の期待と希望に応えられるよう、全身全力でまい進していく。私には、国の状況と民主主義の規範に見合う憲法を実現する責務がある」。
 続いてスーチーさんが他の閣僚たちとともに外相など4つのポストへの就任の宣誓をおこなった。
 新首都ネビドーは2005年、首都ヤンゴンからミャンマー中部に拡がる原野に突如建設された。軍事政権はここに多額の資金を投入し国際会議場や45ものホテルが整備された。しかしほとんど人が住まず「外交官地区」と呼ばれる地域には大使館はひとつもない。外国メディアから「ゴーストタウン」とも呼ばれる。ネビドーは54年間支配してきた軍事政権の腐敗の象徴となっている。
 新政権発足にあたって、まず省庁の削減が決められた。軍事政権は100近くもの大臣や副大臣のポストを作り、退役した軍幹部の天下り先に利用してきた。新政権は省庁の数を38から21に削減、副大臣ポストも原則廃止とした。大統領は「今後5年間で、給与だけで少なくとも5億円の節約になる」と語った。
 しかし議会の過半数はNLDが握っているが、議席の4分の1は軍人に特権として割り当てられており、軍の影響力はまだ失われていない。利権を手放したくない軍が今後の民主政権に対してどのように権力を行使してくるのか。新政権の前途は多難である。

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