パナマ文書 丸紅・伊藤忠ら国内企業・個人も税金逃れに加担

世界を揺るがす史上最大のリークか 日本企業と個人の名も670件余

アイスランド・レイキャビクでの抗議集会

アイスランド・レイキャビクでの抗議集会

 租税回避地・タックスヘイブンへの法人設立を代行するパナマ法律事務所(モサック・フォンセカ社)から過去40年分の金融取引に関する内部文書が流出したと「国際調査報道ジャーナリスト連合」(ICIJ)が発表し、世界を揺るがせている。

 発表によると、同社には約21万5000社と1万4153人が顧客となっており、ロシアのプーチン大統領、アルゼンチンのマクリ大統領、ウクライナのポロシェンコ大統領、アイスランドのグンロイグソン首相、中国の習近平主席、イギリスのキャメロン首相、イラクのアラウィ元首相、サウジアラビアのサルマン国王、カタールのハマド・ビン・ハリーファ元首長とハマド・ビン・ジャシム元首相ら、極めて高位の政治指導者を含め143人の政治家とその家族・側近の名前がみられ、莫大な資産を隠す目的で利用していた疑いがあると指摘されている。

アイスランド・グンロイグソン首相 パナマ文書で辞任

グンロイグソン首相

 各国政府は4月4日、早速に調査を開始した。4月5日には、アイスランドのグンロイグソン首相が辞任し「パナマ文書」報道による最初の主要人物の辞任となった。

 これら租税回避地・タックスヘイブンに何ら実態のないペーパーカンパニー(幽霊会社)を設立し、自国から巨額の資金を回して資産を隠す行為は、未だ「法律違反」にはなっていないが、このような行為は脱税やマネーロンダリング(資金洗浄)、麻薬取引、その他の犯罪の温床となっており、それらを助長する脱法行為である。とりわけ政治家にあっては、「税金逃れ」というモラルが問われる行為であり、国民の99%に新自由主義政策で「痛み」を強制しながら、自分たち1%だけはそれを逃れて巨額の資産を隠しているということだ。

 だが、今や歴史上最大の機密漏えい(リーク)だとして、抗議の声やデモが広がり、話題の中心となっている各国論調に反し、わが国報道機関はほとんどが黙殺に近い形をとっている。

日本企業は? 丸紅・伊藤忠ら270社、個人も400人余

 共同通信などの報道によると、パナマ文書による分析で、日本在住者や日本企業がこのオフショア企業(租税回避地でのペーパーカンパニー)に、株主や役員として記載されている者が、少なくとも270社、400人余の個人に上ることが判った。

 大手商社の丸紅、伊藤忠、UCCなど、指摘を受けた企業は、いずれもビジネスのための出資と弁明し、税金逃れが目的ではないと強弁しているが、いずれにせよこの租税回避地利用者が、これまであまり問題にされてこなかった日本でも、すでに大企業のみならず多くの個人高額所得者にまで拡大していた実態が浮かび上がった。今月5月10日のICIJホームページでの一般公開が待たれる。

タックスヘイブンの仕組み■タックスヘイブンとは?

 日本語では「租税回避地」。無税または極端に低い税率の国や地域のことだ。元々は産業のない小国が自国雇用を生み出すために、海外の企業や産業を誘致しようとして発生したのが最初とされている。
 しかし現実にはもっぱら海外富裕層の金融テクニックとして、課税逃れのための資産隠しや、違法資金のロンダリング(資金洗浄)などに使われている。

 その手口の多くは現地に実態のない幽霊会社(部屋も電話もない私書箱だけのペーパーカンパニー)を設立し、ここに本来は自国から課税されるべき収益や資産を「投資」などの名目で隠して「無い」かのように見せかける脱法行為である。

 毎年100兆円以上の資金がタックスヘイブンに消えていくのに(ちなみに日本一国の総税収は年45兆円程度である)、現在の法制ではこのような富裕層や大企業の悪質な課税逃れを有効に取り締まることができず、世界的にその対策が急務とされていたところに今回の暴露であった。

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