協同会館アソシエ 中小企業運動の砦,6月末竣工!

協同会館アソシエ パース画像

 日本の産業構造は、少数の独占資本支配の下で、圧倒的多数の中小企業が従属している。労働者も大企業内の「正規」「非正規」格差、大企業と中小企業の格差、中小企業内の「正規」「非正規」格差、中小(零細)企業間格差という重層的な差別・強搾取体制に組み込まれている。
 この構造に大きな楔を打ち込んでいるのが、関生労働運動と関西の生コン関連業界の協同組合運動である。労働組合と協同組合の協働による経済民主主義が大きな成果を得ている。その具体的な成果の一つが6月末竣工予定の協同会館アソシエの建設である。

〈建設の目的〉

 協同会館アソシエは、10の中小企業団体(協同組合・一般社団法人・NPO)が自らの資金で一堂に集う中小企業運動の砦として建設される。この決意の背景には、明確な目的がある。

 1番目に自らの砦を持つこと。中小企業運動を担う者の主体性を内外共に明らかにすること。また、中小企業運動が長期的展望を持ち、財力と実行力を持つことを示す。

 2番目に、人材育成センターを独自に持つこと。現在、一員である中小企業組合総合研究所が生コン関連労働者に対し、マイスター塾「基礎コース」で職業倫理と基礎的技術教育を実施している。これをさらに発展させ、コンクリート構造物の品質と安全を担保する人材「コンクリート・マイスター」制度を創設し、その育成も行う。

 3番目に、技術開発や品質管理の研究センターを独自に持つこと。セメントメーカーやゼネコン主導の現状に対し、中小企業が新たな価値を持ったコンクリート(環境にやさしい保水性・浸透性のあるポーラスコンクリートの開発・商品化)を創出するなど、イノベーション(既存の技術の組み合わせによる新しい価値の創造)に励む。

 4番目に、共同して関連する実務を共有化していくこと(事務局機能の集積化、共同事業ソフトの開発・共有、事務機や印刷などの共有、ITインフラの共有・集積化等)による生産性の向上をはかる。

 5番目に、利用面積が広くなり、拡大した事務所スペースや会議室、講習・交渉・イベントのためのホールが確保できる。

 6番目に、生コン関連産業以外の地域の中小企業や住民に会館を活用してもらうことである。当初はイタリアの民衆的アソシエーションである「人民の家」を意識して食堂なども想定していたが、体力的な意味で次回に期すこととなった協同会館アソシエは、ソーラーパネルによる電力供給、消費電力を減らすLED照明、バリアフリー、屋上緑化庭園(エレベーターで直通し地域住民に開放する)など、地域や環境に配慮している。

〈中小企業組織の主体形成〉

 事業協同組合は、中小企業等協同組合法に規制された相互扶助に基づく中小企業組織である。本来は、敗戦直後の財閥解体などと連携した経済民主化の意図を持って組織された。中小企業が団結し、スケールメリットを活かした共同事業(共同生産・共同受注・共同販売・共同購買・研究開発・団体協約締結等々)が可能で、大企業との対等取引をめざすことができる。しかし、独占資本復活過程ですっかり骨抜きにされており、新自由主義以降、一層窮地に立たされている。よって、生コン協同組合など既存の多くの協同組合はメーカの利益拡大・拡販戦略に組み込まれたり、国家の中小企業政策・社会政策に規制されてきた。

 自動的にこの中小企業組織が活性化することはない。そして、関西の試みの画期性は、労働組合の主導性、労組と協組のコラボレーションである。労使の闘いの中から中小企業の主体が形成されるのである。

協同会館アソシエ 平面図

(『コモンズ』第11号(2009/5/1)●別紙)

協同会館アソシエ‎
〒533-0032 大阪府大阪市東淀川区淡路3丁目6−31
 Tel:06-6326-5500
新大阪から徒歩18分、約1Km 西淡路小学校の向かい(東海道新幹線沿い)
http://kannama.com/new-news/09.7.13/asosiesyunkou.html



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