国際短信】日韓青少年平和交流団が来日、富山訪問 他4件

IS空爆開始から、2年
支配地が減少したが脅威は増す…

「イスラム国」支配地域への爆撃

IS支配地域への空爆

 米軍がイラクで過激派組織「イスラム国」(IS)空爆を開始してから8日で2年がたつ。米軍主導の「有志連合」による攻撃でイラクとシリアのIS支配地域は減少しつつある。しかし、ISメンバーらが欧州やアジアでテロを起こし、各地で脅威は増しており、来年1月で任期を終えるオバマ大統領は、IS打倒の目標を次期政権に積み残すのが確実な情勢だ。
 オバマ大統領は4日「ISは丸1年、軍事行動で大きな成功がない。敗北しつつある」として、これまでの作戦成果を強調した。有志連合は、イラクの治安部隊やシリアの反体制勢力などへの支援を中心に、4日までに両国で約1万4千回の空爆を実施。ISは6月までの1年間にシリアで約20%、イラクで約50%の支配地域を失ったとされる。その一方でアラブで広がった反政府運動での弾圧や迫害を逃れて自国を脱出する人の数は、国連難民高等弁務官によると全世界で約6,000万人(2014年)。シリアなどからの難民は増え続け、シリア人口2,200万人のうち国内外で400万人以上が難民と言う事実は重い。

韓日青少年平和交流団 富山訪問
青年の力で過去を乗り越え未来の友好を誓う

 8月5日、韓国・光州より「韓日青少年平和交流団」の高校生12名が「勤労挺身隊ハルモニと共にする市民の会」の4名と共に富山市を訪れた。一行は増田都子さんによる記念講演「日本における『歴史偽造』勢力との闘い」を聞き、「大東亜聖戦大碑」の撤去を求める集会を行ない、また戦前、強制連行によって建設されたダムや工場跡などを見学、8日には日本の高校生との交流会を行なった。また強制連行の過去を謝罪せず、現在も操業を続ける企業・不二越を見学した。韓国と日本の過去の「負債」を乗り越え、未来の友好を築くのは両国の青少年にかかっている。(詳細は次号)

インド・アッサム州で民族・宗派対立
武装集団襲撃で死者多数 8月5日

インド・アッサム州の位置

インド・アッサム州の位置

 インド北東部アッサム州で5日、武装集団が市場を襲撃し、報道によると住民14人が死亡、20人以上が負傷した。武装集団は群衆に自動小銃を乱射し、手投げ弾を投げつけたという。地元警察は、インドからの分離・独立などを目指すヒンズー教系の少数民族・ボド族の「ボドランド国民民主戦線(NDFB)」の犯行とみて調べている。

 ブータンやバングラデシュと国境を接するアッサム州では、先住民族のボド族とイスラム教入植者らとの衝突が頻発する。発端は2012年7月にイスラム教徒の男性2人が殺害された事件。ボド族とは無関係な犯行だったがイスラム教徒の間ではボド族の仕業と思われた。さらにイスラム教徒2人が撃たれ負傷した翌日に、今度はボド族の4人が殺されて対立に火が付き、一時は約48万人が避難民となった。

 ボド族の襲撃を受け、家族5人で避難民キャンプに逃れているディル・ムハマド・マンドルさん(40)は「私たちは共存を願っているのに」と憤った。一方、ボド族側も襲撃を受けている。隣村のイスラム教徒に家を焼き討ちされたボド族のラハラム・ワリさん(32)は、対立発生以前は隣村と互いの祭りに行き来するなど交流があったと語り「こんなことが起きるなんて思ってもみなかった」と家の焼け跡を前に肩を落とした。

 ボド族側は衝突の背景をバングラデシュからのイスラム教徒不法移民(避難民)の大量流入があると主張。だが、イスラム教徒側はこれを否定、ボド族は地域での人口割合を上げようと他民族を迫害しているだけと非難する。ボド族は地域では最大民族だが人口割合は3~4割だ。バングラデシュ周辺ではビルマ(ミャンマー)西部でもイスラム教徒のロヒンギャ族と彼らをバングラデシュ人移民と見なす他の民族の間で衝突が起きている。

タックスヘイブン問題検討委員会から米の有名学者ら相次ぎ、辞任
「意見の相違」を理由に

ジョセフ・スティグリッツ氏

ジョセフ・スティグリッツ氏

 世界各国の要人や著名人らがタックスヘイブン(租税回避地)を利用していた事実が暴露された「パナマ文書」スキャンダルを受け、パナマの金融サービス改革を支援する世界の専門家らによる委員会が創設されたが、委員長に指名されたノーベル経済学賞受賞者の米経済学者ジョセフ・スティグリッツ氏と、スイスの高名な刑法学者マーク・ピエット氏が辞任した。パナマ政府が5日発表した声明によると委員会内部での意見の相違が理由。

 4月に公になったパナマ文書問題を受け、パナマ政府は悪化したイメージの改善を図り、7人の専門家からなる改革委員会を創設した。委員長は2001年にノーベル経済学賞を受賞した、米コロンビア大学教授のスティグリッツ氏だった。委員会は7月、予備段階の報告書を発表していた。パナマ政府はスティグリッツ、ピエット両氏の勧告に対し感謝を表明するとともに、資金洗浄(マネーロンダリング)や租税回避と闘うために引き続き「透明性の確保と国際連携」に全力を注ぐとしている。

米国情報部(CIA)元高官がトランプ氏を酷評
「ロシア政府の無自覚な工作員」と
CIAモレル元副長官

CIAモレル元副長官


 元米中央情報局CIAモレル副長官は、5日付の米紙ニューヨーク・タイムズに寄稿し、ロシア寄りの発言を繰り返す共和党の大統領候補ドナルド・トランプ氏(70)について「ロシア政府の無自覚の工作員」だと痛烈に批判した。その上で、民主党のヒラリー・クリントン前国務長官の当選に向け「私にできることは全てするつもりだ」と記した。

 モレル氏は寄稿で「ロシアのプーチン大統領は個人の弱点を特定し、利用するよう訓練された専門の情報部員だ」と指摘。自身を称賛したプーチン氏を持ち上げたり、ロシアにクリントン陣営へのサイバー攻撃を促したりしているトランプ氏は「既にプーチン氏の計算通りに反応している」と強調した。

 同時に(1)自己顕示欲(2)批判への過剰反応(3)直感に基づく判断(4)自分の意見への固執(5)事実関係への無頓着―などがトランプ氏の特徴だと分析。「トランプ氏は大統領職に不適格なだけでなく、国の安全保障を脅威にさらす。貧弱で危険な最高司令官になる」と結論付けた。さらに「CIAでの33年間、両党の大統領に仕えてきた。大統領の好みを口にしたことはなかったが、もはやこれまでだ」と記している。

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