日本消費者連盟が共謀罪に反対の声明「市民の基本的権利を脅かす」と

日本消費者連盟が共謀罪に反対の声明
共謀罪を廃案に追い込んだ運動をさらに継続するとの決意あらたに……

【編集部より】 リオ五輪報道の喧騒に紛れ込ませるように、8月後半安倍内閣は、これまで3度も廃案に追い込まれた共謀罪の復活を目論見、国際テロに対応させるとの見苦しい言い訳で、名称を「テロ等組織犯罪準備罪」に変更した上で、秋口の国会に上程しようとしている。
 戦前の警察国家体制へ引き戻すための、新たな権力ツールとして機能させることを図る安倍政権に対し、日本消費者連盟(略称:日消連)が断固反対するとの連盟としての声明を明らかにし、国民各層への警鐘を鳴らしている。以下、その声明の全文を、日消連のご了承を得た上で紙面にて紹介させていただく。
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日消連の機関誌『消費者リポート』

日消連発行『月刊・消費者リポート』

◇◆日本消費者連盟声明◆◇

 さる8月27日、「政府は共謀罪の国会提出を検討」との報道がメディアを通して流れました。市民の反対によって、これまで3度廃案になった共謀罪を「テロ等組織犯罪準備罪」と名前を変えて秋の国会に提出するというのです。
私たち日本消費者連盟は、一貫して共謀罪に反対する運動を進めてきました。犯罪が成立するには、具体的に犯罪行為に着手したり、被害が生じたりした場合に限られます。しかし、共謀罪が成立すると、複数の人が犯罪を行うことを話し合って合意したとみなせば、罪に問われることになります。

 こうした法律が一度成立すると、運用次第で拡大解釈が可能になります。市民の権利として憲法で定められている表現の自由や思想・信条の自由、労働者の団結権は大きく損なわれることになるでしょう。まだ何も起こっていないことを犯罪とするのですから、そのことを立証するために取り締り当局による盗聴行為など市民に対する監視が当たり前に行われる可能性があります。

 現在政府が準備している「テロ等組織犯罪準備罪」は、名称を変えただけで、これまで廃案になった共謀罪法案と基本的に何ら変わりはありません。以前の法案で、対象を「団体」としていたのを「組織的犯罪集団」と変えたり、単に犯罪の計画を話し合うだけでなく、準備行為をした場合、というのを犯罪構成要件に付け加えるなど、一定の制約を加えたかに見えますが、適用される犯罪の範囲は「4年以上の懲役・禁固刑が定められている犯罪」ということで変わっていません。罪となる行為は600以上に及び、道路交通法や公職選挙法も対象となります。人びとの日常生活に直接かかわる600以上の法律が対象になるのですから、例えば町内会で選挙対策を話し合って、そのことが買収行為につながったと見なされれば、町内会が「組織的犯罪集団」とされる可能性もあります。

 政府はこの法案を提出する理由に、2010年の東京オリンピックを見据えたテロ対策強化を上げています。オリンピックを持ち出せばなんでも通るとでも考えているのでしょうか。私たち日本消費者連盟は、市民の基本的権利をおびやかし、監視社会をもたらす「テロ等組織犯罪準備罪」にあくまで反対し、共謀罪を廃案に追い込んだ運動を継続することをここに明らかにします。

2016年8月 日本消費者連盟

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