片山さつき議員が貧困者叩き 生存権への無知と執拗な敵視

生存権へのあまりの無知と執拗な貧者への敵視

生活保護は「生きるか死ぬか」の状態になるまで渡すな?!

貧者を執拗に敵視する片山さつき議員

貧者を執拗に敵視する片山さつき議員(自民党)

 8月18日、NHK「ニュース7(セブン)」で神奈川県の「かながわ子どもの貧困対策会議」が開いたイベントが紹介された。その時、母子家庭に育ち、母親のアルバイトでやっと生活している女子高生が実名で窮状を訴える様子も映し出された。
 彼女の家は経済的に貧しくクーラーもパソコンもない。キーボードだけを購入してパソコンの練習をしている。また経済的理由から進学の希望をあきらめたことなどが報道された。
 ところがこの映像をめぐってインターネット上で話題が沸騰し、女子高生へのバッシングが沸き起こったのである。彼女が外食をしたことや購入した画材が高額であること、DVDやゲーム機も持ちアニメグッズも購入し映画や演劇も鑑賞していることなどと徹底的に調べあげたうえ、「これでも貧困といえるのか」「NHKはねつ造報道をしている」といったバッシングが相次いだ。

 この女子高生バッシングはさらに広がった。20日にはあろうことかそこに与党自民党の参議院議員である片山さつき氏までもが加わり、ツイッターで「チケットやグッズ、ランチを節約すれば中古のパソコンは十分買えるでしょう」などと書き、そればかりか「週明けにNHKに説明をもとめ、皆さんにフィードバックさせていただきます」とまで言い出した。
 片山議員の貧困者への敵意はすさまじく、かつて「生活保護は生きるか死ぬかがもらうもの」と言ってのけたことがある。片山氏の一連の発言は、現行法の運用を貧困層は死なない程度に生かしておくだけで充分なものと理解しているかのようである。

 だが実際には日本国憲法第二十五条で「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と保障されており(=生存権)、これを具体化した生活保護法では「この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない(第三条)」と規定しているのだ。片山氏はそんなことも知らないのだろうか。
 DVDや映画の鑑賞など、現代社会では最低限の文化的生活の範疇だ。そんな母子家庭の子供の何気ない日常生活を、権力者たる与党の国会議員がムキになって攻撃している。その姿は議員である以前に、大人としてあまりにも悲しく滑稽で無責任な行動だ。
人間裁判の碑 (朝日訴訟記念碑・岡山県・早島町)

人間裁判の碑
(朝日訴訟記念碑・岡山県・早島町)


 憲法も現行法の内容すらも知らず、すなわち条文すら読んだことがなく、ましてそれが生まれた歴史的な経緯も、有名な「人間裁判(朝日訴訟)」などにはじまる長年にわたって積み重ねられてきた様々な議論の内容など、そもそもが社会保障法制や貧困対策についての「論争」の前提となる知識(国会議員として発言するなら当たり前に調べておくべきもの)を何一つ有さないのなら当然に、片山氏はいつまでも勉強せず、その場その場で適当な発言を繰り返しているだけの人なのではないかと疑われても仕方がなくなるだろう。
 権力者の一角である有力与党議員が、ネットで先頭に立って貧困層叩きを扇動し、将来を模索する母子家庭の子供をさらなる貧困に追い込むべく攻撃するとは、あまりにも異常すぎる社会だ。議員の本来果たすべき使命のであると言わざるを得ない。(東京・M)

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