南スーダンで何が起こっているのか 自衛隊「駆けつけ警護」の武力行使訓練開始

迫る自衛隊武力行使の危機

南スーダンと周辺国(クリックで拡大) 2011年7月スーダン共和国の南部10州が、アフリカ大陸 54番目の国家として分離独立した。2014年あるNGOが 発表した「世界で最も脆弱な国家ランキング」で首位。

南スーダンと周辺国(クリックで拡大)
2011年7月スーダン共和国の南部10州が、アフリカ大陸
54番目の国家として分離独立した。2014年あるNGOが
発表した「世界で最も脆弱な国家ランキング」で首位。

 安倍政権は8月24日、安全保障法制に基づいて海外で武力行使するための訓練を始めると発表した。集団的自衛権行使を含む他国を武力で守るための訓練だ。
 まず念頭にあるのは、自衛隊が派遣されている南スーダンのPKO(国連平和維持活動)における「駆け付け警護」。11月に交代で現地入りするする陸上自衛隊部隊を対象に訓練が始まる。いよいよ自衛隊が武器を持って戦闘に参加する現実が目前に迫ってきたわけだ。
 では南スーダンとはどういう国で、そこで今何が起こっているのか、現地の情勢を追ってみた。(大野和興/ジャーナリスト)

 いま南スーダンで何が現実に起こっているのか、日本でもっとも詳しいのは、筆者も長く理事を務めていた国際協力NGO 「日本国際ボランティアセンター」(JVC)だろう。JVCでは、南スーダンが今のスーダンから分離独立する前の2005年から、現地に事務所を置いて10年以上も難民支援活動を行っている。

内戦と紛争

南北分断以降のスーダン

南北分断以降のスーダン

 スーダンは北アフリカに位置し、植民地化の流れの中でイギリスの植民地となり、イギリスとエジプトの共同統治領だった。1956年1月1日にスーダン共和国として独立した。その後いくつもの紛争や内戦を経て2011年、南スーダン共和国が分離独立した。
 独立はしたものの南スーダンもまた内戦が続いている。それは独立してからまだ2年しか経っていない2013年12月に始まった。大統領サルバ・キールを中心とする政府軍と、それに対抗する元副大統領リアク・マチャル率いる反政府勢力との間で始まった内戦は多くの惨劇を生んだ。 大統領の出身民族であるディンカと元副大統領の出身民族ヌエルの武装グループが戦闘を繰り広げ、現在に至っている。
 昨年8月に和平合意が成立したが、それも崩れ、再び紛争が拡大した。大統領派のディンカ民族に対する反発は、他の民族にも広がり、各地で武力衝突が発生、紛争は拡散していっている。

頻発する武装襲撃事件

マラカル事件(2016)国連基地内で戦闘が発生。18名が死亡した。

マラカル事件(2016.2)
国連基地内で戦闘が発生。18名が死亡した。

【2016年2月】そんな折に発生したのが、本年2月のアッパーナイル州の州都マラカルにおける、国連の避難民保護施設への武装襲撃事件だった。
 2月17日、事件は国連の避難民保護施設の内部で起きた。施設にはいくつもの民族が生活していた。発端は、施設内のディンカのグループが斧などを手に他民族を襲撃したことから発生したとされている。殺戮、放火が始まり、争いはエスカレート。施設の外部から銃火器で武装したグループも入り込み、政府軍の一部が施設内に入り込んで襲撃に加わった。

【2016年7月】さらに南スーダンの首都、ジュバで先々月の7月7日から5日間、大統領派と副大統領派(元反政府軍)とによる戦闘が起こった。ロケット砲など重火器が使用され、戦車や武装ヘリコプターが動員された。戦闘は市内各所に拡大、避難民が逃げ込んだ国連の保護施設までもが巻き込まれた。両軍による直接の戦闘だけではなく、この5日間に平服をまとった正体不明の武装グループが一 般市民の住居を襲撃、略奪を働いていた。商店が略奪され、国連が援助物資を保管している倉庫も襲われた。

武力で平和構築は出来ない-国際協力NGOの現場からの発言

日本国際ボランティアセンター 南スーダン避難民から聞き取り調査をする今井さん(中央)と通訳(左)

避難民から聞き取り調査をする今井さんと通訳

 2007年からJVCスーダン現地代表を務めている今井高樹さんは、JVCホームページに連載している「スーダン日記」で次のように述べている。 以下紹介する。

「(南スーダンでは)各民族グループの間での敵対意識、憎しみは和らいでいません。200万人を超える難民・避難民の大半は、戦闘が収束しても、『敵対』する民族グループからの襲撃を恐れて今も自宅には戻れないのです。そして残念ながら、国連の保護施設の中でさえ決して安全ではないことをマラカルの事件は物語っています。」

「(自衛隊が)任務拡大に伴って避難民保護施設の警備 などを担当するようになれば、マラカルのような事態に直面するかも知れません。自衛隊が、相手が武装した避難民・住民なのか、施設に入り込んだ民兵なのか、さらには政府軍なのかも判別できないまま発砲せざると得ない事態に追い込まれることはあり得ます。現地では毎日数え切れないほどの弾薬が使われ、そして多くの命が失われているのです」

非軍事の貢献こそが

蚊帳、防水シート、石鹸などの生活用品を配布

蚊帳、防水シート、石鹸などの生活用品を配布

 「平和憲法の意味を積極的に受け止めるならば、『武力の行使』以外のどのような方法で、南スーダンのような内戦や紛争の解決に貢献できるのか。いや解決とまで言わないまでも、現状を少しでも良くするために何ができるのか、それを考えることではないでしょうか。」

 「PKOの任務は、停戦監視や市民保護だけでなく、内戦後の国づくりにおける法律や行政、警察機構の整備、兵士の武装・動員解除、復興支援など、実に多岐にわたっています。南スーダンにおいては内戦の勃発とともに市民保護に活動の重点が置かれていますが、統一政府が成立すれば、国家の再建と平和の定着に向けた活動が再びPKOの任務に大きく位置づけられるでしょう。」

 「日本は、こうしたPKOの非軍事面での活動のための文民の派遣で貢献できるはずです。文民警察官の派遣という選択肢もあります。私は以前、インド人のPKO文民警察官と同じ宿舎で生活していたことがありますが(よくカレーをご馳走になった)、彼は現地の警察官への人権教育などを行っていました。社会の治安回復のためには、人々の間での和解の促進とともに、人権や非暴力の考えを理解した警察官の存在も重要ではないでしょうか。」

 「自衛隊の任務を拡大し武器使用基準を緩和することではなく、もっと別の方法でPKOを通じた南スーダンの平和構築に貢献する道筋があること、むしろそのほうが日本ならではの貢献ができるであろうことを多くの人に知って欲しいと思います。」

jvc
(参考文献:「日本国際ボランティアセンター」ホームページ)


ーーー
10・7 JVC緊急支援報告会
南スーダン・首都ジュバ最新報告

※2016年9月1日から、JVCスーダン事務所現地代表の今井高樹さんが、南スーダンに入国、首都ジュバにて緊急支援活動を行いました。帰国中の今井さんより、最新情報を報告します。詳しくはこちらのページをご覧ください。

■日時 2016年10月 7日 (金) 18:30~20:30 (18:15開場)
■会場 ラーニング・カフェ(JVC東京事務所の入っているビルの8F)
 住所:〒110-0005 東京都台東区上野5-3-4 クリエイティブOne秋葉原ビル8F (地図)
 アクセス JR秋葉原駅 中央改札口から徒歩7分
      JR御徒町駅 南口から徒歩7分
      東京メトロ銀座線「末広町駅」から徒歩5分
■参加費 1,000円(収益はスーダン・南スーダン支援活動に充てられます)
■定員 先着40名様
■主催 日本国際ボランティアセンター(JVC)
■一般参加申し込み 申し込みフォームからお申込みください。

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行動予定

12月
15
14:00 第30回多田謡子反権力人権賞受賞... @ 連合会館
第30回多田謡子反権力人権賞受賞... @ 連合会館
12月 15 @ 14:00 – 19:00
第30回多田謡子反権力人権賞受賞発表会 @ 連合会館 | 千代田区 | 東京都 | 日本
32年前に夭折した多田謡子弁護士の友人たちが運営している多田謡子反権力人権基金が、第30回反権力人権賞受賞発表会を開きます。 多田基金の詳細は http://tadayoko.net  受賞者の皆さんをお迎えして、12月15日(土)、東京・連合会館において受賞発表会を開催します。受賞者の方々には講演をお願いしています。参加費は無料です。本年も多数の皆さんのご参加をお待ちしております。 14時 発表会 17時 パーティ どちらも参加費無料。 【受賞発表会】 ■ 日時:2018年12月15日(土)14時~17時 ■ 会場:連合会館4階402号室にて  例年と同会場ですがフロアは4階です。ご注意ください。  東京都千代田区神田駿河台3-2-11 (TEL03-3253-1771)  JR御茶ノ水駅より徒歩7分  http://tadayoko.net/etc/rengokaikan.html 【受賞者を囲むパーティー】  受賞発表会の終了後、引き続き同じ会場で、17時から19時をめどに、受賞者を囲んで懇親会を開催します。参加費は無料です。パーティーのみのご参加も歓迎いたします。 【受賞された方々】 2018年10月下旬の運営委員会において、10団体・個人の推薦候補者の中から下記の方々が第30回受賞者に決定されました。受賞者の方々には12月15日(土)の受賞発表会で講演していただき、多田謡子の著作「私の敵が見えてきた」ならびに賞金20万円が贈呈されます。 ● パレスチナBDS民族評議会 (パレスチナにおける超党派市民運動) ● 優生手術に対する謝罪を求める会 (優生保護法による強制不妊手術に対する謝罪要求) ● 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 (弾圧に抗し生コン労働者の生活と権利を守る闘い) 第30回多田謡子反権力人権賞受賞者選考理由 ● パレスチナBDS民族評議会 (パレスチナにおける超党派市民運動)  パレスチナBDS民族評議会は、2005年、170以上のパレスチナの市民団体が連名で、イスラエルに対するボイコット(Boycott)、資本引き揚げ(Divestment)、制裁(Sanctions)を求める呼びかけを行ったことを契機に生まれました。(1)占領の終結、(2)イスラエルのパレスチナ市民に対する差別政策の中止、(3)パレスチナ難民の帰還権の承認、という国際法上の義務をイスラエルが履行するまで、圧力をかけ続けることを世界に呼びかけています。 現在、パレスチナのNGOや労働組合、農業組合、女性団体など、29の団体がメンバーとなり、イスラエル入植地からの工場撤退、占領加担企業に対する投資や契約の中止など、数々の成果を上げています。また、BDSの呼びかけに応えて、多くのアーティストや研究者が、イスラエルでの公演やイベント出席をキャンセルしています。  日本でも、2017年と18年に銀座三越と大丸東京店で入植地産ワインのイベント販売を中止させるなど、連帯する闘いが始まり、BDS japan 準備会が設立されました。BDS運動への敵対を強めるイスラエル政府、イスラエルと関係を深める安倍政権を許さず、日本の地で連帯して闘う意思を込めて、パレスチナBDS民族評議会に多田謡子反権力人権賞を贈ります。 ● 優生手術に対する謝罪を求める会 (優生保護法による強制不妊手術に対する謝罪要求) 「優生手術に対する謝罪を求める会」は、1997年、優生保護法や母子保健法に取り組んできた女性グループ、障害者団体、研究者などが集まり、発足しました。その前年、優生保護法から「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」という目的と優生的な条項が削除され母体保護法へ改定されました。「不良な子孫」とレッテルを貼られた人たちは、本人が納得してないのに、不妊手術(優生手術)をされました。心身に傷を負わせ、子どものいる人生の選択を奪うという著しい人権侵害に対し、国は何もせず、「当時は合法であり、すでに法改正はなされている」という態度をとり続けてきたのです。 「求める会」はホットラインを開設し被害者の声に耳を傾け、名乗り出た勇気ある当事者女性と共に、国による謝罪を求めて、厚生省交渉、国会議員への働きかけ、国際機関への訴え、集会の開催などを長年、続けてきました。  声を上げてきた唯一の女性のことを、新聞報道で知った別の女性が、2018年1月に国を提訴。問題は大きく広がり、被害回復のための法律が検討されるところまで来ました。  長年にわたる地道な闘いの積み重ねによって、国家犯罪とも言える人権侵害を明るみにし、被害者の人権回復をめざす「優生手術に対する謝罪を求める会」に多田謡子反権力人権賞を贈ります。 ● 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 (弾圧に抗し生コン労働者の生活と権利を守る闘い)  全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の武建一執行委員長はじめ26名に対する4次にわたる逮捕起訴は、日本の産業別労働運動を牽引してきた関生支部と、中小企業である生コン業者が組織した協同組合の活動をつぶすための悪辣な弾圧です。この数年間、滋賀の湖東生コン協同組合は、共同受任・共同販売事業によって、優位に立つゼネコンに対して対等かつ適正価格での取引を実現し、生コンの品質も確保されてきました。関西地区において、関生支部は組合員の雇用と労働条件確保のため、中小企業者と労働組合の連携によるゼネコン・大手生コンとの闘いを作り上げてきたのです。  ゼネコンに対する湖東協組からの生コン購入を求める働きかけを恐喝未遂、大手生コン等に対する関生支部のストライキ闘争を強要未遂・威力業務妨害とする今回の弾圧は、1980年代、大槻文平日経連会長の「関生型労働運動は絶対に箱根の山を越させない」との号令で行われた刑事弾圧と比べても、戦争体制構築に向かう国家権力の意思をよりあからさまにしています。大政翼賛の大阪広域協組やレイシスト集団の警察と一体になった行動は、国家に逆らう者は許さないという弾圧の端的な証左です。関生支部を支え、ともに闘う決意を込めて多田謡子反権力人権賞を贈ります。
18:30 12.15労働組合つぶしの大弾圧を許... @ 日本教育会館
12.15労働組合つぶしの大弾圧を許... @ 日本教育会館
12月 15 @ 18:30 – 20:30
12.15労働組合つぶしの大弾圧を許さない!東京緊急集会 @ 日本教育会館 | 千代田区 | 東京都 | 日本
 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生/かんなま)は、産業別労働組合として、生コン労働者の権利と生活を守る闘いを続けるとともに、辺野古新基地建設阻止、原発再稼働反対、戦争法・共謀罪・憲法改悪阻止などの闘争を積極的に行っています。加えて近畿生コン関係の中小企業と連帯し、生コン業界の民主化、健全化にも取り組み実績を上げています。  これに対して、差別排外主義者集団が暴力的ヘイト攻撃を加え、大阪府警・京都府警・滋賀県警は、関生の委員長、書記長、執行委員等を次々に逮捕・勾留し、家宅捜索をくり返し、大勢の組合員の事情聴取を行い圧力をかけ、組合つぶしの大弾圧を行っています。これらは、正当で合法的な労働運動に対する違法捜査・不当逮捕に他なりません。この弾圧は、政権および警察・検察が初の共謀罪適用を狙っているためと考えられています。  現在の関生への激しい弾圧をみると、次は別の労働組合へ、さらには平和運動や沖縄の基地反対、反原発などの市民・住民団体への弾圧につながるおそれが強いと思われます。これに対して、私たちは、関生支部のメンバーや弁護士を迎え、関係者の皆さんとともに、抗議と反撃のための緊急集会を開催します。大阪から発信されている「労働組合つぶしの大弾圧を許さない!実行委員会への賛同の呼びかけ」を東京で広め、盛り立てる機運になることを願っています。  ぜひ、多くの皆さまがご参加され、状況をご理解いただき、行動を共にしていただけるよう、お願い致します。  ご参加が無理な方は、「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同のご検討をお願いします。 ■ 日 時:2018年12月15日(土) 午後6時30分~8時30分(6時開場) ■ 会 場:日本教育会館・中会議室(7階)  〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2丁目6−2  地下鉄「神保町駅」(A1出口)下車徒歩3分  地下鉄「竹橋駅」(6番出口)下車徒歩7分  地下鉄「九段下駅」(6番出口)下車徒歩7分  JR総武線「水道橋駅」(西口出口)下車徒歩15分  地図:http://www.jec.or.jp/koutuu/ ■ 参加費:500円 ーーー ■ 主な内容: ・講演「大弾圧といかに闘うか」  大口昭彦弁護士(救援連絡センター運営委員) ・連帯労組関西生コン支部からの報告 ・労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会(大阪)の報告 ・連帯発言(国会議員、市民団体、労働組合ほか) ーーー ■ 主催・問い合わせ先:  12.15労働組合つぶしの大弾圧を許さない!東京緊急集会実行委員会  仮事務局:東京都中野区中野2-23-1-3F 協同センター・東京  Tel.03-5342-1395 Fax.03-6382-6538

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