大阪府警・西成署の労働者への暴力を許さない! 稲垣さんらを即時釈放せよ!

■「ワシらを人間扱いせえ!」

稲垣浩さん

稲垣浩さん

 6月13日―17日、5夜にわたって、西成署に対し釜ヶ崎労働者の積年の怒りが爆発した。
 釜ヶ崎地域合同労組が、今回の西成警察署に対する抗議行動を始めたのは、「お好み焼き屋の女性店員の客を客とも思わない対応と、それに輪をかけた西成署の釜ヶ崎労働者に対する人を人とも思わないリンチにも似た暴力行為」に端を発している。病院の診断書には全身打撲全治10日。西成署でリンチを受けた労働者の首には、首を一周する赤いミミズ腫れのようになった傷があった。
 13日、稲垣さんと労働者の2人が街宣車に乗り、西成署に謝罪と補償を求め抗議行動が始った。その抗議が拡大したのは、「ワシらを人間扱いせえ!」という労働者の怒りに他なりません。それはまた、「生きること」そのものが脅かされている非正規雇用労働者の若者たちの共感を呼んだ。
 5夜の闘いで17名が逮捕され、18日、稲垣さんは「道路交通法違反」で令状逮捕された。同日夕方には、西成署前で、「稲垣さんを返せ!」「パクッた仲間を返せ!」「署長は謝れ!」と労働者の抗議行動が闘われた。

■稲垣さんの拘留開示公判での意見陳述

 7月2日、稲垣さんの拘留開示公判が大阪地裁であり、45の傍聴席に釜ヶ崎労働者や支援労組など倍以上が駆けつけた。稲垣さんは、意見陳述で、今回の抗議行動の発端になったお好み焼き屋の事件、西成署の労働者への暴行を詳しく語った後、「釜ヶ崎の労働者が抱える問題は基本的に何ひとつ解決されてないということを実感しました。私自身の反省も含め、問題解決のため釜ヶ崎の労働者と共に活動を続けたいと思っています。」と語り、留置されている大阪府警本部での不当な扱いの抗議もした。最後に、6月20日の裁判官による勾留取消しに検察の準抗告があり、その書面に組合が準備して「労働者にビールを配った」とのデマに対して以下のように反論した。
 「実際は、お酒のワンカップです。私が演説しているところに近所の酒屋の人が来て、『労働者の人に飲んでもらってくれと頼まれて酒を持ってきているのですが』と言いました。私は『そんな物、要りません』と断ったのですが酒屋さんは『代金ももらっているので私が困ります。宣伝カーに積みましょか』と言われたので『そしたら積んどいて』と言って再び演説を始めました。組合が事前に用意したものではありませんし、そんなことをして人を集めたことは一度もありません。しばらくして宣伝カーの中を見ますと段ボールの箱が積んであったので、「カンパでもらったので配ります」と言って私のすぐ左に出しました。複数の新聞記者の話では、『西成署は労組がビールを配って労働者を集めて煽っていると言ってますよ』ということでした。酒で労働者があおられるという警察の労働者を見る目こそ、労働者をバカにしていることのあらわれと抗議し、不当逮捕されている15名の労働者を即時釈放するよう訴えて、私の意見陳述を終わります。」
 7月5日「大阪府警・西成署の暴力を許さない!逮捕者を返せ 7・5緊急集会」が釜ヶ崎三角公園で行われた。釜ヶ崎労働者に加え、山谷、笹島からも多くの仲間が駆けつけ、また連帯ユニオン関生支部、北大阪合同労組等も参加し200人近い結集となった。
 今回の釜ヶ崎暴動は、直接には「西成署の差別・暴力」を問いただす直接行動であった。しかし、同時に権力や資本を持つ者が、暴力的に世界を支配しようとする現代の「新自由主義的世界支配」であるG8を撃つ闘いと重なるものであった。大阪のG8財務相会合取材で来阪していたイタリアのTV局が取材に訪れ、世界的に報道されました。全国から西成署への抗議の声を上げ、下記「抗議声明」への賛同署名の輪を広げよう。
(N、7月6日記)追記―稲垣さんはその後、起訴された。

転載】6・13救援会 抗議声明

現在、確認できる限りでは逮捕された人のうち7名が起訴されています。今後、大阪府警は「報復」として、「公務執行妨害」「建造物不法侵入」の容疑で逮捕した労働者や、「道路交通法」違反の容疑で逮捕した稲垣さんへの不当弾圧を強めて来ることも十分に考えられます。救援を呼びかける「6・13救援会」では、支援を呼びかけています。抗議声明への賛同署名を!(編集部)

 2008年6月13日から6月17日まで、釜ヶ崎で日雇労働者は西成署を糾弾する闘いに起ち上がった。結果的に暴動という形態で起ち上がった日雇労働者らによる闘いに対し、大阪府警・西成署は、大量の機動隊と高圧放水車により、徹底的に力で封じ込めようとした。この結果、機動隊の隊列の中に引きずり込まれて、リンチを加えられた労働者や、高圧放水車の放水により、肋骨を骨折したり放水を右目に受け、手術を受けなければならないほどの重症を負った労働者も現れた。
 そして、大阪府警・西成署は18人の労働者を「公務執行妨害」の容疑等で現行犯逮捕し、釜ヶ崎地域合同労働組合(釜合労)の稲垣浩委員長も、6月18日に、「道路交通法違反」の容疑で令状逮挿された。さらに現段階(=2008年6月27日現在)では、すでに4人の労働者が起訴されるに至っている。私たちは、大阪府警・西成署によるこの弾圧を許さない。そして同時に暴動という形態で起ち上がった日雇労働者らを支持する。
 今回の日雇労働者らによる西成署を糾弾する開いは、労働者Aさんの訴えが発端となった。2008年6月12日の夕方、Aさんが飲食店での出来事から西成署に連れて行かれ、そこで警察官によって暴行を受けたというのだ。
 翌日の2008年6月13日、Aさんから相談を受けた釜合労は西成署前での抗議行動を行った。釜合労が抗義行動を行うと、続々と日雇労働者らが西成署前に集まり、抗議行動に合流。そして労働者は、暴動という形態で西成署を糾弾する闘いに起ち上がったのだ。この労働者の闘いに対し、西成署は「(Aさんへの)暴行の事実はない」というコメントを発表したのみで、後は、大量の機動隊と高圧放水車までをも動員し労働者の闘いを圧殺しようとしたのだ。
 多くのマスコミもまた、警察の発表を鵜呑みにして、あたかも釜合労が、今回の労働者の闘いを扇動したかのような報道を続けているし、現場に駆けつけた若者らを「騒動に便乗する若者」と報じ、労働者と若者を分断しようとしている。しかしながら、西成署による労働者への暴行は、釜ヶ崎において決して「突出」したことではない。
 2004年12月の西成署内における労働者への暴行事件(この時の抗議行動でも後日稲垣浩さんが逮捕された)、釜ヶ崎内15ヶ所に設置された西成署と直結する監視カメラの存在、西成署内で労働者を指す「450(汚れ)」という隠語、シノギ(蕗上強盗)にあって西成者に駆け込んでも「お前が悪い」と追い返す警察官…。こういった日々警察から受ける侮蔑と蔑視、さらには、ゼネコンを頂点に手配師・人夫出し業者を末端とする重層的下請構造の最下層で、資本の意のままに使い捨てられる労働力として存在させられている現実の中で、西成署前に集まった労働者らはAさんへの暴力事件を「我が事」と受け止め、自らの意思で、資本=支配権力の象徴とでも言うべき西成署を糾弾する闘いに起ち上がったのだ。
 又、「騒動に便乗する若者」とあるが、若者たちが労働者と共に、連日に渡って、西成署糾弾の闘いを続けたのは、若者たちが、今、置かれている状況も、例えば派遣労働に象徴されるように、その本質において釜ヶ崎日雇労働者と同じものである事を、敏感に感じ取ったからではなかろうか。
 私たちは警察による弾圧を許さない。暴動という形態も含めて、西成署を糾弾する闘いに起ち上がったすべての人々を支持する。大阪府警・西成署は暴行を加えたすべての労働者に謝罪し、1人1人にきちんと補償を行え!警察・検察・裁判所は、逮捕し起訴した仲間をすぐに釈放せよ!

《皆さんへのお願い》
(1)この抗義声明への賛同を募ります。賛同していただける方は個人、団体名、公表の不可を、2008年7月4日(金)まで【第1次集約期限】、下記のFAXか、Eメールにお知らせ下さい。
個人名で肩書きを公表いただける場合は肩書きもお願いいたします。
(2)弁護士費用など、何かと必要になります。たいへん恐縮ですが、みなさまのご支援におすがりするほかない状況です。
カンパへのご協力をどうかよろしくお願いします。
2008年6月30日(月)
6・13救援会
【連絡先】
 大阪市西成区太子2―1―2 釜ヶ崎医療連絡会議気付
 TEL/FAX:O6―6647―8278
 E-Mail:iryouren@air.ocn.ne.jp
【カンパ振込先】
 郵便振替口座 00990―8―302431(加入者名:釜ヶ崎炊き出しの会)
 ※通信欄に「6・13救援カンパ」と明記して下さい。

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