国際短信】欧州世論,パレスチナ国家承認を支持 ほか

2012/11/29、国連はパレスチナを「オブザーバー国家」に格上げする決議案を採択した

■欧州世論、パレスチナ国家承認を支持

 12日、英紙ガーディアンが報じた世論調査の結果によると、英仏独3国の国民の大多数は、国連総会でのパレスチナ国家承認を自国政府が支持することを望んでいるのが分かった。英国59%、フランスで69%、ドイツでは71%が承認決議案を支持すべきと回答。また71%(英)、82%(仏)、86%(独)が、国連の決議に関係なく、パレスチナ人には国家を樹立する権利があると回答した。現在パレスチナは投票権のないオブザーバーだが、その地位を「国家」に格上げするよう求めている。国連に正式加盟するためには安保理の勧告が必要だが、イスラエルを支持する米国は拒否権発動を明言しており、この3国政府は態度を明らかにしていない。

■カストロ前議長~オバマ演説「訳が分からない」

 キューバのフィデル・カストロ前国家評議会議長(85)が26日、政府のホームページのコラムでオバマ米大統領の国会での演説について、趣旨が一貫しておらず「訳が分からない」と痛烈に批判した。また米軍が殺害したオサマ・ビンラディンについても「元々は米国が軍事訓練をした」。「多くのパレスチナ人が故郷を追われ、国民が分断されている」のも「米国に押しつけられた政策の結果」と批判、健在ぶりをアピールした。

■仏上院、左派が過半数

 フランスの上院にあたる元老院(348議席)の改選選挙(170議席)が行われ、25日の投開票で野党の社会党、緑の党、共産党などの「左派」が非改選を含め177議席を獲得して、1958年の第5共和制発足以来初めて過半数を占めた。来年の4月に大統領選挙を控えるサルコジ大統領の支持率は、各種世論調査で24~37%と低下の一途で、更なる大打撃となるのは必至である。

■米、台湾へ武器売却

 米国防総省は21日、台湾向けに総額53億ドル(約4050億円)の武器を売却する方針を議会に通告した。最大の焦点となっていた新型F16戦闘機は含まれておらず、米中関係に一定の配慮を示している。売却するのは台湾が保有し、老朽化が進む初期型のF16戦闘機A、B計145機向けの改良部品で、電子レーダーや全地球測位システム(GPS)も含まれる。オバマ政権下の台湾への武器売却は昨年1月に続いて2回目。前回中国は報復措置として米中軍事交流の断絶に踏み切ったが、今回も「新たな売却は両軍関係に影響する」と警告しており、一定の報復措置を打ち出す可能性がある。

■シーメンス原発製造から撤退

 ドイツの電機大手シーメンスのピーター・レッシャー社長は18日、原発事業から完全撤退することを表明した。同日発売の独週刊誌「シュピーゲル」誌上で明らかにしたもの。同氏は「原子力エネルギーは使わないというドイツ社会と政治の明確な見解に対する企業としての答えだ」と語り、脱原発世論の高まりや政府の撤退決定による方針転換であることを認めた。同氏はまた再生可能エネルギーの国内シェアを20年までに35%にしていくというメルケル政権の政策について、「100年に1度の大規模プロジェクトで支援していく」とも語り、再生可能エネルギー事業への転換、推進を明言した。

■プーチン氏大統領復帰へ

 ロシアのプーチン首相が率いる政権与党「統一ロシア」の党大会で12日、プーチン氏が来年3月の大統領選挙に立候補することが決定された。ロシアの大統領の任期は4年だが、次期から6年に延長されることが決まっており、08年まで2期8年努めたプーチン氏が返り咲くのは確実視されている。メドベージェフ氏は首相に就く意向。二人のタンデムは継続されるが、この間原油価格の高騰に支えられて好調だった経済も先行きは明るくない。「強いロシア」を掲げた元情報機関員プーチン氏の統治手法に対する批判も根強くチェチェンなどの火種はこと欠かない。

■「世界経済は危険段階」IMF・世銀総会

 国際通貨基金(IMF)と世界銀行の秋季総会が24日ワシントンで開幕した。IMFの金融委員会(IMFC)は「世界経済は危険な段階に入っており、例外的な警戒と、大胆な行動を協調して行う準備をすべきだ」とのコミュニケを発表、債務危機に悩む欧州諸国について「解決に必要なあらゆることを行い、金融の安定性を確保する」ことを求めた。IMF・世銀合同の開発委員会は、「貧困者への世界的影響を警戒する」として、15年までに世界の貧困を半減するとした国連ミレニアム開発目標の達成に向けた努力を「あらためて確認する」と宣言した。また世銀は干ばつによる飢餓の深刻化で疲弊する東アフリカ地域の諸国に対する支援金をこれまでの3倍以上にあたる18億8000万ドル(約1440億円)に引き上げたと明らかにした。干ばつはソマリア、ケニア、エチオピア、エリトリア、ジブチ、ウガンダの1300万人以上に深刻な影響を及ぼしており、国連は当初緊急援助活動に24億円ドルが必要と見積もっていたが、援助供与の申し出は14億ドルに止まっていた。

■「慰安婦」問題、日本と再協議へ

 韓国外交通商省は8日、旧日本軍の元従軍慰安婦賠償請求権の有効性をめぐり、日本側に協議を求める考えを明らかにした。これは8月30日韓国憲法裁判所が、賠償請求権について韓国政府が日本側との交渉努力をしないのは違憲との判断を示したのを受けた措置。日本側は1965年の日韓基本条約締結の時に個人賠償請求権は消滅したとしているが、韓国側は慰安婦問題は協定に含まれていないとの立場に立っている。

■欧州金融安定化基金拡充をドイツ議会が承認

 ドイツ連邦議会は9月29日、「欧州金融安定化基金(EFSF)」の追加対策案を賛成多数で承認した。欧州の経済危機を防ぐためのEFSFを現在の4400億ユーロ(約46兆円)から7800億ユーロ(約81兆円)に増額し財政危機に陥った国の国債を買ったり銀行に資本注入して危機の拡大を抑える対策案がユーロ諸国17ヶ国で決まったが、対策を実行するためには加盟国すべての議会の承認が必要。現在6ヶ国がまだ未承認となっているが、EFSF全体の3割近くを保証しているドイツで対策が承認されるかどうかが注目されていた。

■サウジにおける女性の地位

 サウジアラビアでは女性に参政権がないばかりでなく、家族の男性の許可なしに旅行、就労、病院での治療ができず、車の運転も禁じられている。こうした反動王政国家の最大のスポンサーは米国である。しかし、最近は僅かな変化があった。サウジの議会は立法権のない諮問評議会だが、、地方議会にあたる自治評議会への女性の投票、立候補も初めて認められることとなった。サウジの女性団体は6月から女性への車の運転禁止に抗議する活動を繰り広げて来た。なお車運転の現行犯で捕まった女性への鞭打ち刑判決は王命によって撤回された。

コモンズ40号2011年10月5日より)

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