東京都知事選挙の結果-敗北の中から次への可能性と課題をつかもう

28日アルタ前

歴史的チャンスへの挑戦

 今回の都知事選挙は、「脱原発」を掲げた細川さんの出馬で、1月の沖縄・名護市長選、福島・南相馬市長選の勝利に続いて、着々と再稼働を進め、沖縄の辺野古埋立て、集団的自衛権行使、改憲―戦争への道を暴走する安倍政権にストップをかける可能性をもった首都決戦となった。
 結果、投票率は46・14%で過去三番目に低い数字で(50%を割り込んだのは03年の44・94%以来)、主だった候補の獲得票は、

舛添要一 2、112、979、
宇都宮健児 982、594、
細川護熙  956、063、
田母神俊雄 610、865。


 前日よりの数十年振りの大雪にもよって組織選挙となり、自公勢力の組織票で舛添要一氏が勝利した。細川候補は街頭での1万、2万という聴衆の熱気にもかかわらず、95万余にとどまった。私たちは細川支援の「脱原発勝手連」を共にし挑戦したが、原発ゼロへ、安倍政権の暴走にストップをかける千載一遇の好機を活かすことができなかった。本当に残念である。

 どんなに重要な好機を逃したのか。選挙後に、我が意を得たりと安倍政権が原発再稼働を明記した「エネルギー基本計画」政府案の決定、集団的自衛権見直しなどに打って出てきたことに示されている。

 挑戦は敗北に終わった。選挙の総括は、「脱原発勝手連」の総括討議を待って深めたいが、いくつかの点について触れておきたい。

細川・小泉連合の登場の意味と敗因

 第1に、細川・小泉元首相連合の登場の意味と敗因について。
 細川・小泉元首相連合の脱原発への転換と登場を、「3・11東日本大震災」事態が近代文明とその価値観からの歴史的転換期が訪れていることを全ての人々に教え、持続する脱・反原発の大衆的闘いが原発推進の保守層の厚い岩盤に亀裂をいれ、その裂け目からの支配階級の路線的分岐・分裂の政治的表現とみる。しかし危機感を募らせた日米原発独占と原子力村、政府・自公勢力・連合東京・マスコミ一体の「争点隠し」と封殺、妨害・切り崩しによって、元首相連合といえどもこの厚くて固い岩盤を突き崩すことはできなかった。重要なことは、細川出馬が全国の原発立地地域の脱原発の首長、住民を励まし、その敗北をもって敵の所在を明らかにし、保守層の内部分裂と崩壊の始まりの時代を天下に示したことである。

 第2に、「一本化」の問題について。
 好機を勝機とするためには、自公の押す桝添に対抗する脱原発候補の「一本化」が必要で、それは安倍政権の暴走に危機感を募らせた人々、福島をはじめ全国の原発立地地域の住民の切なる願いであった。「一本化」はそうした人々に背を押されたものだった。なぜ「一本化」できなかったか。いろいろの問題が双方にあった。一言触れておきたいのは、宇都宮健児候補を支持した日本共産党の「自共対決の時代」なる時代認識の主観主義、セクト主義の誤りである。この時代認識からは、保守層の分岐・分裂を好機として活かしていくことはできない。共産党にとっての都知事選は、来たる地方自治体選挙への地盤固めのためで、都知事選で自公の桝添に本気で勝つための戦略もなかったのである。

つかみとるべき主体の課題

 第3に、保守と共同する主体の側の課題である。細川支援に当たって確認してきたことだが、大衆運動に根差して、自分たちの主張を保持しながら、保守層の分裂・分岐の好機を逃さず彼らと「共同」し、敵を分裂させ崩壊させていく闘争力と組織力、信頼に足る器量をもった政治的組織的核となる勢力の形成が必要であること。

 それに加えて、この都知事選挙で極右の田母神候補が60万票を取り、投票した若者の多くがこの田母神を支持したことを重視すべきである。それは社会の右傾化の現れに違いないが、若者に未来の希望を示すことのできない現状への反動ととらえ返して、わたしたちはどうするのか。都知事選の示した重要な問題、真剣に考えるべきは、こうした主体の課題にあるように思える。今後の議論に期待したい。
(東京、I)

原発を次の世代に残さない  細川護熙
細川護熙 私の力が及ばず残念な結果となりました。出馬への逡巡があったために準備期間が短かったこと、脱原発が争点としてなかなか取り上げられなかったこと、つまり原発の問題を争点とさせまいとする力が働いたこと、そのほかにもいくつか要因があったと思います。日々感じていた街頭での熱気と、本日判明した選挙結果との落差の大きさに、改めて努力が不足していたことを痛感するとともに、熱心に応援してくださった皆様のご期待に沿えなかったことをまことに申し訳なく思います。

 今回出馬してわかったことは、東京の将来、日本の先行きに危機感を抱いている方が驚くほど多かったということです。3.11の東日本大震災は私たちにいくつもの大きな課題をつきつけました。私は原発の再稼働をやめて、自然エネルギーとエネルギーの効率化によって新たな成長を促していくことが日本の将来にとってベストな選択だと訴え続けてまいりました。そして何よりも脱原発の活動に改めて火をともす、点火するという大きな役割を果たし得たと自負しております。

 今回の選挙は私にとって原発を次の世代に残さないための戦いであるとともに、戦前の日本に戻すかのような今の政治の流れに立ち向かう戦いでもありました。今回の票の集計予想を見ると、反原発候補の票は別れましたが、合わせるとやはり再稼働に反対する都民の意思がかなり明確に示されたのではないかと思います。

 今この選挙が終わった段階から、私は今回一緒に立ち上がって頂いた、志を同じくする方々と広く連携し、脱原発の活動をこれからも自分の信念としてしっかりと次の世代につなげていくつもりです。

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