GSEFモントリオール大会 ソウル宣言を強めるモントリオール宣言採択

世界の困難に立ち向かう道筋を明示

GSEF・グローバル社会的経済協議体

第2回大会「2016モントリオール宣言」を発して終了


GSEFモントリオール大会に参加した世界各国の都市・自治体の首長たち

GSEFモントリオール大会に参加した世界各国の都市・自治体の首長たち


 グローバル社会的経済協議体(GSEF)が、9月7日から9日までカナダのモントリオールで開催した第2回大会(前号既報)は、「2016モントリオール宣言」を発して幕を閉じた。

 同宣言は、世界に人びとが置かれた状況をどうとらえるか、から始まる。それは所得不平等の拡大、社会の分裂、社会的排除の広がり、環境問題への対応能力の欠如、といったキーワードで語られる。こうした状況に対峙するもう一つの社会への道を指し示すのが「社会的連帯経済」であり、GSEFはそこに積極的に関与する、と宣言は述べる。

 2013年に韓国・ソウル市で開催された第1回大会で採択された「ソウル宣言」に続く「モントリオール宣言」によって、関西生コン労組や同関連協同組合も参加するGSEF運動は、より具体的実践的な歩み一歩を踏み出した。以下「2016モントリオール宣言」全文をソウル宣言の会の翻訳で紹介する。(編集部)

GSEF2016モントリオール宣言
GSEF solidarity for change
現在の状況

 いま私たちが世界中で目にしているのは、所得不平等の拡大や社会の分裂、社会的排除の広がり、環境問題への対応能力の欠如である。これらに加えて、うまく都市の成長をはかるという重要な政治課題がある。そのためには、まともな生活の質を確保することや、基本的なニーズ(住宅、水、公衆衛生、エネルギー、交通、安全等)へのアクセスを確保し、個人および集団をエンパワーメントできる環境を確立することである。
 
社会的連帯経済へのコミットメント(積極的関与)

 私たち、モントリオールで開催されたGSEF2016の参加者、62か国の330の都市からやってきた1500人は、いま一度、強く断言する。すなわち、より理性的かつ公正で持続可能な都市の発展が可能であり、そして経済的、社会的、政治的な活動の中心に人々を据えることのできる経済開発モデルが存在していること、これである。私たちは、これを社会的連帯経済The Social and Solidarity Economy(SSE)と呼ぶ。
GSEF2016_多数の参加者に混雑を極める受付風景

多数の参加者に混雑を極める受付風景


 社会的連帯経済が追い求めているのは、経済効率、社会的包摂、持続可能な開発、そしてまちづくりや経済を機能させることへの参加度を高めることを含め、これらを統合することである。協同組合やコミュニティ・ビジネス、社会的企業、信用組合と共済、社会的責任金融、非営利機関は共に社会的連帯経済を構成している。社会的責任投資家と同様に、慈善事業セクターもまた社会的連帯経済の発展に貢献している。要するに、社会的連帯経済とは、利益の増大を経済活動の主たる目的もしくは唯一の目的とはみなさない人々すべてを包含しているのである。前に進むために、社会的連帯経済は、私的セクターおよび公的セクターと並んで自らの役割を全面的に引き受けなければならない。
関西生コンの発表会場

関西生コンの発表会場


 社会的連帯経済は全ての社会にとって欠かすことができないのであり、現在の開発モデルに疑問を投げかけている。社会的連帯経済が希望を与えているのは傷つきやすい個人やグループである。彼ら彼女らは、まともな仕事を見つけることもできず、最低限の生活水準を満たすうえで必要な住宅や適切なサービスへのアクセスを欠いている。社会的連帯経済は、天然資源の共同所有や持続可能な生産方式を通じて環境を保護するような開発モデルを支持する。社会的連帯経済は、経済的、社会的活動の中心部分での共同行動を通じて、参加型民主主義を再活性化していくうえでの基礎であり、社会的連帯経済が本来有している民主的な諸過程と共同の意思決定は、こうした課題に立ち向かううえで欠かすことができないものである。
 
国に加えて、都市や地方自治体、そして共同行動がある

 人類が直面しているこれらの課題は、一国のみで解決できるものではない。都市、町および地域自治体の寄与もまた欠かすことができない。とくに、政府や地方自治体は住民に最も身近なものであり、活力ある民主主義を促進する助けとなり、また市に対しての権利を承認するのであるから、彼らの寄与はいっそう不可欠だといえる。
GSEF2016昼食会(9月8日)

昼食会(9月8日)

 
 これらの課題に直面しているがゆえに、研究者の支援を受けて、すべてのステークホルダー(利害関係者)が積極的に参加することが求められるガバナンスが必要なのである。その目指すところは、地方自治体の専門的な能力を強化し、コミュニティのニーズや切なる願いによりよく応えることである。
 
 さらに、こうした課題に直面したいま、情報を広め、ベスト・プラクテス(最良の実践例)を共有することによって、また資金援助を含めて相互に支援し合うことによって、国際的な連帯に深く関与することを、私たちは再度確認する。この国際連帯は、より公平な世界を求める大衆的な活動を通じて、また未来に向け実現可能な国際的なアジェンダを打ち立てることによって、おのずと明らかとなる。
左からJean-Martin Aussant シャンティエ ゼネラルディレクター、パク・ウォンスン ソウル市長、ドニ・コルデ モントリオール市長、ベアトリス・アランGSEF組織委員長

左からJean-Martin Aussant シャンティエ ゼネラルディレクター、パク・ウォンスン ソウル市長、ドニ・コルデ モントリオール市長、ベアトリス・アランGSEF組織委員長


 私たちは、このように、GSEFとの協力に深く関わることをあらためて断言する。その目的は、現在の諸課題に立ち向かう社会的連帯経済の貢献をさらに推し進めるためである。この課題への対応には、住民の切なる願いを反映した都市生活の質を達成できるよう奮闘している国連2030[アジェンダ]およびハビタットⅢ「ニュー・アーバン・アジェンダ(新都市アジェンダ)」の実施も含まれている。
 
決議

 2013ソウル宣言をさらに強めるために、私たちは以下を目指して、私たちがまちづくりのための作業に積極的に関与する。すなわち;
  1. 現在の課題を克服し、刷新された参加民主主義を推し進めるうえでの社会的連帯経済の核心的な役割を認めること
  2. 参加型ガバナンスの場所(空間)を拡大すること
  3. いかなる年齢、いかなる生まれであろうが、すべての男女を包摂する運動を築きあげること
  4. 公共機関―私的領域―コミュニティ間にパートナーシップを築き、コミュニティのニーズと切なる願いを満たすこと
  5. GSEFの戦略的パートナーであるCITIES(社会的連帯経済に関する経験共有のための国際センター)を通じたものを含め、私たちのビジョン(将来展望)や経験、成果を共有し、社会変革を推し進めること
  6. 若者たちを社会的連帯経済運動の未来の重要な担い手として認識し、支援すること

GSEF2016モントリオール大会報告写真集(PDF)

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