1/24 日韓知識人による「知の架け橋」提言集会

危機の中の<日韓関係理解>のために 立命館大学

 平和と民主主義を教学理念とし、アジア研究を全学の中心課題に据える京都市の立命館大学では、東北アジアの平和構築研究の拠点としてコリア研究センター(RICKS)を置き、日韓中などと学術交流を図る様々の取り組みを精力的に続けている。

 1月24日には、韓国から国際ハン民族財団・李昌柱SPSU教授、建国大学・金成ブン統一人文学研究団長ら識者を同学朱雀キャンパスに招き、〈日韓知識人ブリッジのはじまり〉と題して、これまでの日本植民地支配時代での責任論、東アジアの平和と日本の役割、さらに日韓両国に横たわる歴史責任の問題をどのように解決するなどを重層的に討議。双方が今後果たすべき役割と取り組みの確認として、別項の〈日韓の理解・責任・未来のための提言〉を採択し、各方面への理解働きかけに努力することを誓った。
 当日は、植民地時代での韓国民への「強制動員問題の歴史的意味」の考察など、日本帝国主義の侵略戦争での歴史への視座の重要性などが示された。

 ※本紙では、今後もRICKS関連の情報発信を行う=同センターでは、来る3月15日(土)13:00~17:30に、第7回強制動員真相究明全国研究集会「強制動員問題解決への道」を立命館大学衣笠キャンパス充光館B1講堂で行なう。翌日16日はフィールドワークを予定。(関西・S)

日韓の理解・責任・未来のための提言

 「日韓の理解・責任・未来のための提言集会」の参加者一同は、日韓関係が極度に冷え込んでいる昨今の状況を深く憂慮し、両国の和解・協力が東アジアの平和・発展の喫緊の課題であるとの認識に基づき、日韓両政府、市民社会に現状況を打開するための特段の努力を要望し、以下のごとく提言する。

1.東アジアでの平和と和解・協力の達成が人類の「持続可能な発展」のための必須条件であり、東アジアにおいて何よりも重要な価値であることを確認する。

2.日韓両政府・市民社会は、東アジアにおける歴史認識の葛藤・対立の解消のために、事実の解明と尊重を旨とし、互いの立場を思いやり、寛容と譲歩、相互理解と責任の精神で多元的・多分野的対話を進める必要があり、一切の武力の使用、威嚇、緊張造成は絶対に避けねばならない。

3.文化的・学術的・経済的交流の促進は、日韓関係の発展と偏見の解消・相互理解促進のための絶対的前提であり、人びとの幸福実現の条件であるので、日韓両国政府は大いにこれを励まし、政治的葛藤・対立の影響を最小化すべきである。

4.日本政府は開港以降の朝鮮半島に対する加害の事実について謙虚な姿勢でこれを認め、日韓両国の協力と共同繁栄のために歴代日本政府が一歩ずつ積み上げてきた認識―河野官房長官談話(1993年)、村山総理談話(1995年)、日韓共同宣言(1998年)、日朝平壌宣言(2002年)、韓国併合100年に際した菅総理談話(2010年)など―を確認し、尊重することによって、日韓間の信頼を強固にすべきである。

5.領土問題のように、双方の利害が尖鋭に対立し、すぐさま解決が困難な問題においては、武力的方法による解決を慎み、感情的対立を鎮静化し、共同の利益を極大化し、信頼を醸成する措置を取り、相互発展と協力、平和の精神で長期的対話を進める必要がある。

6.日本軍「慰安婦」問題に対しては、日本政府は普遍的人権と人道主義、とりわけ女性人権尊重の立場に立って、国際社会からの批判に耳を傾け、日本政府のこの間題に対する従来の立場(河野談話・村山談話等)をさらに発展させ、解決を急ぐ必要がある。

7.日韓両国は歴史教科書の作成・制定にあたり、相互の誤解と対立を最小化するために、従来積み重ねてきた民間の教科書対話の成果をふまえ、専門家・市民団体関係者を網羅した「日韓教科書対話機構」を設立し、持続的対話を促進すべきである。

8.靖国神社は国家神道の総本部として日本の東アジア侵略戦争に利用され、東アジアの人びとに大きな精神的傷跡をのこした。今日においてもなお、日本の侵略戦争を肯定する大東亜戦争史観に立ち、A級戦犯の合祀を行なっている。また遺族の同意なしに約2万2千名の朝鮮人、約2万8千名の台湾人などを合祀し「祀られない自由」を侵害している。死者への哀悼は類縁者の神聖でしめやかな精神の領域であり、国家・政治による利用は慎まねばならない。

9.戦時下の労働力動員被害者たちの苦難に思いをいたし、人道的・倫理的観点から、日韓両政府および市民たちの相互理解・協力によって、「理解・責任・未来基金」(以下、基金とする)を設立することを提案する。被害者たちの積年の恨(ハン)の一部たりとも慰撫することが喫緊の課題であり、韓国大法院並びにソウル高等法院の判決を尊重し、基金設立のために両国政府、企業、被害者、市民団体などから成る設立準備機構を早急に設け、報告書を作成し、必要な立法措置に着手すべきである。

2014年1月24日日韓の理解・責任・未来のための提言集会参加者一同

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