「ソウル宣言」の精神をわが国に(その1)グローバル強欲資本主義に反撃の社会システム構築を!

丸山茂樹さん・関西講演から

■協同組合の可能性と未来
丸山茂樹さん・関西経営者セミナー
 昨年ソウルで行なわれた国際社会的経済フォーラムで採択された画期的な“ソウル宣言”の意義とは―。
 宣言の生みの親・ソウル市朴元淳(パク・ウォンスン)市長と長年交流を培ってきた参加型システム研究所客員研究員・丸山茂樹氏が、2月14日大阪で開催された中小企業組合総合研究所と大阪兵庫生コン経営者会共催による経営者参加セミナーにおいて『国際協同組合運動の現状と展望』と題し講演。
 今後の世界潮流の首座を占めるであろう相互扶助型協同組合の実情について、それら運動が国際的に認知され、本格発展を遂げる過渡期にあることなど詳細に報告された。

 丸山氏は、『2013年国際社会的経済フォーラム』の概要を中心に、韓国での協同組合運動の盛り上がりや日本で共生協同型社会を実践している模範的な自治体を紹介。世界中で危機に瀕している中小零細企業経営や庶民の暮らしを守るために、グローバル資本主義に対抗するグローバルな共存共栄型社会システムの構築を呼びかけた。

 「60~70年代のトリクル理論(※)はもう通用しない。パイが大きくなれば皆が中産階級になれるという時代ではなく、事業者自身が協同組合を作らなければ時代を打開できない」と強調。また、「国際的な危機とはコンマ1%の者どもの破たん危機であり、市場原理主義への過度の傾斜と、ほとんど規制の無い金融世界化の所産であり、これを世界市民的に解決するためには多元的な経済が必要だ」という〈ソウル宣言〉を引用し、「多元的な経済とは協同組合や社会的企業、第三セクターと言われるもので、中小零細企業と様々な経済が連携していくもの。政治や大企業一社だけに頼るということを猛省し、中小零細企業・協同組合・労働組合・自治体の連帯で活路を」と語った。

 丸山氏は、経営者が多く締める関西生コン産業へ「 ソウル宣言のようなフォーラムの次の機会にはぜひとも〝関西生コンここにあり〟と名乗りをあげてほしい」と呼びかけ、会場の関心を集めた。

〈※滴下理論。一部特権階級や大企業が潤えば、中小企業や労働者にも、滴のように余剰金が落ちてオコボレにあずかる?という経済理論〉

■今回より数回に分け、当日の丸山氏講演を再録

丸山 皆さまが昨年、出版された『関西生コン産業60年の歩み』の中で武建一さんは次のように言っておられる。

「グローバル資本主義の危機の進行と共にその矛盾のしわ寄せによる弊害は深刻に一層多くの国民各層の生活に影響を及ぼし始めています。グローバル資本主義とは、新自由主義と言われる市場原理主義のことです。そういう市場原理に対抗して対置する考え方が我々のいう共生、協同です。これが時代の要請であり、そんな時代の要請であるいうことに応える確かな道を我々は苦闘の中から発見してきた。我々の60年の歩みというのはそれだったのではないかと思います」


という風に33ページで述べられておられる。

 私はこの下りを読んだときに実は5年ほど前にフィリピンのマニラのフィリピン大学で開かれましたアジア経済連帯フォーラムという国際会議の話を思い出しました。チリとかアルゼンチンとかウルグアイ、パラグアイ、メキシコ、色々な国の指導者もアジア会議なのですけれども参加されていて、基調報告をなさった方がこういう話をしました。

「我々の考え方は最近、大きな変化をきたしている。60年代70年代80年代までは英雄はカストロとゲバラだったと。ああやって格好いい革命をやることが世直しではないかと。ところがいくつかの国で、例えばグァテマラであるとか色んな所でそういうことをやって一時的には成功するのですけれども、またひっくり返されてしまう。どうしてなんだろうと。やっぱり世の中を段々良くしていくためには、一部の人間が武装して権力を奪い取って上からやるのではなくて、下からじわじわと人間が連帯して協力して自分たちの経営や地域や生活をしっかりさせることを通じて世直しをすべきであろう」

 
と。これをどういう風に名付けたら良いか、これは武さんの言葉と同じで、共に生き協力する、共生と協同の道である。しかしながら、共生と協同と言葉だけ言われても、それがどうやって世の中の注目を集め、信頼され尊敬され、ついには中心になっていくか。言葉を変えて言えば何でも国家に依存する、あるいは何でも大企業にすがりつくという世の中ではない世の中にしていくにはどういう道筋、準備、活動、制度、資金が必要であるのか。こういうことを考えていく場合に、いま申しあげた中南米、アジアでいま拡がっているのは農民でも労働者でも消費者でも商人でも、みんな、一部の人間が絶対的な利益を得るやり方ではなくて、協同組合的なやり方をやっていかなければならないわけであります。(次号につづく
(関西・S)

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