8・17島袋文子さんを迎え沖縄に連帯する市民のつどいー高校生たちと対話

島袋文子さんを迎え沖縄に連帯する市民のつどい 8月17日、沖縄現地で辺野古新基地建設に抵抗を続ける島袋文子さんを迎え、東京霞が関の参議院議員会館にて「文子おばあを迎えよう実行委員会」主催の集会が開かれた。会場は500人の参加者で満員となり、入れなくなった人のために別室が用意された。
 国会からも多数参加した各党議員があいさつ。文子おばあの話が始まった。映画監督の三上智恵さんからの質問に答えるかたちで要旨次のように語った。

自衛隊員も安倍晋三もいのちの重さは同じ

 安倍晋三が総理になっていいことはひとつもない。口では「美しいニッポン」とか「国民のいのちや財産を守る」と、きれいごとを言う反面、戦争のできる国、皆殺しができる国を造り出そうとしている。

 安倍晋三は国民のいのちと財産を守ると言うが、どういうふうに守るというのか。私は戦争の時、親も兄弟も救いきれなかった。あの弾の雨の中で、火の海の中で、国民のいのちを守ることができるのですか。「わが国を守るため」といって自衛隊=軍隊をつくっているが、自衛隊員のいのちも、安倍晋三のいのちも、同じなんです。人間だれしもいのちの予備」を持っている人はいない。

 ところがわたしは持っています。なぜなら、私は72年前に1度は死んだ人間だからです。あの時日本軍は、傷口にウジ虫がわいているような人間を生かしておかなかった。米軍が勝ったからこそ、私は野戦病院に連れて行かれた。アメリカはいのちの恩人です。でも、戦争やっていた時には憎んで、アメリカ人をひとりでも殺さなければ死ねない、と思った。

 あの時、生きるためには食べ物もなにもなかった。飲む水もない。死んだ人間の血の泥水を飲んで生きてきたんですから。だから私は安倍に、「そんなにまで戦争のできる国をつくるんだったら、死んだ人間の血の泥水を飲んでからやれ」と言いたいんです。

 自分のこどもや孫のいのちを守るためだったら、本土のみなさん、沖縄のみなさんといっしょに手をとって、どこの国にも基地を置いてはいけない。基地があるがゆえに戦争が起きるんですから。自分の身内のいのちを(戦争に)差し出すことは駄目です。基地はどこにも置いてはいけません。本土の方は安倍晋三の甘い口に乗せられて支持率が上がったり下がったりしますけどね、それはいけないことです。安倍の言うことを真に受けていたら本当に殺されますよ。

 戦争は「明日来ます、今日来ます」と予告して来るもんではない。ミサイルが落ちてきたら、どうやって自分の家族を守ることができますか?それを考えたら、安倍の甘い口に乗せられるものではないですよ。安倍さん、ミサイルが落ちてきたらあなたの奥さんも助けられると思っているのか。絶対できないです。

9条があったからこそ私たちは生きている

 私は生きたままウジ虫に食われた。みなさんには想像もつかないと思うんですけど、私は戦争の時に15歳でした。目の見えない母と、10歳になる弟と、二人を連れて逃げ回った。生きるために、食べるものはないし、水はない。その水を飲んだのが、人間の浮かんでいる池から汲んだ水だった。

 どんなにのどが渇いても、人が浮いていることを分かっていたら飲まなかったと思います。夜のことですから、朝どこかに移動しようと思っていたら、そこには人間が浮いていた。それを見た時には、弟にも親にもなにも言えなかった。「あ!人が死んでる」それで家に帰りました。そこに三上さんを連れていって血の水を飲んだところなど案内しました。

 あの時、日本は勝っていると思っていました。軍は「勝っているよ」といいながら、戦争は負けると知っていますから、軍から逃げてきた兵隊は、民間が作った防空壕から民間人を追い出して自分たちが入ってきた。でも日本は勝ってるということばっかりしか言わないから、そうだと思っていたんです。いつかは日本軍が私たちを助けに来てくれると。

 でも、その信じていた日本軍は、沖縄の住民を助けもしないで殺したんです。殺したんですけど、その人を恨むのではなく、「誰がその戦争を起こしたのか、何のために戦争をするのか、戦争をやって何ができたのか」。それを私は問うているんです。

 それを今やっているのが安倍である。共謀罪を通し、教育勅語を教えようとしている。こんなのはあり得ない話です。憲法9条も無くす。9条があったからこそ、今まで戦争しなくてみなさんのうのうと生きているじゃないですか。

座りこむ住民に暴力を振るう警察機動隊

 私たちは2度と戦争はやってはいけないと思っているんです。ですから、いのちを賭けてゲート前に座っているんであって、面白半分で座っているんじゃないですよ。家庭も何もかも犠牲にして毎日ゲート前に座って、機動隊にゴボウ抜きされて、私は小指を5針も縫ったんです。頭を打って救急車で2回も運ばれた。それでも私たちは基地を作らせてはいけないと思っている。

 基地を止めないかぎり、私は死んではいけない。残り少ない人生、今88歳ですが、生き長らえて、どんなにしても基地を止めようと思ってます。どうぞ本土の皆さん。沖縄に力を貸してください。いまは本土の方がたくさん来て応援してくれています。ありがたいと思っています。でもまだまだ足りない。どうぞ力を貸してください。そしたら沖縄の基地も止められるでしょう。

 基地ゲート前はたいへんです。でも座り込みをやっている人は皆さん無抵抗です。怪我させられても、何をされても、救急車で運ばれても。私たちは機動隊に怪我をさせられても何の補償もない。「ごめんなさい」もない。だけど機動隊をちょっと押しただけで「痛い!暴力を振るった!逮捕しろ」。怪我を何もしなくても機動隊は「暴力」で逮捕する。逮捕したら何か探してでも「罪」に問う。山城博治さんはそれです。

 でも私たちは死にものぐるいですよ。三線弾いたり踊ったり、歌を歌ったりしながら、抗議をやっているんです。かなしく辛い現場でどうして沖縄の人はあんなに歌ったり踊ったり笑ったりできるのか?沖縄の住民だからこそできるのです。あんなに戦争で惨めな思いを味わってきた。それを繰り返してはいけない。そんな沖縄の人間だからこそできた。沖縄の住民は負けない。意志が強いです。

いのちの海を埋めるのは絶対に許されない

 戦争で何もかも無くなったけど、あの海からサザエや魚を獲って飢えを凌いだ。「いのちの海」を埋めるのは絶対に許されない。私は本当にくやしい。海を埋める石を運ぶ車が何十台となくゲートに入っていくのを見たら本当に涙が出る。でも諦めるわけにはいかない。

 私は機動隊にも言いますけど、安倍の言うことをきいて戦争のできる国を作って、いつかその戦争が起きた場合には、あんたたちの妻子はどうなるの。一番に招集されるのがあんたたちだよ。だから戦争はだめ。軍隊もだめ。みんなで止めましょうね。沖縄に力を貸してください。

高校生たちとの対話


 つづいて、埼玉の自由の森学園から来た男女ふたりの高校生との対話が行われた。
 女子生徒からの「修学旅行でガマ(沖縄住民が隠れた洞穴)に入った。『アメリカは命の恩人』と言われたが、本当にそう思うのか」との質問におばあは「本心です」と答え、日本兵がガマに入って来て住民を追い出して自分たちが一番奥に隠れ、暗い穴の中で泣く子を黙らせるために子どもを殺し、住民をも平気で殺すのを見て、このまま殺されるくらいなら、弾に当たって死んでもいいからとガマを出ていった、死体の上をまたいで歩いてきたと話し、「私がどんなに苦しんで生きてきたと思っているんですか」と泣きながら語った。そして自分がこうして座りこんでいるのを「日当をいくらもらって座りこんでいる」と言うデマに対する怒りを露わにした。

 男子生徒からは「北朝鮮からミサイルが飛んでくるかもしれないが、その時どうしたらいいか」との質問に、自分もわからない、ミサイルがどこに落ちるかわからない。自衛隊は名前を変えただけで軍隊といっしょ。安倍総理は自衛隊をイラクに送ったけど、自分がそこに行ったことがあるか、戦争では誰も死ぬのは同じだと語った。
 今まで想像もしなかった沖縄の人々の残酷な過去を知り、真剣に向き合っていこうとする高校生たちの姿が印象的だった。

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