5・31共謀罪の廃案を求める市民の集いに4700人

5・31共謀罪の廃案を求める市民の集いに4700人 安倍政権の衆院強行採決という緊急事態の中、5月31日には日比谷野外音楽堂の「共謀罪の廃案を求める市民の集い」に4700人が詰めかけた。会場に入りきれない市民が周辺を囲む中で、緊迫した中にも怒りに満ちた集会が開催された。

人権より治安を優先する安倍政権はテロよりよっぽど脅威だ!
 マッシーさんの三線と沖縄の歌のあと、ピースボート共同代表の野平晋作さんがアピールを行なった。野平さんは沖縄のキャンプシュワブゲート前で座り込みの準備を呼びかけた沖縄統一連事務局長が複数の機動隊員から暴行を受けた事実を報告し、「今後、オカミに盾突くと疑われた人はプライバシーを保てない時代になる」「市民の人権より治安対策を優先する安倍政権がテロよりよっぽど脅威だ」と訴え、6月10日に予定されている共謀罪と沖縄・辺野古埋め立てに反対する国会包囲行動への参加を呼びかけた。

国連事務総長のことばさえもすり替える悪質な政府の態度
 日本消費者連盟の纐纈三千世さんの司会で、グリーンピース・ジャパン事務局長の米田祐子さんからの主催者あいさつのあと、弁護士の海渡雄一さんが「共謀罪法案の審議をストップし、国連の問いに答えよ!」と題する特別アピールを行なった。

 海渡さんによれば、プライバシー権の国連特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が5月18日、共謀罪法案はプライバシー権と表現の自由を制約する恐れがあると深刻な懸念を表明する書簡を安倍首相に送付した。カナタッチ氏は計画や準備行為についての定義があいまいであり、テロリズムとは無関係な過度に広汎な犯罪を含んでいるため、法が恣意的に使われることを懸念すると語っている。また共謀罪は市民に対する監視を強めるとも指摘している。

 これに対して政府はグテレス国連事務総長と話し、「ケナタッチ氏が個人の資格で述べただけで必ずしも国連の総意を反映するものではないと国連事務総長が述べた」と反論しているが、これは全くの嘘であることを国連事務総長自身が28日に発したプレスリリースで明らかにしている。日本政府のこのような嘘は、政府が国連人権理事国に立候補する際に特別報告者と建設的な対話を行なっていくと自発的に誓約したことにも違反している。

 政府はこれまで共謀罪法案制定の根拠として国連越境組織犯罪条約の批准のためとしてきたが、その法案が、国連人権理事会が選任した独立の専門家から批判されているにもかかわらず、政府はこれを23日の衆議院で強行採決し、参議院でもしゃにむに成立を強行しようとしている。政府はまず国連からの質問に答え、参議院での審議を凍結し、法案作成作業を一からやり直すことこそ日本の国際社会における名誉ある地位を守る道である、と海渡さんは述べ、「決して諦めることなく最後の最後まで共謀罪法案廃案をめざして活動を続けましょう」と結んだ。

共謀罪法案の真の目的は政府に抵抗する沖縄県民への弾圧
 つづいて国会議員の発言に移った。民進党山尾志桜里衆議院議員、共産党山下芳生参議院議員、社民党福島みずほ参議院議員、自由党森裕子参議院議員らがあいさつをおこなった。

 「沖縄の風」の糸数慶子参議院議員は「伊波洋一さんとともに沖縄の風になり、安倍政権なんか吹き飛ばしたい」と語ったあと、次のように発言した。「国会法務委員会で、政府は沖縄県民の意志を無視して新基地建設を強行しているが、これに対する抗議や座りこみやブロックを積むなどの行為は共謀罪の適用対象となるのか、と質問したのに対して政府側は『対象にはならない』と明確に答えた。しかし沖縄県民からすれば今回の共謀罪法案は政府に抵抗する沖縄県民の行為を未然に一網打尽にする意図は明らかであり、山城博治さんが不当に逮捕され150日以上も拘束されたことによっても明らかだ。

 さらに、ナチスドイツにおいてヒトラーの後継者と言われたゲーリングは『戦争は簡単に起こる。国民は常に指導者たちの意のままになる。自分たちは外国から攻撃を受けるといい、平和主義者は愛国心がなく国家を危険にさらす人々だと公然と言えばいい』と言ったが、まさに安倍政権の今の状況ではないか。「朝鮮有事」で国民を不安に駆り立て、抵抗する人々を共謀罪で未然に取り締まり、国民の自由を奪い、こころの中をのぞき込む。憲法の大原則を覆し憲法の精神を冒すものであり国民を監視する法案だ。最大のテロ対策は外交努力によって不公平・不公正な社会を無くすことだ」と訴えた。
5・31共謀罪の廃案を求める市民の集い
共謀罪は人の心の中に土足で踏み込み人間を破壊する法律だ
 「共謀罪は絶対廃案」のコールが行われ、会場からの「野党は共闘」の自主的コールに送られて議員が退場したあと、特別ゲストの精神科医の香山リカさんがあいさつし、「共謀罪は人の心の中に土足で踏み込み人間を破壊する法律だ」「共謀罪に反対することは人としての尊厳を守る闘いだ。人間のこころを自分で守るため一緒にがんばっていきましょう」と訴えた。

 続いて連帯の発言にうつり、アムネスティ・インターナショナル日本の山口薫さん、自由人権協会理事の旗手明さん、新聞労連委員長の小林基秀さん、日本ペンクラブ言論表現委員会委員長の山田健太さん、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の小田川義和さん、法律家団体連絡会の加藤健次さん等が次々と登壇し、共謀罪の危険性を訴えると共に廃案に向けて何としても闘い抜く決意を明らかにした。

 主催者から、本日の参加者数は4700人と発表された。会場に入りきらない多くの人々が野外音楽堂の外で待機し、デモ行進へと合流した。首都圏の各地から参加し、たくさんの旗や横断幕、プラカードを掲げた人々がデモの隊列を埋めつくした。弾圧の最前線にある沖縄・辺野古の新基地反対の横断幕や「平和の党」の看板を投げ捨てた公明党に抗議する創価学会の三色旗も高々と掲げられ、共謀罪廃案を求める人々の決意がみなぎっている。人々を弾圧し国家が国民を支配する凶暴な国へとひた走る安倍政権の横暴を許してはならない! 共謀罪成立をなんとしても阻止しよう!(東京・M)

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