【投稿】韓国・中国民衆と連帯し、侵略の歴史を根本から変えよう/村山和弘

安倍米議会で従属宣言

米国の下僕にして極右 安倍の“綱渡り”で成立した戦争法
 2015年4月29日、安倍首相は米上下両院合同会議で、米国に忠誠を誓う演説をした。「日本は米軍の先兵として血を流す」と言明し、そして同年9月に戦争法を強行成立させた。これは、日本にとって特別な意味を持っていた。米国との同盟関係を踏まえながらも、「強い日本」へ足を踏み出すために新たな飛躍を行うという決意を示していた。

 戦後日本は憲法9条を掲げ、その下で企業が世界に進出した。なお、歴代政権を振り返ると、1960年当時の岸信介首相は、安保条約をめぐる国民の抗議で退陣した。次の池田勇人首相は低姿勢をとって所得倍増政策を掲げ、1965年日韓条約を資本輸出(経済進出)の足がかりにした。田中角栄首相は日中国交回復を行い、その後中国市場をめぐる争いの中、金権腐敗を理由に米政権から倒されている。

 こうして世界中に日本人と日本企業が存在するようになると、当然、邦人保護と企業資産防衛が課題となってくる。財界は、海外資産防衛のための派兵を政権に求めるようになり、1992年にはカンボジアへ初のPKO海外派兵が行われた。経済大国は必然的に軍事大国になる。この経済大国と憲法の矛盾を突破しようとするのが、自民党改憲案であり戦争法だ。

財界が安倍政権を後押し
 このように、戦争法は米国への忠誠の誓いであると同時に、日本財界の要求とも一致していた。彼らは安倍政権の誕生から現在まで支援しており、安倍も賛成した議員も、国会での採決という芝居を演じた役者だった。だからこそ、民衆の国会包囲の中でも採決を強行したのである。

 財界にとっては、総選挙も(国民は民主主義の根幹と思っているが)国民意識を計る、単なるバロメーターに過ぎない。極少数の財閥と取巻き連中が圧倒的多数者を支配するには注意深さが必要なので、選挙結果も参考にするという程度だ。世論調査も企業に操作されており、アメリカ同様全く信用出来ない。

 財界が安倍に期待しているもう一つの役割は、「戦争を担える日本人」へと国民の精神改造を行うことだ。そのため、「力強く信頼される指導者・安倍」が演出された。戦争を体験し、その真実を知る世代がいなくなりつつある中、神懸り的に戦前憲法を美化する日本会議は、財界にとっても必要な存在である。

日米同盟下での安倍の独自外交
 戦争法を成立させた後、安倍政権は、日本としての独自外交と経済圏形成に踏み出した。
 まずロシアに対して、これまで米にならって経済制裁を行ってきた。その日本が、ロシアと独自外交を行う道に公然と踏み込んだ。国内では「北方領土を取り戻す」と言いながら、実際は日露間の経済関係を強化する北方経済圏政策を打ち出したのである。

260208日露首脳会談前の安倍

 安倍首相は、戦前の日本が当時のソ連と日ソ不可侵条約を結んで南方侵略=大東亜共栄圏に進んだ歴史を想起し、今度は成功裏に行うという決意を持った。戦前の日本は欧米との帝国主義戦争に突入し敗れたが、現在のアメリカは歴史的衰退傾向にあるから、注意深くやれば日本の大国化は可能だと考えたのだ。

 そして朝鮮半島については、安倍は日本の生命線と考えている。「北の脅威」を異様なまでに煽り、「(韓国の了解なく)北朝鮮に自衛隊を進める」と表明し、先制攻撃も匂わせて日米が朝鮮戦争に打って出ることを主張している。

米にとって安倍は用済み
 しかし、アメリカのトランプ現政権は、産軍ネオコン戦争勢力と一体でアメリカの衰退を促進したオバマ・クリントン批判を行い、米国経済の回復を第一に掲げた(この路線をめぐって、米国内でトランプへの弾劾が起こっている。オバマ・クリントンは「民主主義」の旗を掲げ、中東・アフリカ侵略戦争を行ったが、今やこの偽旗は「差別主義トランプ弾劾」に使われている)。

 トランプは「北の脅威」を口実として、大量の高額な米国製武器を日本に買わせるが、実際の戦争はしないで交渉とセットにする方針だ。対北朝鮮戦争を先頭で叫んでいるのは安倍である。安倍は、国民主権を否定する為に天皇をまつりあげて利用する戦前回帰を目論んでいる。

 かつての日米開戦への道は、日露戦争での日本勝利から始まった。日本が満州鉄道に手を付けた時点で、米国は対日戦の準備に着手していた。戦後70年安倍談話の核心は「日露戦争の勝利は誇りだ。その後、米国と開戦した事は世界情勢を見誤った」と述べたことにある。

 トランプ政権は安倍政権を危険視しており、安倍と結ぶジャパンハンドラー(アーミテージ、ナイ等)を全て排除した。米国にとっての安倍の役割は、戦争法を成立させた段階で終わっているのである。

共謀罪で世界から孤立、政権崩壊前夜の悲鳴
安倍晋三 安倍は国会も無視し、「読売を読め」と言って新たな改憲案を発表した。この間の暴挙は権力の自滅行為である。森友学園問題・加計学園問題に表れているのは、行政の長自らが行政機構を破壊し、これに官僚機構の内部からも反乱が起き出しているということだ。共謀罪については国内外から批判され、安倍は国際的孤立を深めている。

 安倍は日本を私物化し、個人独裁を目指そうとした。これは憲法の形骸化や、与党・自民党の独裁というこれまでの問題を越えるレベルだ。安倍と一体となっている検察・警察・司法の膿を徹底的に出すしかない。

 ここに至って、今まで安倍の手先になっていたマスコミも動揺を隠せない。例えば、朝日新聞は体制主流であり、小沢逮捕や日韓「合意」を根回ししてきたが、加計学園の資料を報道して安倍批判の口火を切った。そして、安倍政権誕生に貢献した側である日経新聞も、“安倍内閣支持率が超急落!2月25日63.7%⇒3月7日37.1%”と報じている。

民衆の手で安倍政権を倒そう
 1972年沖縄復帰以後、自衛隊の沖縄配備にあたっては「県民に親しまれる自衛隊」になることが必須条件だった。だが安倍・稲田はこれまでのあり方を、上から一挙に打ち破った。安倍内閣は、沖縄民衆をその政治思想や階級の違いに関わらず、丸ごと敵にしたのであった。

 さらに、アベノミクスのツケが圧倒的な民衆に回ってくる。青年層は非正規雇用の不安定労働に追いやられ、格差は広がるばかりだ。旧来の日本資本主義においては累進課税を行うべき状況であるが、全く逆のことを行っている。国の借金は過去最高の1053兆円に達し、金利は年10兆円だ。どうあがいても財政破綻は誤魔化しきれず、民衆の生活は破壊される。このような状態では、いずれ保守層からも見放される。

 権力者が自己の支配規範を無視し破壊すれば、それは自滅の道である。国家の陰に隠れていた、支配階級財界の腐朽した姿が次々と見えてくる。そして、原発・戦争法・沖縄基地・非正規・格差社会などへの、民衆の蓄積した不安や怒りに火が付く。いくら安倍が北朝鮮の脅威を叫ぼうが、政権の末路は見えた。ここに民衆の闘いの炎が燃え上がる時、新世界が生まれるのは歴史の必然である。

 民衆が歴史の主人公として躍り出る時が来た。安倍政権を打倒する闘いの内容が問われている。日本民衆が韓国・中国民衆と連帯し、腐敗した汚物を一掃する闘いに立ち上がることが全てだ。(村山和弘)

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韓国民衆の勝利で安倍首相は大打撃 新政権が誕生し、闘いは次の段階へ
 朴槿恵(パク・クネ)前韓国大統領は、安倍首相との間で「慰安婦」問題についての日韓「合意」を強行し、韓国民衆の怒りによって遂に打倒された。戦前回帰の安倍政権が、朴に「少女像を撤去せよ」と強要したからだ。
 朴政権が倒され、安倍の野望である大東亜共栄圏構想は破産した。韓国民衆の勝利は、日本を根底から揺るがしている。

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