香港「雨傘革命」から3年・あの日逮捕された若者たちは今

雨傘革命 香港 香港で民主化を求めて若者たちが立ち上がった「雨傘運動」から3年がたった。香港の中心街を占領した若者たちのデモは平和的なものだったが、多くの若者が逮捕された。彼らは3年たった今も起訴されるかどうかわからない中途半端な状態に置かれていて、自由を求める香港の市民運動に対する心理的な圧力となっている。しかも逮捕容疑が次々代わり、2017年3月に、容疑は「治安妨害」に代わった。この容疑で有罪なると、最高7年の刑を受ける。

 中国政府による香港市民の政治的自由を制限しようとする中国政府に対する抗議行動として始まった雨笠運動は、2014年9月から79日間も続いた。香港政府の発表によると、デモ期間中の逮捕者は、955人に達した。デモが終わってからも、デモの中心人物ら48人が逮捕された。
 逮捕された人たちの容疑はさまざまだったが、「違法な集会」や「無許可の集会」というのが多かった。その後、逮捕者の多くは拘束を解かれたが、いまも起訴されるかどうかわからない中途半端な状態に置かれている。

 当局の姿勢は、「起訴に足る証拠が出てくれば、再逮捕して裁判にかける」というものだ。この問題を注目してウオッチしている国際人権団体アムネスティは「この状況は、表現の自由である平和的デモへの圧力となる。とりわけ香港の自治権や民主主義など、デリケートな問題にかかわるデモへの参加を抑制しかねない。起訴か不起訴が決まらないのは、被拘束者を法的に曖昧な状況に置くことであり、香港の人たちの人権への弊害ともなる」と憂慮している。
 その後、今年3月になって容疑に「治安妨害」が加わった。きわめてあいまいな罪状で逮捕拘束できるもので、取り締まり側にとっては、治安弾圧に便利に使えるものだ。しかも、この容疑で有罪になると、最高7年の刑に服さなければならないという。

 アムネスティは今月初め、香港の司法長官宛てに、逮捕された人たちの法的立場を明らかにすることを文書で求めたが、「逮捕者225人に司法手続きを取ったか、手続き中」という回答しか戻ってこなかった。アムネスティによると、国連自由権規約委員会はこれまでに何度も、香港の公安条例における「違法な集会」など曖昧な規定とその執行は、国際人権法上の平和的な集会の権利を十分に満たしていない、と指摘してきたという。

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