社会的連帯経済の概念・世界的な広まり―先進5カ国で立法化

グローバリズムへの対抗軸として
2014年にフランスで制定 スペイン・エクアドル・メキシコ・ポルトガルも
フランス政府の公式ロゴ、自由・平等・博愛
 2014年フランスで可決された「社会的連帯経済法」はスペイン、エクアドル、メキシコ、ポルトガルに続く5カ国目で、これらはいずれも地域主権の概念が歴史的に行き渡っている国々だ。利益共有以外の目的追求を旗印に、個人での独占形態を善しとしない経済追及の姿勢が頼もしい。

 フランスの同法第1条では社会的連帯経済について、利益共有以外の目的追求、民主的ガバナンス、利益の大半を組織の維持・発展に使用および義務的準備金の保持といった条件を満たす人たちによる経済活動と定義されている。具体的には協同組合、共済組合、財団、アソシアシオン(日本の特定非営利活動法人に相当)に加え、前述の条件を満たし社会的効用を追求しさらに利益の一定額以上を準備金に回す一般企業(有限会社など)も社会的連帯経済の団体と認められる。
 この社会的効用について次の3つのうち少なくとも1つを追求することが必要となる。

  1. 経済的、社会的および健康面で脆弱な状態にある人を支援する活動を目的とする。
  2. 民衆教育や社会的つながり、および地域づくりを通じて、社会的疎外や各種不平等の克服を目的とする。
  3. エネルギーの移行(注:再生可能エネルギーへの移行)や国際的連帯を通じて、1あるいは2と関連した持続的な開発を目的とする。

 社会的に責任のある製品を推進したり(第13条:具体的にはフェアトレードや社会的企業の製品など)、民間経済や行政では従来満たされなかった社会的需要に対処したり、画期的な労働組織方法でその需要に対処する企業が社会的イノベーションを行っているとみなされ、公的資金の援助が受けられるようなる(第15条)、社会的連帯経済関係者による地域通貨の発行を認める(第16条)、回復企業(倒産した企業の元従業員が、その工場など生産手段を買い取って協同組合として自主操業を始めるもの)を認めたり(第18条〜第22条)地域と協同組合の発展を念頭に置いた事は明らかだ。

 また労働法の一定の規定に合致する企業が「社会的効用連帯企業」の認定を受けたり(第97条)することなどが定められており、労働組合を中心とした産業形成などでおおいに参考となるだろう。



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