雇用破壊・労働時間破壊を狙う安倍政権「働き方改革」/仲村実
ーナショナルセンターを超える共闘を各地でつくりだそう!

朝まで残業イメージ写真

「働き方改革」のねらい
 安保・戦争法・共謀罪、そして自衛隊の9条追加の改憲をもくろむ安倍政権は、政治・軍事分野に留まらず、労働の分野においても新自由主義的政策、規制緩和を強行、労働者の生活・権利、生命に大きな変化をもたらしました。そして、労働分野では規制緩和、雇用破壊政策こそが成長戦略だとしました。それが「働き方改革」です。

 安倍のねらいは、「世界で一番企業が活躍しやすい国」を目指すことです。そのために、資本が必要な時だけ労働力を吸収し、不必要な時は労働力を簡単に排除することが合法的にできるよう、労働基準法などの大改悪をねらっています。

労働分野における雇用破壊政策
 安倍政権は2016年6月に「1億国民総活躍プラン」のもと、「働き方改革」の実現に向けて関係閣僚と有識者(経団連、日商、連合など)で、「正規非正規雇用に関わらず均等待遇確保」のため「同一労働同一賃金」「長時間労働の是正」を進めるという方向を打ち出しました。
 
 ここでいう「働き方改革」とは、財界の意向を受けた労働者保護法の規制緩和・解体をねらう雇用破壊の政策です。
 派遣労働の完全自由化、解雇の規制緩和・金銭解決制度導入、労働法制の根幹である労働時間法制の解体としてのホワイトカラーエグゼンプション(残業代ゼロ)導入、裁量労働制拡大、労働契約法の18条の5年ルールによる無期雇用転換の緩和、ハローワークの職業紹介の民営化、短期的なスポットワーク、テレワーク拡大等労働者の個人請負・事業主化など、労働契約そのものの解体といえるものです。

「働き方改革」関連法案で、政府がめざしていること
サービス残業のイラスト 政府がいま進めようとしているのは「同一労働同一賃金、時間外労働の上限規制、裁量労働制の拡大、高度プロフェショナル制度等をすべて一本化し」、労働基準法をはじめ「8本にわたる法改正を一括して法律案とする」ことだと日本労働弁護団は指摘しています。労働の保護を規制と見せかけ、企業側の規制緩和で「働かせ放題」法案の実現をめざしているのです。こんな法案には断固反対するしかありません。

 法案は、長時間労働を是正するとしています。しかし実際は、長時間労働の抜け道がある労働基準法のさらなる改悪です。それを専門職で年収の高い人の労働時間規制をなくす、残業代ゼロの「高度プロフェッショナル制度」の創設との抱き合わせで進めようというのです。

 現行の労働時間は労働基準法32条で1日8時間、週40時間と決められています。例外として36条があり、過半数労働組合等と協定を行なった場合は延長できるとなっています。現行法では例外の上限は決められていませんが、労働省告示で1ヶ月45時間、1年360時間と決められています。

 法案はこれを例外の上限として法制化し、さらに例外の例外として月100時間、年720時間、工夫すれば960時間まで可能にするというものです。ただでさえ例外が当たりまえの現実、長時間労働、過労死、ただ働きが横行しています。さらには「残業代込み」という低賃金・長時間労働者が政策的に生み出されてきたのです。

 その上さらに「企画業務型裁量労働制の対象業務の拡大及び特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロプロフェショナル制度)」の創設があります。これは、残業の上限規制からも適用除外です。残業代ゼロは安倍首相が連合幹部と取引して、要望を取り入れてでも創設したい法案です。ここでいう企画業務、特定高度専門業務・成果型労働制とは、一般的な管理職層にも適用が可能であり、年収が1075万としています。
連合の裏切りに抗議する労働者
 しかしかつて1985年に創設された労働者派遣法がその後規制緩和された経過からもわかるように、適用対象を経団連のいった年収400万円以上に引き下げてくることは明らかです。高収入の労働者に限定するとして、まずは制度を創設することが目的なのです。まさにこの点で、連合幹部の財界に組する反労働者的性格が透けて見えます。

職場から地域から、
安倍「働き方改革」関連法案を廃案にする闘いを!

 「働き方改革」関連法案は、来年1月の通常国会に提案されることは間違いありません。有効に反撃し得ない理由は、企業内組合のあり方にあります。民間大企業・正社員・男性の既得権擁護、減少しつつあるとはいえ同一企業での終身雇用・年功序列賃金を前提に労働条件の向上をはかる勢力が組織労働者の多数ということです。

 こうした企業内組合は、労働者階級としての視点が全くなく無為無策を見透かされ、ごまかしの「残業の上限規制」、「非正規という言葉をなくす」「同一労働同一賃金」等と呼号しているのです。

 こうした中で、労働契約法20条をめぐる同一労働同一賃金の闘いがあります。連帯労組長澤運輸、ハマキョーレックス、東京東部労組メトロコマース、郵政産業労働者ユニオンの郵政非正規労働者の闘いが続いています。裁判所の判断は、正社員と非正規との給与体系の格差(基本給、賞与、退職金)を容認し、いくつかの手当のみ不合理性を認めるというものであって、裁判闘争での限界も見え始めています。

 職場での運動、闘いの柱に、労働時間は1日8時間・週40時間、そして時間外労働は過半数労組・代表との協定が無ければ出来ない原則の堅持を掲げ、賃上げや最低賃金引き上げの闘争と結合させる必要があります。

 安倍政権の「働き方改革」と対決し、労働時間の例外の上限は「1ヶ月45時間、1年360時間」、例外の例外は廃止、残業ゼロの「高プロ」法案廃止で共闘して、ナショナルセンターを越えて、全国各地で闘いの輪をひろげましょう。

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