主張】総選挙結果と第四次安倍政権

トランプ米政権の「米朝開戦」挑発に隷従する安倍政権の
戦争国家への野望打ち砕こう!

9条改憲阻止、辺野古新基地建設阻止へ、更なる大衆闘争の発展を!
 追い詰められ、「森友・加計疑惑隠し」と政権延命のため、安倍首相が北朝鮮危機を利用して「国難緊急突破」を煽って行われた「奇襲」総選挙。結果は、9条改憲発議に必要な議席数三分の二を確保して自公圧勝・安倍政権続投となった。11月1日には、解散時の閣僚そのままに第4次安倍政権が発足した。

 安倍首相は選挙後、口先では「謙虚に」と言いながら、早速「信認を得た」とばかりに自民党改憲案策定を年内にも急ぐ考えを表明し、選挙翌日から公約にもない所得税大増税アップ、「加計獣医学部認める」方針、沖縄・辺野古新護岸工事着工、米軍キャンプハンセンに日本版海兵隊・自衛隊の「水陸機動団」配備の検討、「働き方改革」での雇用ルールの変更検討等々、その暴走政治を加速させている。

 今後の新しい局面での安倍政権打倒への大衆的闘いの発展のためには、総選挙の結果から民意とかい離する「安倍一強」は本物か、若者や農民層そして地域はどう動いたか、社共はじめ左派に問われる課題などについて分析し、教訓を導く必要がある。これら課題について、今号より「総選挙の結果を読み解く」を戸田ひさよし門真市議の報告を皮切りに連載していくので、ここでは、以下の点に絞って考える。【編集部】

安倍「一強」は虚構だ
 衆院選の結果に見る際立ったひとつの特徴は、安倍「一強」の虚構―政権の脆弱性と安倍独裁の根元に拡がる民心の離反と怒りである。

 自民党の議席の上での「圧勝」は、安倍首相が「森友、加計疑惑」の争点を隠し、北朝鮮危機を利用し、安倍政権批判票の受け皿となる市民・野党共闘が民進党の希望の党への合流という野党共闘の「クーデタ―的破壊」によって「野党分裂型」選挙となり、これらが「小選挙区制」の仕掛けとあいまって「漁夫の利」をもたらしたことにある。

 2017衆院選議席配分

 自民党が比例代表で得た得票率は33%、有権者全体に占める絶対得票率は17%しかないのに、全体の議席数(466)の61%を占めた。これは大政党有利に民意をゆがめる小選挙区制がつくった虚構の多数である。現に、投票日直前の日経による世論調査の安倍内閣支持率では、「支持しないが」が47%で「支持する」の38%を上回っており、「圧勝」にも関わらず選挙後も内閣支持率は下落し続けている。
2017衆院選得票
 その意味で、安倍政権はトランプ米政権の「米朝開戦」挑発と連合も一役買った「小池・前原」の策動によって政権維持の目的を果たしたとはいえ、その政権基盤は脆弱で、民心とのかい離は今後ますます強まり立ち往生するのは必至である。

風穴を開けた連帯と共闘の力
労働者・市民の生活・労働現場の大衆運動の発展こそ力
 そしてもう一つの際立った特徴は、希望の党発足と民進党の合流・分裂のうんざりするような信念も理念も投げ捨てた離合集散の再編過程で、小池・前原の策動を打ち砕き、立憲民主党を野党第一党に押し上げ、沖縄、北海道、新潟など小選挙区で自民党の「一強」制覇を許さず、風穴を開けた労働者・市民と野党の連帯と共闘の力である。
玉城デニー
 沖縄では、4つのうち3つの選挙区の勝利によって辺野古新基地に反対するオール沖縄の圧倒的な力を示し、来年の名護市長選、県知事選勝利への布陣を確かにした。
 また、北海道では12選挙区のうち立憲・社民・共産と市民民衆の「戦争をさせない市民の風・北海道」が政策協定を結び5選挙区で勝利し、新潟では参院選以来の共闘の力で3つの小選挙区で勝利し、九州・佐賀でも2小選挙区すべてで野党系候補が勝利した。

 これらの「安倍一強」に風穴を開けた地域の勝利の根底には、辺野古新基地建設反対の「屈しない」闘いで安倍政権打倒の先頭に立ってきたオール沖縄に象徴されるように、地域の生活や労働に根差した基地・原発再稼働・農業破壊のTTPなどと闘ってきた労働者・農民・市民の大衆運動の継続と日常活動がある。

立憲民主党 野党第1党に押し上げられた立憲民主党は、その政治的立場は民進党以来の日米安保同盟支持であり、枝野代表は「立憲主義に反する安倍政権の進める改憲には反対」だが、「護憲ではない」とも表明している。

 その意味で、安倍戦争国家への「この国のあり方」をめぐる政治攻防は、旧来の「護憲か改憲か」の戦後的枠組みを超えたところで闘われており、安倍政権の9条に自衛隊明記する改憲は沖縄に新基地強制する日米安保同盟の戦争同盟への深化と一体であり、いずれ闘いは日本の対米隷従政治の根にある日米安保条約に突き刺さらざるを得ない。

 ゆえに重要な事は、今後の安倍改憲をめぐる政治攻防の過程で、彼らが日米安保-軍事同盟の下に戦争国家に突き進む安倍政権との対決姿勢を筋を通して堅持し続けることができるかどうは、彼らをその方向に押し上げる労働運動・市民運動の圧倒的闘いの力だということである。

 資本主義の終焉とその危機の政治的現れでもある議会制民主主義と既成政党政治の腐敗をあらわにした今次衆院選は、韓国の「ローソク革命」が示したように、下からの草の根民主主義の大衆的政治的成熟の課題をも同時に突き出している。

武器商人・トランプの正体見せた日米首脳会談
日米首脳会談に合わせ辺野古新基地の新護岸工事着工
20171106日米首脳会談 11月5日にトランプ米大統領が訪日し、6日にトランプ・安倍日米首脳会談が行われた。詳細は次号に譲るとして、日米首脳会談は一体何を決めたのか、簡単に触れておきたい。

 トランプ・安倍両首脳は、日米会談の後の共同記者会見で、「対話のための対話では全く意味はない」と対話による北朝鮮危機の平和的解決を否定し、「日米同盟の深化」と「北朝鮮への圧力を最大限にまで高めていくことで完全に一致した」と語った。安倍首相は、「日本独自の制裁を強化し、北朝鮮35団体・個人の資産凍結の方針」とも述べた。

 さらに驚くべきことは、この共同会見の席で、トランプ大統領は「日本が防衛装備を米国から購入すれば、日本上空の(北朝鮮の)ミサイルも撃ち落とすことができる。そうした米製装備を購入すべきだ」と、米朝「開戦」の軍事的オプションをちらつかせながらその危機を利用した武器のトップセールスが公然と行われことである。恥知らずにも安倍首相は「F35Aステルスやオスプレイを購入しているが、さらに米国製兵器を大幅に購入する」と答えた。

 そればかりではない。この日米首脳会談に合わせて、安倍政権は沖縄の辺野古新基地建設のための新護岸工事を総選挙で示された民意を無視して着工した。新基地建設が着々と進んでいることをトランプにアッピールしたのである。ここには、日米両首脳が言う「ゆるぎない日米同盟の絆」は、こうした沖縄への犠牲の上に成り立っており、米朝「開戦」の危機を利用した日米同盟の戦争同盟への一層の強化、9条に自衛隊明記する安倍改憲政治が沖縄辺野古新基地建設強行と一体であることが示されている。

 戦争に延命の道を求める米軍産複合独占資本の意を受け武器セールスに奔走するトランプ大統領に隷従し、その威光をかさに着て戦争国家の総仕上げにひた走る安倍政治を打ち砕く新しい闘いの局面が始まった。

トランプ米政権の軍事的挑発による米朝「開戦」危機を利用し、米隷従の犬と成り果てた安倍政権の戦争国家への野望打ち砕こう!

トランプを抗議のデモで迎えた韓国民衆・東アジア民衆と連帯し、米日両政府の北朝鮮への戦争挑発を阻止しよう!


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