米国「軍産複合体(MIC)」のおそるべき戦後世界史(上)/関西M

第2次大戦後 70年で50か国を潰した軍事帝国
在韓米軍演習

ロッキード株価

今回も朝鮮有事を煽り「死の商人」ロッキード、株価一挙に3倍増の悪辣

 休戦ライン朝鮮国境の南わずか10km圏内。韓国軍との共同演習と嘘ぶき最大30数万兵員を実践配備。猛烈な艦砲射撃を繰り返しその後方では核ミサイル標的レーダーも発動する……。

 これこそが、まさに米国の振りかざす極東秩序と言う最凶の現実だ。今また、止む無く防衛的にミサイルを飛ばした一事を指し「挑発」だと叫び、小国を追い詰めるという、いわゆる<戦争屋>の手口は、第2次大戦後の歴史を見返しても呆れる程に単純だ。

 歴代の大統領さえ持て余すとされる米国軍産複合体と言う<戦争屋>の実相。それは全米で2万社以上とされる巨大な産業経済コングロマリット群であり、闇の公共事業体としての不気味な顔さえ合わせ持つ。米国軍産体制MICのおそるべき全貌を上・下2回に分けて、レポートする。【関西M】

米国全体を覆う軍産複合体MICの太い根
 陸・海・空・海兵隊・予備役を含めて350万人以上もの殺人と破壊訓練を施された人員を擁し、地球を20回以上も壊滅させ得る程、圧倒的な核軍事力を擁するアメリカ軍産体制の脅威。そのメカニズムと力において、他に類を見ない人類史上最大の暴力組織であり、しかもこの軍組織は、全米2万以上の企業と組んで巨大な軍産複合体経済連環を形成している。

軍産複合体(Military-industrial complex= MIC)
アイゼンハワー●軍需産業を中心とした企業・軍隊および政府機関が形成する政治的・経済的・軍事的な勢力の連合体を指す。この言葉と概念は特に米国に言及する際に用いられる。1961年1月、第34代大統領・アイゼンハワーの退任演説においてその存在が指摘され、国家・社会に過剰な影響力を行使すると告発したことにより認識されるようになった。アメリカでの軍産複合体は、軍需産業と国防総省、議会が強力に連合を形成する。

 そして実は世界にとって深刻なのは、超大国米国で、優秀な科学者・技術者の多くが関わるこの「軍需産業」こそ、米国経済の真の屋台骨だということだ。

 現在のIT・AT産業こそ、もともと軍事の必要から生み出された軍事転用の産業化であった事を理解してほしい。ITのティアワン(*)プロバイダーが全て米国本位で独占されているのは、情報を統括支配しようとするMICの思惑に左右されていると目されているほどに、「ウォー・エコノミー(戦争経済)」が米国の表舞台で大手を振るって動きまわっているのだ。

*ティアワン=Tier1とは、 インターネットの品質を上位プロバイダに頼ることなく、自らをコントロールできる世界規模の広帯域IPバックボーンを有するISPグループのこと。世界で数社しかなく、アジア唯一のTier1はNTTだ。

 そもそもMICは第二次世界大戦での敵枢軸国に勝つために必要であった、複雑で高度な兵器開発の必要性とともに起こったものであった。
 その戦後歴史を思えば…逆に言うと軍事会社が利益を上げられなくなれば、大勢の失業者出現の恐れ、すなわちブラックマンデーの再来さえある。米国はもはや軍事拡大と戦争に巻き込まれた恐怖の体質なのだ。

 米国の議員たちは地元の軍需企業と雇用のために予算確保に動き、選挙資金や票の獲得をめざす。そして米国防総省やCIAは、軍需産業と一体化しMIC即ち全米最大の利権ネットワークによって、米国やその同盟国の外交防衛政策を動かしている。
ペンタゴン・国防総省
 米国防総省の「国防政策委員会」は、軍需産業の利益をはかるため、平和戦略と言う名の「戦争政策」を練っている専門組織だ。この構成メンバーが、世界平和の破壊に日夜腐心している。 
 これらMICで委託された各大学や権威筋の研究成果は、「ダウケミカル社」「デュポン社」「ロッキード社」「ダグラス社」などに下ろされ、これら軍需産業が大量に生産。大学の研究室と産業と政府ががっちり手を結び、第2次大戦後の「冷戦」という獲物を手にして、巨大な怪物へと成長した。

 MICの中核に位置するのが、ペンタゴンとCIAである。1947年に「国家安全法」に基づいて、それまで独立機関であったアメリカ4軍を一元的にコントロールするために設けられたのが「国防総省(ペンタゴン)」であり、さらに同じ「国家安全法」に基づいて作られたのが「中央情報局(CIA)」であった。
 このペンタゴンとCIAの誕生により、軍産複合体は一つのガッチリした“中央集権的組織”となって、アメリカに根を下ろしたと言えよう。

 MICは年々肥大化し、ペンタゴンから発せられる莫大な「軍需注文」は、2万2000社もある「プライム・コントラクター(ペンタゴンと直接契約する会社)」と呼ばれる巨大な航空機メーカーやエレクトロニクス企業に一括して流されている。

 さらにその周辺に彼らの下請け・孫請け会社1万2000社、彼らの金融面を司る多国籍銀行団、スタンフォードやハーバードなどの大学研究室が70以上、ランド研究所、フーバー研究所などペンタゴンと契約している「シンク・タンク」などといったように、何百何千万人もの労働者や科学者、研究家、政治家、退役軍人、ロビイストたちが張り付いているのである。
ロッキードF35戦闘機
 ペンタゴンと直接契約している企業は、まだ兵器を製造している段階で、多額の「推奨金(無利子の貸金)」を受け取ることができる。
 例えば「ロッキード社」は、1968年12月の12億7800万ドルという支払い済み経費に対して、12億700万ドルの「推奨金」を与えられた。15億ドル近くの経費や設備を含む取引に対して、同社が調達しなければならなかったのは、7100万ドルの自己資金だけであった。(→次号に続く
<参考>1776年以来240年間で、約220年間が戦争の米国歴史
米国誕生以来、戦争のない平和時はわずか21年間
 1776年の建国来240年のうち219年間、戦争をしてきた。米国がいかなる戦争もしなかったのは、わずか21年に過ぎない。
戦争まみれの年月
 下の20世紀内の歴史を見ても、本当に平時の大統領といえるものは一人もいない。それどころか、歴代の米国大統領全員が、厳密に言うと“戦争大統領”と見なすことができる。
米国が10年間、戦争をしなかったことはない
 5年間戦争をせずにすごした唯一の時期(1935-40)は、大恐慌の孤立主義時代だ。世界と謝絶するアイソレーション(断絶)を今のトランプは標榜するが…

■「軍事省」や「戦時生産局」は、航空機・大砲・戦車などを作り出すために産業に頼らざるをえなかった。
■電子工学や原子力が兵器となると、その頭脳を供給するために大学が選ばれた。大学は「戦争に勝ち民主主義を救う」との名目での戦争協力者であった。これが現在のIT・AT産業と連動しているのだ。

20世紀内での米国の海外侵攻年表

1903 コロンビアに対するパナマ住民の独立運動支援を名目に軍艦派遣
1912 ニカラグアに海兵隊を派遣
1914 メキシコに海兵隊派遣。州都占領
1915 ハイチに海兵隊派遣
1916 メキシコに進軍。ドミニカに海兵隊
1917 対独宣戦布告(第1次世界大戦)
1918 シベリア出兵。革命ロシアを牽制
1926 ニカラグアに海兵隊派遣
1941 第2次世界大戦に全面参戦。
1945 初の原爆実験。広島・長崎に投下
1949 北大西洋条約調印。NATO開設
1950 朝鮮戦争始まる。日米安保条約調印
1952 最初の水爆実験成功。
1955 南ベトナムに軍事顧問団派遣。
1958 レバノンに海兵隊派遣。
1960 U2型偵察機ソ連領空で撃墜さる
1961 キューバと断交。上陸作戦失敗。
1962 キューバ危機。
1964 米議会、トンキン湾決議。
1965 北ベトナム北爆本格化。地上軍投入
1970 カンボジア侵攻。
1971 ベトナム戦争、ラオスにも拡大
1983 グレナダ侵攻。
1986 リビアのトリポリなどを爆撃
1989 パナマに侵攻。
1990 イラク・クウェート占領で中東派兵
1991 湾岸戦争。
1992 ソマリア派兵。
1994 NATO旧ユーゴ内戦に介入空爆
1996 イラクに対し空爆。
1999 NATO軍、コソボ空爆。
2001 9・11同時テロへの報復と称し、アフガニスタン空爆、地上軍派遣


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