関西生コン2労組のストライキ 年内で決着みる
労働者が業界全体のコンプライアンス改善を求めた「利他的スト」の歴史的意義

下請け業者権益を守り、建設労働者の雇用安定、産業の公平性原理訴え
関西ゼネコン支配を震撼させた、2010年ゼネストの集大成

スト中に車を手入れする労働者 前号既報の通り関西生コン労働界のうち連帯労組関西生コン支部全港湾大阪支部が、別項の「建設現場のコンプライアンス(=法令・企業倫理の遵守)改善に関する要請書」に記載された諸要求を掲げ、昨年12月12日から打ち出した全面ストライキだが、18日に決着を見た。今回のストの特殊な点は、従来の賃金雇用など労働側の要求獲得だけではなく、産業的公正実現のための利他的行動と言う側面の画期性である。産業利益を偏在させることなく、全体で利益を分かちあうべきとする、共生協同の理念に裏付けられたまさに歴史的なストライキだった。

特集:関西生コン労働者12月ストライキとその意義(目次)

コンプライアンス改善要請書に見る、今回ストの内容と意義
建設現場のコンプライアンス改善に関する要請書

 今回のストライキを前に建設各位にと題し「建設現場のコンプライアンス改善に関する要請書」との声明が、武建一連帯労組関西生コン支部執行委員長名で関連の関係者に通達されている。

 ここに示された産業的公平と下請け中小業者の地位向上と言う明確な行動指針が関西の関連業者にどう理解され浸透して行くかに、中小企業の真の経済民主化の帰趨がかかっていると言えるだろう。以下、その要旨を確認する。

建設現場のコンプライアンス改善に関する要請書【要旨】

 私たちは、建設・生コン関連業界に従事し、建設基礎資材の生産・流通・建設に携わる労働者で組織する産業別労働組合です。良質な社会資本を整備・供給するため、コンクリートの品質・安定的な供給体制の確保や建設現場におけるコンプライアンス違反の撲滅、そして建設・生コン関連業界に従事するすべての労働者・中小企業の社会的・経済的地位向上を目指すなど、 私たちの社会責任は非常に重大であると認識しています。

 2010年、生コン業界再建のため生コン業界の労使が一致団結して139日4ヶ月半にも及ぶ生コン産業ゼネストを闘い抜き、原価割れしていた生コン価格を適正水準まで値戻し、したことについては、ご記憶に新たなところだと思います。

 しかし、この成果については大阪広域生コンクリート協同組合K理事長の策動で白紙になりましたが、その後、全社崩壊の危機に直面した広域協は私たち関西地区生コン支部に対し業界再建の協力を要請。 
 2015年1月から本格的に業界再建を取り組んだ結果、大阪地区では15800円の収受がほぼ実現されています。
 大阪地区においては、業界が労働組合シフトを解き、業界再編の動きが始まった以前に比べると5000円以上の値上げをするに至っています。

 それにもかかわらず、大阪地区では労使共同による業界再建で生まれた利益が、関係各所に公平に還元されていない状況にあります。
  現在、広域協内では実権を握る一部執行部が公平なシェア決定等協組運営を行っています。例えばその配分などは一部企業により多くが配分され、また出荷割付についても利益率の高い物件の分配が不公平に行われています。

 さらに元々、生コン価格の引き上げによって得た利益は、生コン輸送業者やバラセメント輸送業者、ダンプ運送業者など生コン関連の下請け業者にも還元することが前提でした。
 それを労使で確認してきました。

 しかし、広域協執行部は本年3月の時点で「生コン輸送運賃を55000円に引き上げる」と明言していたのに、いまだ生コン輸送運賃を引き上げようとしていません。また、バラセメント輸送やダンプ輸送の運賃についても同様な対応を取っています。

 生コンクリートの安定供給、生コン打設工事の品質確保、コンプライアンス確保のためには生コン関連の下請け輸送業者の経営安定は不可欠です。
 例えば、生コン輸送業界においては30年前と比較しても低い運賃水準で推移しています。
 生コン打設工事の前日・当日キャンセルにおいては、当該キャンセルによって生じた輸送業者の経費や機会費用の損害については、ほぼ輸送業者が全額、泣き寝入りしている状態です。<中略>

 また車両の維持管理費も増大の一歩をたどり、業者の経営努力は限界に達しています。
 そういった経済的な負のしわ寄せの多くはドライバーに回されているのが現状であり、また運送業界のコンプライアンス遵守意識を低下させる要因になっています。


業界全体に輸送業への理解とコンプライアンス改善を求めてスト

 これら文書内容によって、同労組では関連の建設業界関係者に
1)過積載やコンクリートミキサー車の路上洗浄・袋洗浄等コンプライアンス違反の一掃、土曜稼働を行わない
2)コンプライアンス違反の発生要因になっている不当な低単価受注については、(a)生コン協同組合など生コンクリート発注先に対し、生コン輸送、バラセメント輸送については、適正単価(関連労組や協組が出している指針等)での取引をするよう指導されること、(b)生コン打設工事を前日・または当日キャンセルする場合においては、生コン輸送業者など下請けに被害が生じない対策を講じられること、(c)ダンプ輸送の低単価受注の改善に努力されること
 ――などを広く関係者に求めての今回12月12日からのストライキ発動となったものだ。

2労組12月ストでの成果

 これら要求を掲げ、全港湾大阪支部と連帯労組関生支部は、12日よりバラセメント輸送拠点であるセメントSS前や、生コン輸送出荷での関係プラントなどでの現場アピール行動を展開。
 合わせて多くの労働者への理解啓蒙にも注力する中で、下記各項目での要求が大きく前進したとして、18日にストライキを解除を声明、大きな成果が確認出来たとしている。

各地区協組と大阪兵庫経営者会とで大筋合意

 その成果の第一とは、奈良・京都・滋賀・和歌山・大阪兵庫生コン経営者が2018年4月から、バラセメント輸送でトンあたり510円アップ。生コン輸送で、大型1日最低5万5千円の各運賃引き上げに合意したことである。
 さらに第二の成果として、近畿バラセメント輸送協組が、セメントメーカー・商社・販売店に対し労組と協力して交渉に臨むとの決議。第三として、今回のような行動に初めて参加した組合員の自覚が大きく前進し、行動の中で大阪、和歌山で組織拡大を果たしたなどだ。

闘いの蓄積に勝利の要因、現役世代へ歴史を繋ぐ

 これらの成果を獲得した要因を、連帯労組関生支部では、同支部52年の闘いの蓄積に見る。先人たちが犠牲をいとわず闘い「関生魂」を現役世代が引き継いだからこその成功と総括している。

 今後の課題として、両組織執行部では今回合意のバラ~生コン輸送運賃引き上げを経営~支払い側に確実に実行させる事を挙げている。
 また労使関係のある全企業に対して大阪兵庫生コン経営者会への加入促進を行い、18年春闘には、労使関係のある全企業の参加を実現させる。

 これに合わせて、大阪兵庫生コン広域協に見られる体質改善も不可欠とする。特に一部の者だけに恩恵があるシェア分配を公平・平等なものに改めさせる事が必須で、一部執行部による強引な組織運営を辞めさせねばならない。
 同労組では、今回成果を確信にして労働者・中小企業本位の業界実現のために一丸となって闘おう!―と呼びかけている。

 今後は、これらゼネスト成果に加え、「重層下請け制度廃止を推進し建設現場からダンピングを一掃すること」などの実現に向けて、多くの建設運輸関連関係者への理解を求めるとしており、公正と公平原理に導かれた産業での望ましい真の経済的民主化活動を追及するものと期待される。


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行動予定

10月
27
18:30 パレスチナ問題連続学習会/大阪 @ エルおおさか
パレスチナ問題連続学習会/大阪 @ エルおおさか
10月 27 @ 18:30 – 20:30
パレスチナ問題連続学習会/大阪 @ エルおおさか | 大阪市 | 大阪府 | 日本
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11月
17
18:30 パレスチナ問題連続学習会/大阪 @ エルおおさか
パレスチナ問題連続学習会/大阪 @ エルおおさか
11月 17 @ 18:30 – 20:30
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12月
3
19:00 元陸自レンジャー隊員・井筒高雄さ... @ 元町映画館
元陸自レンジャー隊員・井筒高雄さ... @ 元町映画館
12月 3 @ 19:00 – 21:00
元陸自レンジャー隊員・井筒高雄さん講演会「元自衛官だからこそ語る 自衛隊を憲法に明記してはならない理由」/神戸 @ 元町映画館 | 神戸市 | 兵庫県 | 日本
元陸自レンジャー隊員・井筒高雄さん講演会 「元自衛官だからこそ語る 自衛隊を憲法に明記してはならない理由」 ■ 日 時:2018年12月3日(月)19:00~21:00(開場18:30) ■ 会 場:元町映画館2Fイベントルーム  〒650-0022神戸市中央区元町通4丁目1-12  https://www.motoei.com/access.html ■ 講 師 井筒高雄さん(元陸自レンジャー隊員) ■ 参加費:1000円   ※お申込みなしでどなたでもご参加できますが人数把握のためご連絡くださればありがたいです。  メール:civilesocietyforum@gmail.com まで。 ■ 主 催:市民社会フォーラム  http://shiminshakai.net/post/4784 ■ ご案内  安倍首相は9月3日、防衛省の自衛隊高級幹部会同での訓示で、「全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整えるのは、今を生きる政治家の責任だ。私はその責任をしっかり果たしていく決意だ」と述べ、憲法に自衛隊の存在を明記する改正に取り組む考えを改めて示しました。  10月から12月まで開会予定の通常国会でも、安倍首相は憲法改正の自民党案を提出し、早期の発議を目指す方針を明らかにしています。  はたして、自衛隊を憲法9条に明記すれば、日本の平和を保障することになるのか? 9条を現実に合わせて現状追認するだけのことなのでしょうか?  そして、有事があれば命がけで日本を守る自衛官たちも、憲法に自衛隊を明記することを望んでいるのでしょうか?  元自衛官の井筒高雄さんに、改憲発議がされようとする今、自衛隊を憲法に明記することの問題点についてお話しいただきます。 井筒高雄(いづつたかお)さん 1969年、東京都生まれ。 88年、陸上自衛隊第31普通科連隊に入隊。91年にレンジャー隊員に。 92年にPKO協力法が成立すると、武器を持っての海外派遣は容認できないとして翌93年に依願退職。 大阪経済法科大学卒業後、2002年から兵庫県加古川市議を2期務める。 元自衛官の立場から戦争のリアル、コスト、PTSD などリスクを 伝える講演活動を行う。 現在、ベテランズ・フォー・ピース・ジャパン(VFP) 共同代表。 共著に『安保法制の落とし穴』(ビジネス社)、単著に『自衛隊はみんなを愛している』(青志社)など

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