9期スタート集会(3) 講演:日米安保は日本を戦場に米を守るためのもの
/伊波洋一(参議院議員)

沖縄意見広告運動9期スタート集会で講演する伊波洋一参議院議員
 次に安次冨浩ヘリ基地反対協共同代表からの現地報告があった(内容は一部重複するため安次冨さんからの新年メッセージ掲載をもってかえさせていただきます)、それに続いて沖縄意見広告全国世話人で参議院議員の伊波洋一さんの講演に移った。(以下要約)

特集:沖縄意見広告運動 第9期スタート集会(目次)
全国世話人会議で9期活動方針と行動指針を決定
労使の垣根を越えて意見広告運動へ/武健一(連帯関生支部委員長)
日米安保は日本を戦場に米を守るためのもの/伊波洋一(参議院議員)
キャラバン隊からのアピール/小林勝彦(全港湾大阪副委員長)
永田町から見える「現実」ではなく沖縄から見える「現実」を突きつける/野平晋作(ピースボート共同代表)

沖縄意見広告運動の飛躍的成果
沖縄意見広告運動9期スタート集会で講演する伊波洋一参議院議員

 第8期沖縄意見広告は初めて見開きとなり、賛同者数も1万2548人と、初めて1万人を超えた。この間の取り組みへの皆さまのご協力でここまで成長した。それは、いま沖縄で起こっていることは何なのか、日本はどこへ向かおうとしているのかを知ると、それに対して反対せざるを得ない思いが多くの方々に生まれるのではないか。「戦争準備の新基地はいらない」という思いが沖縄のたたかいとなっている。いま現地でたたかっている多くの県民の皆さんは「二度と戦争を起こさせない」という思いが強いということをご理解いただきたい。

 私は参議院議員として「外交防衛委員会」に所属しております。国会は予算委員会だけがテレビ中継されるが、他にもいくつも委員会がありそこで議論がされている。私はこの1年、4つの委員会で38回質疑に立った。そのうち外交防衛委員会で20回以上、沖縄基地問題の質疑に立っている。

ニューヨークタイムス紙にも意見広告を掲載

 沖縄意見広告は、6月の見開きの国内広告の他に、9月の国連総会に向けて、ニューヨークタイムズ(電子版)にも広告を掲載した。ここに「ABESHIZO」の名前が出ている。これは「安倍政権がアメリカと北朝鮮に対する同盟に合意した」という記事があるところに掲載されるようになっていて、クリックすると意見広告のページに飛ぶという仕組みになっている。


沖縄のたたかいの現状報告
辺野古ゲート前座り込み

 11月29日は辺野古の集中行動日であった。市民の報告では3回機動隊が出て、これまで最高の267台のトラックが入った。参加者が100名。最後のトラックの搬入まで80人が残り、最後まで徹底した抗議の座り込みが行なわれた。県警機動隊に1日3回もゴボウ抜きされ囲いこまれても精神的に落ち込まず、毎日頑張っている。これはゲート前座り込み1242日目のことです。

 元気がないのは機動隊の方で、市民に説得されないようにひんぱんに交代を繰り返している。若い機動隊員は「あなた方はなぜこんなことをやるんだ」と言われて答えられず、心が痛いわけです。最後に留置されていた仲間も1泊して午後3時30分に釈放。今度は若い船長が拘束されて留置された。

 米軍のやりたい放題に抗議する市民がメインゲートから車を出させず、基地内に渋滞ができるなどの影響を与えている。これらは地元紙の琉球新報・沖縄タイムスが毎日報じています。多くて300名、少なくて100名の人たちが毎日朝から夕方近くまで座り込んで工事車両を阻止し、それを機動隊が排除するという毎日が続いている。


運動の拡大の経緯、国際的な広がり
辺野古新基地反対運動に国際平和賞授与

 24日にはスペインのバルセロナで「オール沖縄会議」がショーン・マクブライド平和賞を受賞した。私たちの闘いはたたかいの現場と、バルセロナのような現場とがミックスしている。山城博治さんはジュネーブの国連人権理事会で発言し、これは国際的な支援に支えられてきた。琉球大学などの先生方が国際法についてのシンポジウムを行なった。沖縄の取り組みが拡大していることを実感している。

 私はオール沖縄第二次訪米団24名の団長として連邦議会議員への要請、カリフォルニアでの選挙事務所訪問、ワシントンへの要請、労働組合大会に参加し連帯決議を頂き、交流会では沖縄民謡やカチャーシーで交流した。

 以前の県知事選では私は仲井真さんと知事選を闘った。その時、私が辺野古移設反対を訴えると、本来移設派の仲井真さんも「基地は県外へ」と言いだし、当選後3年くらいは県民を騙し続けていたが、最後には埋め立て承認をし、これに反発する多くの県民が県庁に押しかけた。翌月に行なわれた名護市長選挙では稲嶺さんが勝った。知事の承認をもらった国が埋め立てを始めたので座り込みが始まったという経緯。

 いちばん大事な流れは「未来を拓く島ぐるみ会議」の結成です。全県横断的な団体組織が2014年7月に結成された。3600名のシュワブ前で集会が開かれ、辺野古浜で5500名の集会が開かれた。その先に知事選挙があって翁長知事が誕生した。翁長知事を中心に沖縄県民は今、新基地建設に反対している。

翁長雄志さん歴史的圧勝 その後の衆議院選挙で1区から4区まで勝利。とりわけ那覇においては共産党の赤嶺さんが全体の応援で自民党の候補者を破って当選した。その後、翁長さんの訪米直前にはスタジアムで3万5000人の集会が開かれた。そして2015年10月13日には翁長さんは承認を取り消した。

 裁判では和解案を受け入れ。それを受けた次の参議院選挙で私は現職自民党大臣に10万6千票の差をつけて当選しました。県民の思いが票に結びついたと思います。しかし、その翌朝から高江で工事が強行。木が切り倒されオスプレイパッドが造られていく。16年10月、これに抗議する山城さんが拘束されて6カ月間、家族との接見禁止のまま拘留された。色々弾圧があっても、それでも我々は勝っている。

 工事は、1日に200台ものトラックが入っていくが、実態としては工事は進んでいない。辺野古の海には5000種以上の海洋生物が生息している。ヤンバルの森には4000種以上の動植物がいる。珊瑚の海、ジュゴンやウミガメ、山の自然。今の安倍政権は貴重な自然を壊して米軍基地を造ろうとしている。

 ところが米軍には「日本環境管理基準」というものがあり、その第12章には「歴史的文化的遺産」、第13章には「天然資源及び絶滅危惧種」があり、守ることが義務づけられている。日本政府はあえてその法律を無視して米軍基地を造っている。

 アメリカでは新基地建設がジュゴンの生息に影響を与える事を理由にジュゴン裁判が行なわれている。またノグチゲラの巣が28ある場所にヘリパッドが造られている。これはアメリカの法律では違法。しかし安倍政権になってから情報公開が制限されるようになった。今の政権は情報を隠す政権。


中国脅威論とアメリカの戦略
中国軍ミサイル

 中国脅威論ですが、いま沖縄に自衛隊基地建設が進められている。しかし中国機への「スクランブル」(緊急発進)よりはロシアの方が尖閣に近づいている。なのに私たちの国は「対中国脅威論」を振りまいている。なぜか?それはアメリカが日本にそう求めているからです。

 最初はアメリカは中国と戦争しても勝てる予定だった。しかし勝てなくなった。その理由はミサイルの性能にある。北朝鮮のミサイルが問題になっているが、中国のミサイルの方が性能は格段に上です。また誘導で正確に目標を攻撃できる対艦弾道ミサイルDF-21Dを保有しており、その射程は2000キロを超えている。

 そのため横須賀にいる第七艦隊の空母部隊は有事になれば日本にいることができず、グアム以東へ移るしかない。他の米軍基地駐留部隊も攻撃されたら日本から出ていくことになる。冷戦時代には米中のパワーバランスは朝鮮半島だった。しかし今はグアムに移っている。

新しい安全保障のあり方を作っていく時

自衛隊南西諸島配備計画 では誰が日本を守るのか。もはや「日本を守る米軍」ではなくなってしまった。

 日米安保は今でも日本が盾(防衛)となってアメリカが槍(攻撃)という関係でなりたっているが、もはやアメリカは戦略として中国とは交戦しない。そうなると、南西諸島に自衛隊基地をつくっても、アメリカの捨石として日本だけが中国にやられっぱなしになる。

 それが自衛隊の中でも大きな声としてあがるようになっている。自衛隊の論文中にも「米軍が中国本土を打撃しないならば従来の日米同盟がはたしてきた役割にも矛盾し日米同盟の信頼を揺るがすことになる」というものがあり、小野寺防衛大臣も「ある国が『アメリカには絶対攻撃しません。日本だけですから』と言って攻撃してきた場合、米大統領が日本を守らないと言い始めたらどうなるか」と予算委員会で語った。

 それに対して安倍首相は「日本は、攻撃されたら米国と共同で対処する唯一の国」と語った上で「もしお互いに助け合わないのであれば非常にはかない」としか言えなかった。しかし現実はすでにそうなっている。それを考えるならば、辺野古に米軍基地を造るべきじゃないし宮古島や石垣島に自衛隊基地を造るべきじゃない。もはやそういう時代ではない。

 2018年の平和友好条約40周年にあたって私たちは新しい安全保障のあり方として日米・日中の双方に友好関係を創っておく必要がある。
 今、沖縄で闘っていること、沖縄意見広告運動が訴えていること、さまざまな平和運動が行なわれている中で、憲法九条が壊されようとするとき、日本の立ち位置、政局のありよう、自衛隊のありよう、どうすれば本当の平和が実現できるのか。
 今のままの「安全保障」では「日本を戦場にするアメリカのための安全保障」になっている。



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