問題提起】なぜ今、社会的連帯経済なのか、関生協働運動の現場から考える
武建一(連帯労組関西生コン支部委員長)

問題提起として発言する武建一さん

特集:イタリア連帯思想とその実践に学ぶ(目次)
開会挨拶:コーディネーター 津田直則さん(桃山学院大学名誉教授)
問題提起:なぜ今、社会的連帯経済なのか/武建一(連帯労組関生支部委員長)
G・マルゾッキ氏(AICCON理事長)の講演要旨

戦後総括不在が創り上げた無責任体質

岸信介

 このシンポジウムについての問題意識を最初に提起したいと思います。
 今日の新聞を見ておりますと、前原代表が辞任すると出ておりました。前原さんはこれだけ野党共闘を破壊してしまって安倍政権を助けたわけですから、本来なら代表辞任だけではなく国会議員も辞めるべきじゃないですか。

 また、原発によってあれだけ大きな被害を受けたことについて誰ひとり責任をとっていません。さらに沖縄にあれだけの基地を押し付けておいて、沖縄の民衆が島ぐるみで反対しているのに、民意をまったく無視してなおかつ基地を押し付ける。
 こうした無責任体質はどこから来ているのか。戦後の総括が充分に成されていないことが原因しているのでは無いかと思います。

 侵略戦争を仕掛け、日本国民320万を犠牲にし、アジアにおいて2千万人以上の犠牲を出しているのに、何ひとつ責任をとっておりません。それだけじゃない。A級戦犯である、今の安倍総理大臣の祖父(岸信介:写真)は総理大臣にまでなった。なぜしっかりした総括ができないのか。このあいまいな戦後総括が今日の無責任状況を作っているんじゃないかと思うわけです。

社会・経済を民主化する労働組合運動

関西生コン支部のミキサー車デモ

 今、資本主義そのものが危機に瀕しています。資本主義は資本の自己増殖を本質としています。そこは限りない競争の世界であり、競争の中には対立があり、排除があり、差別がある。とんでもない社会になっています。
 私どもはそういった社会構造をより民主的に、より人が住み易い社会に創り上げてゆく必要があるのです。

 イタリアの連帯思想の実践と成果に学んでいくということは、とりもなおさず日本の社会構造をしっかり見つめ直して、その中における運動のあり方を探っていこうというこころみであります。今日、マルゾッキ先生のお話をただ聞くだけでは意味がない。それぞれに地域で、それを実践してゆくことに意味があります。

 われわれ関西地区生コン支部の運動は産業別労働組合ですから、個別企業の労働組合で賃金を決めるとか、労働条件を決めるとかいうことではなく、生コン産業全体を見て、産業構造をより民主的に、経済のあり方を民主化する、という観点に立った運動をしているわけです。
 このような運動が発展していきますと、圧倒的多数の中小企業の経営は安定し、それによって労働者の雇用、労働条件も安定することにつながっていくと思います。

労働組合が担うべき3つの社会的任務

連帯ユニオンへ

 私どもは労働組合は3つのことをやるべきだ、それは社会的な任務だと考えています。

 一つは経済闘争をしっかりやるということ。関西の生コン産業の労働者のたたかいは、大企業の収奪に対して中小企業と労働者が連携して闘い、その成果を賃金に反映させています。

 二つ目は政治闘争をしっかりやらなければならないということ。なぜ政治闘争をするのか。社会の構造が変な方向に行きますと、まともな労働運動なんかできません。人権が抑圧されているところに戦争が起こると言われるように、そういう政治の反動化に対して闘うのは当然の社会的任務であると思います。

 三つ目は思想闘争です。この会館(学働館・関生)は2年前にできました。同時に「大阪労働学校」を開校しまた。
 資本主義社会においては労働者、国民を思想的、物理的に分断し、少数の資本が多数を支配しています。ものごとの本質を見る力を養うのは、教育です。大阪労働学校は経済学、哲学、労働運動の歴史など、多くの方の力を得ながら、労働者らしい思想を形成するための学校を継続しているところであります。

関生型労働運動を世界へ発信していこう

GSEF2014会場にて

 このような3つの課題に「社会的任務」として取り組んでいるのが我々の労働組合です。この種の運動が拡がっていけば、「安倍政権がすべて」のような反動政治をストップすることは可能です。

 ところが残念ながら日本の労働組合は企業別労働組合です。労働組合が労務管理を請け負っているようなとんでもない労働組合がほとんどです。こういう労働組合を大きく変えていくには、僭越ながら、わが関生型の労働運動を全国化してゆく必要があります。そして企業数の99・7%をしめる中小企業に働いている労働者の労働条件を向上させるだけではなく、中小企業と連携し統一戦線を形成して、経済のあり方、産業のあり方を変えていきたいと思います。

 3年ほど前から、われわれは、この関生型労働運動というものを、国際化してゆく必要があるということで、韓国のソウル市長によって提唱され、国際的に連帯経済を広めてゆこうというソウル宣言の運動に加盟しております。こうした場でこの関生型運動を発信し、高度に発達した資本主義の中での典型的例として国際的に広めてゆきたいと思います。

 こういう思いで、今日の日を迎えているわけであります。これからお話しいただくマルゾッキ先生からヒントをいただいて、なおいっそう、生コン労働者のみならず、中小企業で働く労働者が日本の社会構造の変革に役立つような実践に生かして行きたいということを申し上げて私からのあいさつをおわります。


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