特別企画】青年座談会 1/4―青年運動のこれからを語る
「大きな物語」のリングで未来への希望に向かって勝負する

「青年座談会」企画について 編集部注
 2011年の「3・11東日本大震災と福島原発事故」は、「千年に一度」と言ってよい人類文明史的な大転換で、わたしたちの暮らし方や働き方、地域のあり方を根本より見直すことを問いかけていた。この事に敏感に反応し、行動したのは青年たちだった。彼らは各地の街頭で、学園内で、そして国会を包囲し闘った。
 そうした青年たちが、奇しくも、東北支援の協働を通じて準備され、関生支部の50周年事業の一環として設立された「大阪労働学校・アソシエ」に集まり始め、資本主義に代わる「社会的連帯経済」を共に追求する「青年研究会」という形式で新たな活動を始めた。
 そこで今回、そんな青年たちに集まってもらい、「青年運動の未来」というテーマで語りあっていただいた。
 「旧世代」の「常識」や「思考方法」にとらわれない青年たちの価値観や感性を大事にしたく、テーマも司会も原稿整理も彼らの手に委ねた。末尾の参加者自身による「座談会解説」を合わせてお読みいただければと思う。なお、タイトル・見出し付けなどの編集は編集部の責任で行った。

新春青年座談会-青年運動のこれからを語る(目次)

・参加者紹介・解説(特に年配の方むけ) ←今ココ
「2011年」3・11から見える青年運動と地域的意義
組織と個人 勝つために組織化しなくてはならない
資本主義を乗り越える新しいビジョンをつくる

出席者のプロフィール

※出席者に事前アンケートをし、その答えをもってプロフィールの紹介とします。
1.年齢、2.運動を始めた地域、3.影響を受けた本、4.社会運動に参加するきっかけ、5.現在の目標

  • A氏――1.30代年長派、2.京都、3.「賃労働と資本」(カール・マルクス)「仏の教え-ビーイング・ピース」(ティック・ナット・ハン)、4.自治寮防衛闘争・学習サークル運動、5.仕事をきっちりこなす。
  • B氏――1.20代年長派、2.大阪、3.「権利の為の闘争」(イェーリング)「マルコムX自伝」、4.高校での補修、5.起業(出版、音楽)
  • C氏――1.20代―年長派、2.東京、3.「解放の神学」(グスタボ・グディエレス)、4.同級生の貧困、5 第四次産業革命に向けた社会主義理論の構築
  • D氏――1.20代―年少派、2.京都、3.「ジェンダー・トラブル」(ジャスティス・バトラー)、4.自治寮、5.生活向上
  • E氏――1.20代―年少派、2.大阪、3.「ユートピアだより」(ウィリアム・モリス)「地域をひらく」(花崎皋平)、4.原発事故(原発労働)、5.庭園管理技能士2級取得
  • F氏――1.20代―年少派、2.東京、3.「生活とスタイル」(津村喬)「なにをなすべきか」(ウラジミール・レーニン)、4.原発事故、5.自分自身の職場の組織化
「座談会解説」――特に年配左翼のみなさんへ

スマホやタブレット型端末で、就任したばかりのローマ法王の写真を撮るバチカンの訪問者たち 座談会を終えた後、解説を依頼されました。なるべく左翼用語を使わないように心掛けた結果、若者言葉の頻出により解説が必要になってしまったのは興味深く感じます。

 物事を簡単に説明するためには具体性を持たないといけない。この事そのものは非常に理解できます。しかし、何でも甘さや塩っ辛さを強調するとファーストフードになってしまい、折角の言葉が台無しになってしまいます。なので、抽象的にわかりやすく説明します。

 まず、第一に僕らの「機械」は自然です。連絡はLINEというアプリを使用しますし、会議のレジュメはデータを送って、スマホやタブレットで読む事もよくあります。イベントの告知は Facebook や Twitter を用いるため、大体のイベント参加者を把握できるし、不特定多数に広告できてしまう「便利な社会」に物心つく頃から生きています。社会への機械進出を「真心を失う」と嫌悪するほどに僕らは前時代を知らないので、「そういうものなんだな」と納得します。

観光スポットとなったベルリンの壁 第二に、僕らは「共産主義の現実」を見たことがありません。ランドセルを背負って通学している頃には、すでにベルリンの壁は記念品になっていました。それは資本主義の「勝利」を知らないという事です。結果として、勝敗のない平行線的な世界を生きてきたわけですが、そこで勝負をしたいとしているのが僕らの運動家像です。その勝負への発想が右手にあったスマホの世界にもあったわけです。

 僕らは隣に住む人を良く知りません。そして、牛丼チェーンやイタリアンチェーンがないと困ります。資本主義の発展は労働への疎外感や人々の団結する意識を分断していく事への理解はありますが、そこそこに牛丼は美味しいです。

 つい最近、シェアハウスで友人と酒を飲んでいると、今度はスマホの世界が「世界を変える」と言い出し驚きました。これを僕らには大学や労働への意識を揚棄させるための当事者性を引き出す「大きな物語」なんじゃないかと思えるわけです。
 「私は私(自身の大学や労働にアイデンティティを持っている私)じゃないけど、私(貴方の話に該当する大学生であり労働者)だ」とよそ見をしていた人が、ようやく立ち上がるのではないかと思えてくる。それが大きな物語です。

 勝負の終わった世界にジャスティス・リーグは意味を持つ。ジャスティス・リーグとは、正義のヒーロー集団であり、やはり、「強さ」がキーワードになります。今時の「勝利」には、「正義」への不信感も内在化されていますから、心の「強さ」が必要だと青年運動家は思っているのではないかと私は考えています。

 確信と妄信の中で勝負する。そこに「大きな物語」という「リング」は開かれたのです。ここから座談会を読み直していただければ、違う言葉になっているかもしれません。ありがとうございました。(C) [ →座談会本編へ続く ]

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