ことの発端は豊中市で市民派議員として活躍する木村真市議(上写真)が、昨2017年2月8日。ある国有地物件払い下げでなぜか売却額を非公開にしている財務局を相手に、その売買契約書開示を求め大阪地裁に提訴したことだ。小学校予定現場に貼られていた生徒募集ポスターには、教育勅語とグロテスクな旭日章が…その売却先こそ憲法改正を叫ぶ「日本会議」役員たる籠池泰典氏理事長の「森友学園」だったのだ。
これが後世<平成大疑獄>と呼ばれるであろう、総理大臣による国有財産私物化そのものを疑わせる権力犯罪。その数々を露見させるまさに歴史的始まりだった。園児に教育勅語と軍歌を強いて悪名高い塚本幼稚園を経営する「森友」とは?…その裏の、総理夫人を筆頭とするおぞましい軍国右翼の連中の行状が暴かれた1年だった。その木村市議に聞いた【文責・編集部】
■この一年をふりかえって
――この1年の、森友疑獄を世に問うた当事者として感想を?
木村 ここまでの広がり・深化はまさに予想を超えた。身近な地域にカルト右翼の巣窟が出来てはとの懸念から正体を明かさねばとの思いで担当官庁に内容報告を求めたら…、あの全面黒塗り怪文書。疑わしさこの上ない状況で一気の広がりが。
――木村さんの気付きと即座の行動なくして、右翼教育の拠点誕生は阻めなかった。
木村 悪辣な右翼の芽をひとまず摘んだ点の成果はあった。
でも事件の全貌として、国交・財務の省ぐるみ、首相夫人付き役人の口出しまであったという歴々とした証拠、国有財産逸失との既成事実まであって。なのに当事者は誰一人として責任をとらない…。捜査への動きすらない。
■然るべき人物に、然るべき責任を
――今も新しい証拠は続々と出ていますね。
木村 新しく発見された音声データも何も目新しいモノではなくて、篭池氏が証言していた事の裏付けであり、官僚の嘘が歴然となった。去年の3・4月に噂されていたのを、安部首相に取りつく省役人たちが必死に隠ぺいしていた結果です。
――事実の裏側が露見したと言うだけの。
木村 その基本的構図みたいなモノは、当初から出揃っていて徹底的におかしかったのにいまだに、誰一人も責任を取らずに終わらないまま。
一方でここまで大きな問題になるとは思ってなかった事もあるが、これ程大きな問題になりながら未だに決着がない。
何としても、僕らが常々言っているのは、<然るべき人物に、然るべき形で責任を取らせよ>と。それなくしてこの問題は終わらない。
――事件をウヤムヤにしたいと念じている本人たちに責任をと。
木村 少なくとも安倍昭江さんの国会証人喚問。それと今の財務省への強制捜査。
これ無しにして幕引きはあり得ないと思っている。そういう意味では確かに大騒ぎになったのだが、全然肝心の仕事には手が付けられていない状況で、これではいつまでも終わらない筈と言う印象が。
■佐川辞めろ全国行動の声に期待
――世論の飽きとか、もういいだろうとかの声で搔き消したい連中のやり方。
木村 いつまで森友のことをやってるのかと言う意識が一部には出てきた。これをひたすら不誠実にまともに答えない答弁でやり過ごそうと逃げまくって、もういいとかとの声が出てくれば連中も諦めるだろうと。
――それへの二の矢というか、皆の心を一つにつなげる方策とかは?
木村 この2月の16日に、確定申告の初日にあたって、全国一斉に<佐川辞めろアクション>をとの動きが確かめられている。その日各地方税務窓口で各グループが有志組織、グループ問わずプラカードを持って抗議するとの動きがあると聞いている。ネットを通じて、この状況に憤慨している人が自主的に蜂起するような状況であれば心強いのだが。把握しきれない所でも何らかの動きが全国ではあるかも知れない。
ただ佐川氏は国有地叩き売りと言う事では主役ではなくて、前任者の佐古田というのがキーパーソンだったが、虚偽答弁を繰り返していた事から責任は同氏にもある。佐川氏のあまりにフザケた<破棄しました>答弁が全国の人の憤激をかったの事実は否めないので…(→次回に続く)
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