韓国民衆は空前の闘争で、日米に屈服し民衆を裏切った朴槿恵大統領を打倒した。この民衆闘争が更に前進すれば、看板(大統領)塗り替えに止まらず、支配体制の根幹(財界・官僚機構・軍部)が揺さぶられることになる。彼らは、民衆の命を犠牲にしても自己の権力を維持する、金の亡者である。闘いは今から、彼ら保守派(そして背後の日・米軍)との闘いへと、正念場に入る。
「強制徴用労働者の像」建設は韓国階級闘争の新たな狼煙
2月24日、韓国・国土部は「強制徴用労働者像」の設置を拒否した。民主労総と韓国労総は「少女像と労働者像を設置し守る事が国家と民族の主権を正しく立て直す」「日本政府の言いなりのユン外交部長官を直ちに解任せよ!」と声明を出した。
政府が徴用(強制連行)像建設を拒否した事は、民主労総など階級決起への恐怖である。韓国政権は衣装を替えて延命を策しているが、徴用労働者像設置拒否で自らの墓穴を掘った。労働者像は、現在韓国各地に建てられようとしている。
噴出する格差社会への怒り
朴政権と財閥への弾劾は、格差社会・資本が民衆を食いものにする民営化への怒りである。サムスンと現代の2社で韓国GDPの30%、上位10企業グループが76%を占めており、民衆は巨富とは無縁な生活である。韓国・日本は資本利益優先の新自由主義で、民衆はどんどん貧困に追いやられている。
韓国は、資本への抵抗勢力である労働者組織を分断し無力化する為に、非正規労働者を増大させた。規制緩和で公的部門の民営化を行い、外国人労働者数は日本を凌駕して人口比で日本の2.5倍(日本も実習生問題がある。安価な労働力導入で分断)である。これに対し、民主労総は「非正規と正規の区別がない労組として、民主労総を地域拠点で根をはり住民加盟」を行っている。障がい者、外国人労働者は重要な課題である。
日本の再侵略を許さない民族的闘いと労働者階級の闘いが結合すれば、支配体制の根幹を揺るがす事態になる。
瀬戸際戦争を挑発する米軍産と安倍政権
日本のマスコミは、安倍政権の広報機関となって北の脅威(核とミサイル)を報道している。北朝鮮を「凶暴な独裁国家」と宣伝する意図は、安倍政権下の日本と米軍産が朝鮮戦争を行うためだ。サード一基の配備でも、パトリオット部隊増強とイージス艦ミサイルが連動し進められる。これら戦争システムの拡大を見込んで軍産株は上昇し、彼らの笑いは止まらない。
米韓は現在、朝鮮戦争を想定した大軍事演習(露骨な軍事恫喝)を2ヶ月にわたって行っている。米国はステルス機配備を行った。日本は、朝鮮戦争で自衛隊が血を流す上陸訓練を大々的に行った。更に、空中給油での航空機は北朝鮮上空でのパラシュート降下を想定し、北朝鮮の地形に似た場所で訓練した。
北朝鮮攻撃のため核武装を宣言
自民党は公然と核武装を主張し始めた。「北朝鮮の核兵器は在日米軍を狙うので、日本防衛のためには北基地を叩くことが必要だ」と主張している。安倍政権が国連で核兵器禁止条約交渉開始決議に反対し、昨年までの「唯一の被爆国」の名を捨てた事は、重大な核武装宣言である。彼らは原発事故被害者を無視し、死んでも構わないと汚染地帯に帰還させて原発再稼動を行う連中だ。
1950年の朝鮮戦争では、北朝鮮に核爆弾を投下すれば放射能は韓国の相当地域にも影響すると、最後に投下を見合わせた。だが、今の核爆弾は小型化しピンポイント攻撃が可能だ。朝鮮半島での米軍の核兵器使用を前提に、日本も高性能核兵器を持とうとしている。
朝鮮戦争を阻止する闘いは韓国民衆との連帯
安倍はさらに中国包囲へ、日本の核軍事大国化の野望を持っている。安倍政権は「日本は大東亜の盟主」と、韓国に対して傲慢だ。戦前の感覚で「韓国併合は合法」「徴用は合法」と思っている。「劣等国民だから植民地にされた」と威張る、差別主義丸出しだ。
アジア民衆は、敗戦で米国の手先になり延命した日本(帝国主義)が、再侵略戦争を行う前段階で猛反撃している。とりわけ韓国の民衆は、韓・日・米の3国軍事同盟が進むことに日本の再侵略と朝鮮戦争への危機感を持ち、闘っている。北の同胞民衆と連帯して平和を実現しなければ、民族絶滅と廃墟の墓場だ。日本も核戦争では放射能の墓場になる。民衆同士の連帯は必須である。