「変革のアソシエ」第二期第四回総会と記念シンポジウム開催
資本主義の限界とオルタナティブとしての社会的連帯経済の道

4・22変革のアソシエ第2期第4回総会記念シンポジウム
変革のアソシエ(第2期)第4回総会
 4月22日、連合会館402会議室にて「変革のアソシエ」の第2期第4回総会記念シンポジウムが、法政大学教授の河村哲二さんと国士舘大学教授の平川均さんをコーディネーターに開催された。

●確信を持って我々の道を進もう

武建一さん 最初に大阪より駆けつけた連帯労組関西生コン支部委員長の武建一さんは、変革のアソシエは資本主義を理論的に追い詰め、その限界を理論的に明らかにするだけでなく、それに替わる社会を規定してゆく、その理論活動のみならず、生活に関わって活動している労働組合運動との結合も重要である、と述べた。そしてまた、労働組合に必要なのは階級性と大衆性であると述べ、経済的要求のみならず、政治闘争の重要性について語った。
 また中小企業の二面性を見据えたうえで中小企業と連携し大手企業と闘ってゆくことの重要性を提起した。またこの闘争を思想的・理論的に継続してゆくために労働学校の必要性を語り、また国際的な連帯経済との協同に向けて闘ってゆくべきことを語った。
 アメリカにトランプ政権が誕生したが、すでに資本主義経済が限界に来ているのであり、決して悲観することなく、確信を持ってわれわれの道を進んでゆこうと訴えた。

●人口減少と資本主義の限界

伊藤誠さん 次に記念講演がふたりの研究者によって行われた。はじめに変革のアソシエ共同代表で東京大学名誉教授の伊藤誠さんが「資本主義の限界とオルタナティブ」と題して語った。

 伊藤さんは、資本主義経済の発展と共に人口の自然増は当たり前のこととみなされていたが、先進国である日本において人口減少が始まったことに注目し、これは第1に、人が人と連帯していけない社会となってしまったのではないか、第2に資本主義経済の技術的発達の結果、資本主義の中枢からの自己崩壊という現象を引き起こす不安定な状態が引き起こされているのではないか、第3には、第二次世界大戦後、戦争によって富の破壊が起こり、それが格差を大幅に広げている、と指摘した。
 例えば、今では世界の36億人が持つ資産と同額を世界のたった8人が所有している。第4には、それは自然と人間との関係にも現れていると指摘した。地球温暖化や2011年の福島原発事故などは世界に衝撃を与え、国家規模の介入を必要としている。
 われわれはある時期まではソ連型社会主義に期待していた。しかしソ連が崩壊し、資本主義の一元支配の中でグローバリゼーションが発展していった、と語った。

●ネットワークで横につながる

津田直則さん 次に桃山学院大学名誉教授で大阪労働学校アソシエ「社会的連帯経済研究会」主宰の津田直則さんが「社会的連帯経済への道―資本主義の限界とオルタナティブ」と題して講演を行なった。

 津田さんは社会的連帯経済についての研究に基づいて、イタリアやモンドラゴンの協同組合に注目し、その歴史、理念、原則・制度・システムなどが資本主義経済体制のパラダイム変革の方向に向かっていると指摘する。具体的に言えば、愛、正義、公正、連帯などの価値体系を持つ思想、競争システムを連帯のシステムへと変革し、市場システムの計画化、自国中心主義から分かち合いの政策へ、と言った方向性を持っているということだ。
 そしてそれらの企業が社会的連帯経済として機能してゆくためにネットワークの形成が重要であると指摘した。市民ネットワーク、広域ネットワークの連携、さらにそれらを全国ネットワークへと拡げ、国際的に拡げてゆくことが望まれる。

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