沖縄県知事選 玉城デニーさん過去最多40万票に迫る圧勝

自公の「総力戦」打ち破った沖縄県民の歴史的勝利
安倍政権は辺野古新基地建設を断念せよ!
玉城デニーさん当選
 9月30日、辺野古新基地建設の是非が最大の争点となった沖縄県知事選で、翁長雄志知事の遺志を継ぎ「辺野古阻止」を掲げた「オール沖縄」の玉城デニー氏が39万6541票を獲得し、自・公・維新・希望推薦の前宜野湾市長の佐喜真淳氏を8万票の大差をつけ圧勝した。安倍政権は県民の審判を重く受け止め、辺野古新基地建設を即時停止し白紙撤回しなければならない。

■ 「沖縄のことは沖縄で決める」と
 辺野古阻止へ翁長さんの遺志を継ぐ圧倒的民意


玉城デニーさん当選 新基地推進の安倍政権が官邸主導で、国家権力を総動員して臨んだ異例の「オール沖縄対安倍政権」の構図で事実上の一騎打ちとなった今回の知事選挙。この闘いを制したのは、辺野古阻止へ命を懸けて急逝した翁長前知事の姿を玉城デニー氏に重ね、「政府の言いなりでなく、沖縄のことは沖縄で決める」と「ウチナーンチュの魂と意地」を示した沖縄県民である。
 台風襲来にもかかわらず知事選史上過去最多の40万票に迫る歴史的勝利をもって、沖縄県民は前回に続き、「辺野古阻止」の強い民意を改めて示した。

 辺野古の闘争現場では市民が一斉に歓喜の声をあげた。身体を張って闘いの先頭に立つ沖縄平和運動センターの山城博治議長は「皆さんのおかげだ。ありがとう。私たちの闘いを全国・世界に発信していこう」、ヘリ基地反対協の安次冨浩共同代表は「県民が翁長雄志知事の思いを自分のものとして引き継いだ結果だ」とそれぞれ語った。
玉城デニー知事
 10月4日、玉城デニー新知事は就任記者会見で「翁長前知事の遺志を引き継ぎ、今こそ県民が心一つに誇りある豊かな沖縄の実現をめざす」「普天間基地の閉鎖・返還、辺野古新基地建設阻止に向け全身全霊で取り組んでいく」と決意を述べた。
 今後、安倍政権が「辺野古移設が唯一の解決策」と県の承認撤回効力停止の法的手続きを取り、法廷闘争が想定されるが、玉城デニー氏の勝利は沖縄の「ウチナーンチュの選択」による圧倒的民意であり、安倍政権がこれをないがしろにすることは決して許されない。

■ 崩壊した自公の「勝利の方程式」
 安倍政権の「終わりの始まり」


佐喜真・菅 沖縄ゼロ 今回の知事選挙で、安倍政権・与党は菅官房長官、二階自民党幹事長、竹下総務会長、山口公明党代表をはじめ小泉進次郎議員などが次々と沖縄入りし、名護市長選を制した「勝利の方程式」(自公維の連携・「辺野古新基地」争点隠し・創価学会、企業による期日前投票へ大量動員)を駆使し「総力戦」で臨んだ。
 公明党は5~6000人もの創価学会員を全国から動員し、原田会長の陣頭指揮で期日前投票へ動員し、自民党は企業・団体へ「仕事と金」と引き換えにノルマを課して期日前投票に動員した。しかし、締め付ければ締め付けるほど自公陣営内に不満と反発が広がった。

沖縄知事選・玉城デニーさん 他方で中央権力をもって沖縄の民意を押しつぶそうとすればするほど、翁長知事を亡くした哀しみと喪失感に沈んだ県民の心に翁長さんの遺志を継ぎ「政府の言いなりでなく、沖縄のことは沖縄で決める」「戦争につながる辺野古に新基地を造らせてはいけない」との想いが強まり、ウチナーンチュの「マグマ」が噴き出て自公勢力の「勝利の方程式」を崩壊させた。
 結果、知事選では、自民党支持層の24%、公明党支持層の27%、無党派層のほとんどが玉城デニーさんに投票した。「マグマ」の底流には、米占領期以来、民主主義と自治と自己決定権、誇りある沖縄の尊厳を求め、日米両政府の植民地主義・沖縄差別と闘ってきた沖縄県民の闘いの歴史と不屈の「戦う民意(DNA)」がある。
安倍の誤算
 こうして知事選は、直前の自民党総裁選での石破氏の善戦を支えた自民党の「地方の乱」、その後の第4次改造内閣のあまりにひどい顔ぶれとともに、9条改憲―戦争国家への野望のため民主主義と地方自治をなり振り構わず破壊する安倍強権政治「ノー」の民意の拡がりを示し、総じて安倍政権の「終わりの始まり」を国内外に告げることとなった。

■ 問われる本土の闘い
 沖縄と共に新基地建設阻止、安倍政権打倒の秋へ


玉城デニーさん 9月30日の勝利の夜、玉城デニー氏は喝采と歓声の中で次のように語った。「新基地建設は絶対に認めない。日本全体でどこに持っていくか考えてください。国民がこれ以上、米軍は必要ないというのであれば、米軍の財産はアメリカに引き取っていただく。それでいいと思います。」と。
 そのアメリカから、米紙ニューヨーク・タイムス紙(電子版)は1日付けの社説で、知事選の結果を受けて、日本政府が「アメとムチを使い分けて、辺野古移設を目指してきた」と指摘し、「沖縄の民意は新しい基地を欲していないことを示している。日米は公平な解決策を探るべきだ」との主張を発信している。

 にもかかわらず、安倍政権はこうした国際世論と沖縄の民意を無視し、南北・米朝首脳会談による非核・平和協議、朝鮮戦争の終結と南北自主統一への前進による東アジア情勢の大転換によって新基地建設や米海兵隊駐留の根拠としてきた「北朝鮮の脅威」が破産していることも顧みず、「辺野古が唯一」政策を強行しようとしている。

問われているのは、本土の民衆の闘いである

防衛省前行動 今回の知事選で、激戦を繰り広げた玉城・佐喜真両氏がその公約に「日米地位協定の見直し」を掲げたことも含め、玉城デニー氏の勝利は、沖縄と日米両政府との「辺野古新基地建設」を巡る攻防が、安倍政権が新基地建設を強行するなら沖縄の米海兵隊の撤退・米軍基地の存続そのものと日米地位協定の在り様を根本から問う攻防の新しい段階に競り上がることを意味している。
 つまり、辺野古新基地建設阻止の沖縄県民の闘いは、沖縄への構造的差別と米軍基地を強制する日本国家の対米隷従のあり方、この根にある日米地位協定ー日米安保条約の根幹にふれる闘いである事の本質を、安保条約に対する政治的態度の是非にかかわらず、国内外に可視化させるものとなりつつある。

20181006横田基地抗議行動(レイバーネットより) 安倍政権は、南西諸島への自衛隊基地増強、日米軍事一体化、米軍横田基地への特殊作戦機CⅤオスプレイと特殊作戦部隊の配備をはじめ陸上配備型ミサイルシステム(イージスショア)の秋田・山口配備、日本全国へのオスプレイ配備・飛行訓練を強行しようとしている。
 これに対して、10・6横田での抗議行動に象徴されるように、「沖縄知事選の勝利に続いて、オスプレイ配備を撤回させ、日本国中で米軍基地をなくしていこう」という声と行動が拡がり、沖縄の米軍基地問題は「他人事でなく」日本全体の住民の命と暮らしにかかわる問題として拡がりはじめている。日米・日ロ・日朝交渉、消費税大増税、そして9条改憲。どれ一つとっても安倍政権の行き詰まりは見えている。

 沖縄とともに、新基地阻止、米海兵隊の撤退、日米地位協定見直しを!の声と行動を強め全国で闘おう!「終わりの始まり」の安倍政権打倒の秋へ、共に。
(10月5日記)


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