「平成の大逆事件」組合活動そのものを違法とする #関生労組 弾圧/佐藤隆

「平成の大逆事件」、労働組合活動それ自身を違法とする関西生コン弾圧に大反撃を
 連帯労組関西生コン支部の組合員20名の逮捕と昨年9月18日以来12回に及ぶ強制捜査、関係協組経営者6名の逮捕が行われている。これら一連の弾圧は、憲法と労組法で擁護された労働組合活動そのものを違法とし、とりわけ関生支部の産業政策運動を犯罪視し、また、「共謀罪」の市民団体への適用を先取りする弾圧だ。この権力の大弾圧に呼応し、差別・排外主義集団が労働組合活動への攻撃を拡散し、労組とつながる議員への誹謗中傷を繰り返している。
 天皇代替わりと大阪サミットを翌年に控えたこの大弾圧に、闘う仲間の皆さんが団結して反撃することを呼びかけます。

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1、大衆団体への空前の弾圧

またも国策弾圧!8・28 武建一委員長逮捕 本年7月18日、滋賀県警は湖東生コン協同組合の理事ら4人が逮捕、3人が8月8日に起訴された。さらに8月9日には同協組理事長、同協組登録販売店支店長、関西地区生コン支部役員の3人が逮捕されている。そして8月28日、滋賀県警は、関西地区生コン支部の武建一執行委員長および執行委員2名の計3人を不当逮捕し、大阪市内の関西地区生コン支部事務所を家宅捜索した。
 警察がマスコミにリークした情報では、「昨年3月~7月、滋賀県で建設中だった清涼飲料水メーカーの倉庫建設工事において、湖東生コン協同組合が、施工業者であるゼネコンに対し、工事に使用する生コンは同協組から購入するよう働きかけ際、営業が『うちの生コンを使用しなければ大変なことになる』と発言」したとされる。これを滋賀県警が「湖東生コン協同組合による恐喝未遂容疑」とし、連帯労組関西生コン支部がこれを「共謀」したとしている。
 さらに、9月18日、大阪府警が、関西地区生コン支部の七牟礼時夫副委員長をはじめとする16人もの役員と組合員を不当逮捕した。

 この弾圧は、昨年12月の近畿一円の生コン業者に対し、労使間の約束を守って輸送運賃引き上げを速やかに実施すること、また、大阪広域生コンクリート協同組合の組織運営の民主化を要求した輸送ゼネストの一環として、当該組合が宇部三菱セメント大阪港SS(セメント貯蔵出荷基地)でおこなった説得活動を、「強要未遂および威力業務妨害」だとするものである。
 沖縄基地撤去、原発再稼働阻止、戦争法・共謀罪阻止、憲法改悪反対を求め、安倍政権と真正面からたたかってきた労働組合、大衆団体の壊滅を目的としたファッショ的な大弾圧といわざるをえない。

2、労働組合活動自身を非合法とする弾圧

Labor rights activists demonstrate outside Walmart's lobbying office in Washington 憲法28条では労働者の団結権・交渉権・団体行動権が保障されている。その具体化として、労働組合法第1条2号では正当な労働組合活動の刑事免責が謳われ、8条ではストライキその他の争議行為の民事免責が規定されている。賃金原資の確保を求めた関生支部の昨年12月のストライキと説得行動が非暴力の合法的な労組活動であることは明白だ。またこれは産業別組合が主流の欧州ではごく普通に行われている行動でもある。
 仕事中は一人一人が孤立して使用者の圧力の下に置かれている労働者が、司法や行政の反動化の中で、団結して団体行動する以外に自らの生活のための権利を擁護する方法が他にあるだろうか!

 戦後、労働運動は闘いの中で様々な行動権や使用者概念の拡大を勝ち取ってきた。しかし、労働運動の退潮に伴い、憲法や労組法はそのままに、権力と資本はそれまで社会的に容認されてきた労組の様々行動や表現行為までも、スラップ訴訟の対象にして損害賠償を請求したり、禁止仮処分を強行したりするようになってきている。昨今ではユニオンみえの鈴鹿さくら病院での労務不提供の同盟罷業にすら禁止仮処分が下るという事態がおきている(その後、組合側の損害賠償裁判は勝利)。
 もうここで後退したら、使用者に不都合なあらゆる団体行動が弾圧にさらされることになるであろう。

3、関西生コン支部の産業政策運動への弾圧

GSEF2014会場集合写真

関西生コンの産業協同組合モデルが世界14カ国1300の団体と自治体に紹介賞賛されたGSEF世界大会

 関西の生コン業界においては、中小企業である生コン業者らが中小企業協同組合法にもとづく協同組合を組織し、この協同組合による共同受注・共同販売事業によって、力関係で優位に立つゼネコンとのあいだで対等かつ適正価格での取引を可能にし、それによって生コンの品質も確保されてきた。

 関西生コン支部は組合員の雇用と労働条件確保のために協同組合の活動を全力で支援してきた。その結果、関西圏では生コンは1リューベにして関東圏や東海圏より数千円高い適正価格を実現し、輸送運賃でも関東圏や東海圏の2倍、中小零細企業や非正規(日々雇用)労働者が大企業に比肩する労働条件を実現してきたのである。関西生コンの協同組合と労働組合が協力する運動モデルは世界でも注目を集めるに至っている。

 中小企業協同組合の正当な営業活動やこれに協力する労働組合の正当な組合活動を敵視する弾圧は、日本の90%を占める中小・零細企業の労働者が人間らしい生活を実現しようという取り組みへの敵対であり、断じて容認できない。

4、「共謀罪」の市民団体への適用の先取り

コンプライアンス 関西生コン支部への弾圧は、警察庁本庁の指揮の下、滋賀県警の組織犯罪対策課や大阪府警の組織犯罪対策本部が動いている。この「組対」は本来、暴力団などの犯罪を取り締まることを名目に設置された部署である。
 滋賀県警の武執行委員長らに対する逮捕は、協同組合法に基づく協組の「言論」を捉えて、この強要「未遂」事件に労働組合法に基づく労組が「共謀」したとする筋書で行われている。だが、関生支部の産業政策運動は全く正当なものだ。大阪府警の弾圧では、行動に参加した一般組合員を多数逮捕し、組合執行部の取り調べでは「お前も知っていただろう」などとでっち上げを目論んでいるのである。

 また、取り調べでは「もうコンプライアンス活動もできないだろう」などと警察が発言している。関西生コン支部では法令を無視した「安売り業者」が労働条件を低下させ、製品の品質を損なっている(シャブコン・過積載・路上洗浄・過労運転など)との認識から、コンプライアンス(法令順守)活動を重視してきた。今日、行政の障害者雇用率や裁量労働時間のデータの改ざん、相次ぐ一流企業での製品検査データ改ざん等の不正、大学までもが入学試験で不正を行っていたことが次々明らかになっている。労働組合が社会的な不正を監視することは絶対に必要なことだ。これを犯罪視することなど到底許されない。

 今回の弾圧は「共謀罪」成立時に懸念された「共謀罪」の労組や市民団体への適用の先取りだ。多くの市民団体の皆さんがこれに注目し、共に闘って欲しい。

5、関生支部と共闘しよう

 関西生コン支部は、中小零細企業で働く生コン関係労働者やその他の労働者が人間らしい生活を送れるように愚直に闘いを継続してきた。経営者や資産家のような巨額な資産を保有し投機を弄ぶ者たちがこの闘いを非難し弾圧することを許してはならない。この弾圧との闘いを日本の社会運動の反転攻勢の梃としよう。
 
2018年9月24日 佐藤隆(愛知連帯ユニオン)

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