変革のアソシエ第二期出発総会開催される

東京・御茶ノ水 連合会館 4月20日変革のアソシエ

 「変革のアソシエ」は第二期出発の総会を開催した。この開催を記念する講演会が4月20日、東京御茶ノ水の連合会館にて開催された。
 記念講演会は半田正樹・東北学院大学教授の司会で、中小企業組合総研代表・連帯労組関西地区生コン支部委員長の武建一さんが開会あいさつ。続いて来賓として、上原公子・元国立市長と下山保・パルシステム生協連合会元理事長よりのあいさつをいただいたあと、記念講演を本山美彦・京都大学名誉教授、伊波洋一・元沖縄宜野湾市長のお二方からいただいた。(伊波さんの講演の要約を4面に掲載しています


「変革のアソシエ」(第二期)への結集の呼びかけ(抜粋)

変革のアソシエ第二期出発総会記念講演会 わたしたちは二〇〇九年、第一期「変革のアソシエ」発足にあたり、その呼びかけ文の冒頭に「社会の至る所でほころびが目立つようになりました」と記しました。それは現代経済社会が、ほんの一握りの金満家と圧倒的多数の貧しきものの同居を特徴としていることを念頭においたものでした。人間社会の寸断が、急激に進行しつつあることを「ほころび」と表現したのでした。社会から倫理観・責任感が遠のき、安心感・生きがい感が消える傾向が強まったことを念頭においたものでした。おりから「一〇〇年に一度の世界金融恐慌」が喧伝され、「金融危機」、「財政危機」の脅迫によってウォール街に天文学的な救済資金が投入される一方で、多くの国の人々が増税や社会保障削減、大リストラを強要された、まさにそのタイミングでした。(略)

資本家のモラルは崩壊した

資本家のモラルは崩壊した

 いまわたしたちに喫緊に求められていることは、社会変革の新しい基軸を早急に構築することです。資本主義を相対化し、そのオルタナティブを構想しうる批判的・創造的知性の舫(もやい)を創出すること、違いを結ぶ批判と創造のネットワークを広げていくことが求められています。

 この五年、世界的広がりにおいては、二〇〇九年以降の「反資本主義」を掲げたフランスNPAの運動、一〇年末に始まったいわゆる「アラブの春」、一一年の米・ウォール街占拠運動、一三年のギリシャからEU諸国に広がっている反緊縮財政のストやデモの波、韓国の協同組合運動の発展と「ソウル宣言」などが、それを支える思想や理論とあわせ、注目を集めています。日本で展開されてきた脱原発、震災復興、沖縄の基地反対、地域社会や労働現場に基盤を置く自立のためのさまざまな取り組み (例えば関西生コンの労働運動や山形・置賜における食と農の地域循環システム創出運動) などの民衆的連帯運動もまた、このような世界的な批判的抵抗に通底するダイナミズムを共有しています。

 二〇〇九年グローバル金融危機を背景として、太平洋の両端で「改革」が表立ち、米・日において民主党政権が誕生しました。しかし両民主党とも、「あるべき社会」「改革」とはまるで無縁であるかのような政権運営を行い、日本の民主党政権はわずか三年三ヵ月で終焉し、米民主党も「大きな政府」をめぐって「政府閉鎖」「債務上限バトル」の苦しい状況に追い込まれています。ヨーロッパのソブリン危機の連鎖とあわせ、それは従来の社会民主主義で危機の克服が実現できるのかという重大な問題を私たちの前に提示しています。(略)

Old Economy 日本においては、「政権交代」が、その歴史的意味を限りなく喪失するなかで、二〇一二年一二月極右の色彩の濃い安倍政権の誕生をゆるしてしまいました。安倍政権は、市場原理主義を大枠とする経済運営を徹底する一方、きわめて強権的な国家主義にいろどられた政治にその特質があります。わたしたちは、いわゆるアベノミクスとして展開されている政策の本質を見抜かなければなりません。アベノミクスとして喧伝された経済政策は、憲法改悪をはじめとする極右的な政治をこっそりと推進するための欺瞞に他なりませんでした。それは、急激な金融緩和と大規模な財政出動によってバブル的な円安・株高を現出させ、グローバル企業と富裕層に実際に利益をもたらす一方、景気が改善するという錯覚を人々に与えました。

 わたしたちは「成長戦略」が、いわゆる高度経済成長のイメージを借用しながら、実は著しく軍需戦略に傾斜していることに気づかなければなりません。「積極的平和主義」なるレトリックの裏で、集団的自衛権の容認、日本版NSC創設、特定秘密保護法、共謀罪制定など憲法改悪に収斂する形での策動が行われているのです。これらは、原発再稼動、原発輸出、武器輸出三原則緩和などの「軍需的成長戦略」と一体になった動きとして透視しなければなりません。もちろんグローバル企業の海外戦略と対をなすTPPの推進がこれに合流し、さらに雇用における解雇規制の緩和が加わります。安倍政権は、軍事同盟と新自由主義的経済政策を二本柱とする一方で、「極右排外主義」を煽動しています。「自主憲法制定」の志向と日米安保体制下の「対米従属」を深め、これらの矛盾を含んだ政策を国内で正当化するために仮想敵を必要としているのです。東アジアにおいて擬似的冷戦構造を作りあげるための手段として、「極右排外主義」を煽動するのです。

New Economy そしてこうした戦略の裏で進行しつつあるのが、「沖縄」と「東北」の切り捨てなのです。「沖縄」における「辺野古新基地建設」強行策動がきわめて露骨です。「東北」では、震災復興が停滞し、福島原発災害解消の目処も立たず、あまつさえ震災復興のためと称する「東京オリンピック」が、本来「東北」に不可欠のヒト、カネ、モノのすべてを吸引しようとしています。

 このような日本の現状のもとで、人びとの閉塞感は深まり、その間隙をぬって周囲のアジア諸国との交流、連帯を困難とする反動的な国家主義が拡大しています。しかし、こうした大きな歴史的な危機の深化は、それを深部から克服してゆく好機とすることもできるのではないでしょうか。内外の世界の不合理なことを直すために、多くの市民が、自らが生活している個々の職場を超えて連帯しつつ、広範な運動を展開してきました。新しい歴史を創る広範なアソシエの姿が、市民運動の中から生まれてきたことは素晴らしいことです。資本主義そのものを克服し、広く世界の批判的知性との交流・協力のもとで、さまざまな分野での課題や知的作業を重ねあい、世界的危機を突破する希望を育む歴史的必然があることは間違いありません。

 その願いをこめて、第一期の五年に続く、これからの五年の第二期「変革のアソシエ」への協力、結集をよびかけます。資本主義経済社会のオルタナティブを追究する諸理念・諸理論・諸運動が集い、交流し、創造する「アソシエ」への積極的なご参加、ご支援を心からお願いいたします。

二〇一四年四月二〇日   「変革のアソシエ」 第二期(出発)総会

運営委員
安次富浩(沖縄)、足立真理子、◎伊藤 誠、池田良太郎、◎大内秀明、大野和興、◎河村哲二(在アメリカ)、川元祥一、菅 孝行、木畑壽信、清家竜介、◎武 建一、田中史郎、◎田淵太一、中村勝己、武 洋一、西角純志、平川均、半田正樹、増田幸伸、松田健二、三上 治、◎本山美彦、山家 歩、山浦康明、柳 充、生田あい(◎印は共同代表)

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