国会報国】辺野古新基地建設の環境保全措置と海草藻場/伊波洋一

国による辺野古新基地建設工事は、公有水面埋立法違反
沖縄県の公有水面埋立承認撤回を支持し、国の埋立工事断念を勝ち取ろう
(本記事は紙面の関係で電子版のみの掲載となっています)

はじめに
伊波洋一さん

伊波洋一さん

 沖縄県は7 月31 日、辺野古新基地建設にかかる公有水面埋立承認の撤回に向けて、事業者である沖縄防衛局に、聴聞の開催を通知し、8月9 日聴聞を開催しました。

 沖縄県は聴聞通知書の「不利益処分の原因となる事実」において、
 「飛行場周辺の安全確保を目的とする米国統一基準に国立沖縄高専や久辺小・中学校を含む高さ制限に違反すること、辺野古新基地とは別に固定翼機が利用できる滑走路が確保されなければ普天間基地が返還されない可能性があること、などの公有水面埋立法第4条第1項第1号「国土利用上適正且合理的ナルコト」違反。
 同時に、埋立予定区域の軟弱地盤や活断層の存在は、法第4条第1項第2号「災害防止ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」の違反でもあること。
 サンゴ類、ジュゴン、海藻草類に関する環境保全措置の未実施、特にサンゴ類を事業実施前に移植・移築せずに工事に着手したことは、法第4条第1項第2号「環境保全ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」に違反する」などを指摘しています。

 私、伊波洋一は、辺野古新基地は、新たな米軍基地であり、戦争を招き入れ、県民の生命財産を犠牲にするばかりか、人類共通の財産である貴重な自然環境を破壊するものとして、強く反対してきました。今年(2018 年)の5 月24日、29 日、6 月5 日、12 日、19 日、28 日の6回にわたり、通常国会の参議院外交防衛委員会において、辺野古新基地建設問題を取り上げました。

 質疑では、新基地建設工事に関して、防衛省・沖縄防衛局が、公有水面埋立承認に際して求められた環境保全措置、中でも海草藻場の移植を実施しないことを明らかにしました。その詳細は、私のホームページの「国政報告」欄において、議事録、資料、録画ビデオ等で見ることができます。公有水面埋立法や環境影響評価法などの法令を無視して新基地建設を強行する日本政府を強く批判するとともに、撤回に向けて準備を進める沖縄県に対して、海草藻場に関連する情報提供も行なってきました。

 生物学者で「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境監視等委員会」を辞任された、前の副委員長の東清二先生は、8 月11 日に7 万人が参加して開催された「辺野古新基地建設断念を求める8・11 県民大会」に寄せたメッセージの中で、「辺野古、大浦湾の環境は優れています。特に藻場はすごい。あんなに広い藻場は他にないです。それを埋め立てるのは自然破壊そのものです。」とおっしゃっています。
【琉球新報「辺野古埋め立ては自然破壊」 東清二琉球大名誉教授メッセージ全文 8・11県民大会(2018 年8 月11 日 22:14)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-780624.html

 国は、環境影響評価書において、「海草藻場の生育範囲の拡大域」(=移植先)を指定し、海草類の移植を実施するとしながら、実際の工事においては何もしていないのです。
 辺野古新基地建設反対を公約に掲げ、一身を捧げて取り組んでこられた翁長雄志知事は、8月8 日に逝去されました。「基地は沖縄経済発展の最大の阻害要因」という信念のもと、辺野古新基地建設反対に命を削るなかでの早すぎる永眠でした。翁長知事の遺志を引き継ぎ、県の公有水面埋立承認の撤回を支持し、今後想定される県と国との法廷闘争を含め、結束して県を支えるとともに、県民の民意を全国に広げて辺野古新基地建設断念を勝ち取りましょう。

辺野古建設計画とは

辺野古埋立地域 現在、日本の国土面積約0.6%の沖縄県に、特に沖縄本島の中北部に集中して、日本全体の約70.6%もの米軍基地が配備されています。沖縄戦直後から米軍統治下にかけて、住民が収容所に隔離されている間に無断で集落や畑がつぶされ、あるいは、戦後に住民が生活していた土地までも米軍による「銃剣とブルドーザー」で、強制的に住宅地や田畑が接収されるなどして、米軍基地が建設されました。このような行為は占領下の住民の財産没収を禁じた戦時国際法に反するものです。

 沖縄県民は、このような米軍占領下の基地のための土地強制没収や、地域住民の人権を侵害する米軍の統治に対し、日本国憲法下への復帰運動に取り組み、自治の回復と行政主席公選制の実現(1968 年)、国政参加選挙(1970 年)を経て、1972 年5 月15 日の沖縄施政権返還を実現させました。しかし、沖縄県民が求めた米軍基地の即時無条件返還は実現されず、「核抜き本土並み返還」とされ、多くの基地が残り、その水準は全国の75%を超えるものでした。

 1972 年の日本への施政権返還以降も、日米両政府は、ほとんど沖縄の基地負担軽減に取り組んできませんでした。しかし、1995 年9 月、米海兵隊員らによる当時11 歳の少女暴行事件をきっかけに、基地反対運動が全県的に巻き起こると、日米政府は、はじめて負担軽減措置に向けて協議を開始しました。こうして1996 年、11 施設の返還を内容とする「SACO 合意」が成立しました。その一つが、沖縄戦に続く占領と同時に米軍が宜野湾村(当時)の中央部の集落を強制接収して建設した、普天間基地の全面返還計画でした。

 SACO 合意では当初、北部沿岸に「撤去可能な海上ヘリポート基地」を建設することが日米両政府で合意されました(「辺野古海上案」)。
 しかし、辺野古海上案は県民の強い抗議により頓挫し、その後、2006 年5 月の日米2+2 協議で県民の頭越しに承認された『再編実施のための日米のロードマップ』では、名護市辺野古の米軍キャンプ・シュワブ沿岸部を埋め立てて、代替施設を建設することとなりました。しかし、県民の土地を不法に取り上げておいて、立ち退くにあたり「代替施設」の用意を求めるというのは、到底受け入れられるものではありません。さらに計画では、普天間基地にはなかった弾薬庫機能や艦船の接岸する軍港機能などが新たに拡充整備されることが判明し、「代替施設」ではなく実質的な「新基地」だと批判が高まりました。こうしたことも県民が反対する理由となっています。

翁長雄志さん歴史的圧勝 2010 年に「日米合意の見直しと基地の県外移設」を掲げて再選した仲井眞・前知事は、結局、13 年12 月に、増額された沖縄振興予算と引き替えに、国の公有水面埋立申請を県民の反対を押し切って承認しました。ただし、承認の条件として、5 項目の「留意事項」が付されました。
 2014 年11 月の県知事選挙では、新たに「ウチナーンチュの誇りと尊厳」を訴え、辺野古新基地建設反対を公約して当選した翁長雄志知事は、仲井眞前知事の埋立承認を検証し、承認には公有水面埋立法に違反する瑕疵があるとの第三者委員会の答申を得て、承認を取り消しました。しかし、国が提起した「承認取消の違法確認訴訟」の不当な高裁・最高裁判決により、敗訴しました。その間、2015 年3 月に沖縄防衛局はボーリング調査を開始し、2017 年4 月に護岸工事に着手し、土砂投入を今年の8 月17 日と通告し現在に至っています。

海草藻場の移植について

 「辺野古地先」は、嘉陽(かよう)を含む周辺海域で、最大の海草藻場です。年間生育量は、乾燥重量に換算して、嘉陽が約9.5 トン、辺野古地先は75.9トンにのぼり、辺野古地先の海草が周辺海域全体の8 割という高い被度を有しています。

 当初は大浦湾側(北側の埋立予定区域)から埋立工事を実施する予定でしたが、ボーリング調査結果から、大浦湾側の海底に軟弱地盤があることが判明しました。工事の設計変更は避けられませんが、未だに実施設計のめどが立っていません。そこで防衛局は辺野古地先側から護岸建設を進め、6 月末に県赤土流出等防止条例に基づく県の形式審査を経て、8 月17 日に土砂を投入することを通知していました。

 公有水面埋立法では、法第4条第1項第2号において、埋立事業が「環境保全ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」を求めており、埋立承認申請に当たり事業者は環境アセスメントを実施し、「環境保全に関し講じる措置を記載した図書(環境保全図書)」を添付しなければなりません。防衛省の環境保全図書では、「代替施設の位置については、海草類の生育する藻場の消失を少なくできるように計画しています。」(環境保全図書6-15-226、6-19-1-156、7-8、9-14、9-19、9-26 など)としながら、実際には最大限に海草藻場を埋め立てる計画になっています。

 沖縄防衛局が当初提出していた環境影響評価書には、海草藻場の移植について言及がありませんでした。評価書に対する知事意見(H24年3 月27 日)などにおいて、海草藻場の重要性が強く指摘されため、沖縄防衛局は後述する「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価に関する有識者研究会」を設置し、報告を求めました。H24 年12 月11 日に提出された有識者研究会の最終報告は、環境保全措置として海草藻場の移植を求めるものでした。これを受けて補正後の環境影響評価書には、海草藻場の移植が書き加えられています。
 公有水面埋立承認申請時に、環境保全図書で約束した環境保全措置を実施しないことは、埋立承認に添付された留意事項第2 項に違反し、法第4条第1項第2号に違反する行為であり、許されません。

防衛省の主張

防衛省の二枚舌と詭弁 これに対し、防衛省は、このまま海草藻場の移植なしで埋め立てることも保全図書に反しないと主張しています。防衛省は、その理由として、以下のように答弁しています。

 海草藻場移植が求められるのは「施設等の存在・供用」段階であり、現在は、「工事の実施」段階だから、移植は求められていない。「工事の実施」段階において移植が検討される「『周辺海域』については、『代替施設の周辺海域』のことを指すもとして整理しており、埋立区域については、代替施設が建設される区域であることから、この場合の『周辺海域』には該当しないものと考えている。」と説明しています。
 よって、移植を行うことなく、土砂を投入して海草藻場の埋め立てを行っても、環境保全図書には違反しない。なお、「施設等の存在」とは「飛行場及びその施設の存在」のことだから、海草藻場の移植は新基地が完成した後に検討する、などです。

 沖縄県は平成29 年2 月22 日付けで提出した事前協議文書で、「貴局(伊波注:沖縄防衛局)は、藻場の造成は、『当該工事の実施に先立ち講じる措置ではない』とするが、埋立によって海草藻場が消失するのであるから、工事の実施前に行わなければ、移植する海藻類が無くなり、移植することができないことになる。」と指摘しました。これに対し、防衛局は、上記の解釈を前提に、平成29 年4 月14 日付け文書で、「貴県知事より承認を受けた願書に添付されている環境保全図書の記載内容の変更を求めていることに等しい」と県を愚弄するような強い文言で回答しています。

 つまり、防衛省は、
(1)新基地建設の現段階は「工事の実施」段階であって、「施設等の存在・供用」段階に記載されている海草藻場の移植を実施する必要はない、
(2)海草藻場の移植は埋立工事後、飛行場の完成後に実施すれば良い、
(3)「工事の実施」において生育分布状況に悪影響を与えてはならない「周辺海域の海草藻場」の「周辺海域とは代替施設周辺海域のこと」だから、埋立予定区域内の海草藻場に土砂を投入(「埋め殺し」)しても構わない、と主張しているのです。

防衛省の主張のおかしさ

(1)「影響要因の区分」は環境保全措置のタイミングの問題ではない。

防衛省が引用する「工事の実施」と「施設の存在・供用」は、環境影響評価法に関する環境庁告示第87 号(平成9 年12 月12 日)の「影響要因の区分」についての用語です。
https://www.env.go.jp/policy/assess/2-2law/pdf/shikou_13.pdf

ジュゴン sabe the dugon 環境影響評価(環境アセスメント)とは、「環境に大きな影響を及ぼすおそれがある事業について、その事業の実施に当たり、あらかじめその事業の環境への影響を調査、予測、評価し、その結果に基づき、その事業について適正な環境配慮を行うこと」とされています。
 この環境影響を与える側としての行為が「影響要因」です。「環境影響評価法に基づく基本的事項においては、影響要因は、事業としての土地又は工作物が完成するまでの工事と、工事完了後の土地又は工作物の存在・供用の2つに区分され、それぞれにおいて環境に影響を及ぼし得る要因を細区分として抽出できるようになっている。」と説明されています。
【環境省環境影響評価支援ネットワーク「環境アセスメント用語集」
http://www.env.go.jp/policy/assess/6term/k.html

 防衛省は、海草藻場移植が求められるのは「施設等の存在・供用」段階であり、現在は、「工事の実施」段階だから、移植は求められていない、と言います。しかし、「影響要因の区分」は、単に影響を受ける「環境要素」を抽出するためのフレームワークであって、保全措置を実施するタイミングを規定したものではありません。保全措置は、環境アセスの趣旨から当然、最善のタイミングで実施することが求められています。

 私の質問に対して環境省(米谷仁 大臣官房政策立案総括審議官(当時))は、「環境アセスメント制度は、事業者自らが事業が及ぼすおそれのある環境影響を調査、予測、評価し、事業者にとって実行可能な範囲で環境への影響をできる限り回避し低減することを目的とした制度でございます。」「環境保全措置の実施時期につきましては、環境影響の回避、低減を図る観点から、影響を及ぼすおそれのある環境要素や環境保全措置の効果を踏まえ、環境要因の区分を問わず事業者が適切に判断することとされているところでございます。」と答弁しています(2018 年6 月28 日参議院外交防衛委員会)。

 事業者には、「工事の実施」や「施設の存在」などの「影響要因の区分」を保全措置実施の先送りの言い訳に使うことなく、保全措置を実施することが求められているのです。
【2018 年6月28 日参議院外交防衛員会
 http://ihayoichi.jp/report/record/714/
 http://www.env.go.jp/policy/assess/2-2law/3.html
 のうち別表
 http://www.env.go.jp/policy/assess/2-2law/3/kihon.pdf

(2)有識者研究会は、評価書の補正で、土砂投入前の移植を書き加えている。

 「海草藻場の移植」は、平成24 年3 月以前の「補正前の環境影響評価書」には記述されていませんでした。しかし、平成24 年2 月、3月の知事意見などを踏まえた防衛局の「普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価に関する有識者研究会」が、平成24 年12 月11 日に最終報告、「評価書の補正に係る提言」を公表します。これを受けて、平成24 年12 月18 日に送付された「補正後の環境影響評価書」には、環境保全措置の「工事の実施」「施設等の存在」の項目それぞれに、「海草藻場の移植」が加えられました。

 この中で、「移植手法等の検討に当たっては、中城湾港(泡瀬地区)や水産庁で実施された実績を参考とし、移植先における海草類の生育状況等のモニタリングを実施し、その結果を反映させる。」(24 ページ)として、埋め立て土砂投入「前」に移植を実施した中城湾港(泡瀬地区)などを参考として、海草藻場の移植を実施するよう求めています。

 環境保全図書に規定された移植は、保全図書がベースとする環境影響評価書が有識者研究会最終報告で補正された経緯から、土砂投入「前」に、埋め立て区域に存在する海草藻場を移植することを意味していることは明らかです。防衛省は独自の恣意的な解釈を強行するのをやめ、環境保全措置を実施すべきです。
【普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価に関する有識者研究会 報告書等
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/
futenma/houkoku/houkoku.html

最終報告
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/
futenma/houkoku/saisyuu/saisyuu01.pdf

補正意見
http://www.mod.go.jp/j/approach/agenda/meeting/
futenma/houkoku/sankou/sankou09.pdf


(3)「周辺海域」も色々な使用・用語法がある。

防衛省は「工事の実施」段階において移植が検討される「『周辺海域』については、『代替施設の周辺海域』のことを指すものとして整理しており、埋立区域については、代替施設が建設される区域であることから、この場合の『周辺海域』には該当しないものと考えている。」と定義を説明しています。
 しかし、環境保全図書では、埋立区域も含む「事業実施区域周辺海域」「施工区域周辺海域」、「代替施設周辺海域」や単なる「周辺海域」などが使われています。修飾語のない「周辺海域」を「代替施設の周辺海域」と定義するのは、防衛省の独自の解釈であり、無理があります。(環境保全図書6-7-237、6-9-56、6-9-62 など。)

まとめ

治安弾圧を阻止しよう 防衛省・沖縄防衛局が、(補正後の)環境影響評価書、環境保全図書で義務づけられた海草藻場の移植を実施せずに埋立工事、土砂投入(「埋め殺し」)を行うことは、環境アセスメント制度を踏みにじり、公有水面埋立法第4条第1項第2号「環境保全ニ付十分配慮セラレタルモノナルコト」に違反するものです。

 仮に防衛局の論理に基づけば、「施設等の存在・供用」、すなわち飛行場の完成後に海草藻場の移植が検討されることになります。つまり、海草藻場は、工事が着手された2017 年から、軟弱地盤の問題などを除き当初の計画通り工事が順調に進捗したとして、米太平洋軍が飛行場の完成を見込む2025 年以降において、初めて移植が行われることになります。海洋生物の「生命のゆりかご」であり、特にジュゴンの餌場である海草藻場は、工事着手から8 年以上もの間、確実に辺野古・大浦湾周辺海域から消失することになります。

 防衛省・沖縄防衛局は、環境アセスメント制度の基本的な趣旨や概念を、開発事業者である自己に都合のよいように歪曲しています。また自らが設置した有識者研究会の意見を無視するとともに、工事の強行に合わせるように言葉の定義や解釈を変更して、辺野古の埋め立てを正当化しています。このような暴挙は、決して許してはなりません。

 報道などによれば、県の公有水面埋立承認撤回に対して、沖縄防衛局は国交大臣に行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止の申し立てを行い、同大臣から速やかに執行停止の決定を得て、一週間程度での工事再開を目指している、といわれています。
 沖縄県は、「代替施設の存在に係る海草藻場は、工事中に消失していくものであるから、現時点で、埋立区域内の海藻草類の移植を含めた環境保全措置を行う必要がある」と、撤回理由の一つとして海草藻場の移植が実施されない(埋め殺しされる)ことを挙げています。

 私は、このことは非常に重要であると考えています。なぜなら、想定される国による執行停止申立において、仮に、裁判所が執行停止を認め、土砂投入を容認するようなことがあれば、すなわち回復困難な環境破壊である海草藻場の「埋め殺し」に裁判所が直接にゴーサインを出すことを意味するからです。司法に幻想を抱くことは禁物ですが、海草藻場の問題は、裁判所が辺野古新基地による環境破壊をどのように判断するかという、極めて核心的な論点であると言えます。

 翁長知事は生前、ご親族に「ウチナーンチュが心を一つに闘う時は、お前が想像するよりもはるかに大きな力になる」と語っていました。今こそ、翁長雄志知事の遺志を引き継ぎ、心を一つにして、ウチナーンチュの誇りと尊厳を示そうではありませんか。

ーーー
【補足1】
翁長知事の埋め立て撤回表明を報じる琉球新報号外 沖縄県は、翁長知事の急逝した翌日の8 月9 日に、予定通り承認撤回にかかる沖縄防衛局からの聴聞を、県総務部行政管理課長が中立の立場で実施しました。そして、沖縄防衛局の主張について理由があるかどうかを報告書にとりまとめました。報告書では、県が撤回の原因とした18 項目の事実について、3 項目で国の反論を採用しましたが、環境保全対策など残り15 項目で防衛局の主張に理由がないと結論づけました。これを受け、翁長知事の逝去に伴い職務代理を務める富川盛武副知事、撤回に関する権限を委任された謝花喜一郎副知事は、弁護士との法的な調整を経て、2018 年8月31 日、沖縄県として聴聞の報告書に基づき撤回する旨の「公有水面埋立承認取消通知書」を沖縄防衛局に対し発出しました。

【補足2】
玉城デニー知事就任記者会見 翁長知事の急逝に伴い、沖縄県知事選挙は9 月30 日に繰り上げ実施され、「辺野古新基地建設反対」「翁長雄前知事の遺志を継ぐ」ことを訴えた玉城デニー前衆議院議員が、自民党・公明党・維新の会・希望の党が推薦する辺野古容認の対立候補に、8 万票の大差を付けて当選しました。10月12 日に早速、総理官邸を訪れた玉城デニー新知事は安倍総理と菅官房長官に、「辺野古新基地建設に反対する。早急に話し合いの場を設けてほしい」と訴えましたが、安倍首相は「(移設を)進めてきた政府の立場は変わらない」という回答を繰り返すだけでした。

<社説>新知事に玉城氏 新基地反対の民意示した(2018 年10 月1 日 06:01)
https://ryukyushimpo.jp/editorial/entry-811370.html

「新基地反対が民意」 玉城知事、安倍首相と初会談 政府、移設推進変えず(2018 年10 月13日 10:08)
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-818028.html

ーーー
【参考】
沖縄県「知事公室辺野古新基地建設問題対策課」HP
http://www.pref.okinawa.lg.jp/site/chijiko/henoko/

動画「辺野古の藻場を見殺しにするな!伊波洋一参議院議員に聞く」
2018 年7月12 日インタビュー

*短縮編(7分)

*解説編(15 分)


※本記事は電子版のみの掲載となります。

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12月 15 @ 14:00 – 19:00
第30回多田謡子反権力人権賞受賞発表会 @ 連合会館 | 千代田区 | 東京都 | 日本
32年前に夭折した多田謡子弁護士の友人たちが運営している多田謡子反権力人権基金が、第30回反権力人権賞受賞発表会を開きます。 多田基金の詳細は http://tadayoko.net  受賞者の皆さんをお迎えして、12月15日(土)、東京・連合会館において受賞発表会を開催します。受賞者の方々には講演をお願いしています。参加費は無料です。本年も多数の皆さんのご参加をお待ちしております。 14時 発表会 17時 パーティ どちらも参加費無料。 【受賞発表会】 ■ 日時:2018年12月15日(土)14時~17時 ■ 会場:連合会館4階402号室にて  例年と同会場ですがフロアは4階です。ご注意ください。  東京都千代田区神田駿河台3-2-11 (TEL03-3253-1771)  JR御茶ノ水駅より徒歩7分  http://tadayoko.net/etc/rengokaikan.html 【受賞者を囲むパーティー】  受賞発表会の終了後、引き続き同じ会場で、17時から19時をめどに、受賞者を囲んで懇親会を開催します。参加費は無料です。パーティーのみのご参加も歓迎いたします。 【受賞された方々】 2018年10月下旬の運営委員会において、10団体・個人の推薦候補者の中から下記の方々が第30回受賞者に決定されました。受賞者の方々には12月15日(土)の受賞発表会で講演していただき、多田謡子の著作「私の敵が見えてきた」ならびに賞金20万円が贈呈されます。 ● パレスチナBDS民族評議会 (パレスチナにおける超党派市民運動) ● 優生手術に対する謝罪を求める会 (優生保護法による強制不妊手術に対する謝罪要求) ● 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 (弾圧に抗し生コン労働者の生活と権利を守る闘い) 第30回多田謡子反権力人権賞受賞者選考理由 ● パレスチナBDS民族評議会 (パレスチナにおける超党派市民運動)  パレスチナBDS民族評議会は、2005年、170以上のパレスチナの市民団体が連名で、イスラエルに対するボイコット(Boycott)、資本引き揚げ(Divestment)、制裁(Sanctions)を求める呼びかけを行ったことを契機に生まれました。(1)占領の終結、(2)イスラエルのパレスチナ市民に対する差別政策の中止、(3)パレスチナ難民の帰還権の承認、という国際法上の義務をイスラエルが履行するまで、圧力をかけ続けることを世界に呼びかけています。 現在、パレスチナのNGOや労働組合、農業組合、女性団体など、29の団体がメンバーとなり、イスラエル入植地からの工場撤退、占領加担企業に対する投資や契約の中止など、数々の成果を上げています。また、BDSの呼びかけに応えて、多くのアーティストや研究者が、イスラエルでの公演やイベント出席をキャンセルしています。  日本でも、2017年と18年に銀座三越と大丸東京店で入植地産ワインのイベント販売を中止させるなど、連帯する闘いが始まり、BDS japan 準備会が設立されました。BDS運動への敵対を強めるイスラエル政府、イスラエルと関係を深める安倍政権を許さず、日本の地で連帯して闘う意思を込めて、パレスチナBDS民族評議会に多田謡子反権力人権賞を贈ります。 ● 優生手術に対する謝罪を求める会 (優生保護法による強制不妊手術に対する謝罪要求) 「優生手術に対する謝罪を求める会」は、1997年、優生保護法や母子保健法に取り組んできた女性グループ、障害者団体、研究者などが集まり、発足しました。その前年、優生保護法から「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」という目的と優生的な条項が削除され母体保護法へ改定されました。「不良な子孫」とレッテルを貼られた人たちは、本人が納得してないのに、不妊手術(優生手術)をされました。心身に傷を負わせ、子どものいる人生の選択を奪うという著しい人権侵害に対し、国は何もせず、「当時は合法であり、すでに法改正はなされている」という態度をとり続けてきたのです。 「求める会」はホットラインを開設し被害者の声に耳を傾け、名乗り出た勇気ある当事者女性と共に、国による謝罪を求めて、厚生省交渉、国会議員への働きかけ、国際機関への訴え、集会の開催などを長年、続けてきました。  声を上げてきた唯一の女性のことを、新聞報道で知った別の女性が、2018年1月に国を提訴。問題は大きく広がり、被害回復のための法律が検討されるところまで来ました。  長年にわたる地道な闘いの積み重ねによって、国家犯罪とも言える人権侵害を明るみにし、被害者の人権回復をめざす「優生手術に対する謝罪を求める会」に多田謡子反権力人権賞を贈ります。 ● 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部 (弾圧に抗し生コン労働者の生活と権利を守る闘い)  全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部の武建一執行委員長はじめ26名に対する4次にわたる逮捕起訴は、日本の産業別労働運動を牽引してきた関生支部と、中小企業である生コン業者が組織した協同組合の活動をつぶすための悪辣な弾圧です。この数年間、滋賀の湖東生コン協同組合は、共同受任・共同販売事業によって、優位に立つゼネコンに対して対等かつ適正価格での取引を実現し、生コンの品質も確保されてきました。関西地区において、関生支部は組合員の雇用と労働条件確保のため、中小企業者と労働組合の連携によるゼネコン・大手生コンとの闘いを作り上げてきたのです。  ゼネコンに対する湖東協組からの生コン購入を求める働きかけを恐喝未遂、大手生コン等に対する関生支部のストライキ闘争を強要未遂・威力業務妨害とする今回の弾圧は、1980年代、大槻文平日経連会長の「関生型労働運動は絶対に箱根の山を越させない」との号令で行われた刑事弾圧と比べても、戦争体制構築に向かう国家権力の意思をよりあからさまにしています。大政翼賛の大阪広域協組やレイシスト集団の警察と一体になった行動は、国家に逆らう者は許さないという弾圧の端的な証左です。関生支部を支え、ともに闘う決意を込めて多田謡子反権力人権賞を贈ります。
18:30 12.15労働組合つぶしの大弾圧を許... @ 日本教育会館
12.15労働組合つぶしの大弾圧を許... @ 日本教育会館
12月 15 @ 18:30 – 20:30
12.15労働組合つぶしの大弾圧を許さない!東京緊急集会 @ 日本教育会館 | 千代田区 | 東京都 | 日本
 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(関生/かんなま)は、産業別労働組合として、生コン労働者の権利と生活を守る闘いを続けるとともに、辺野古新基地建設阻止、原発再稼働反対、戦争法・共謀罪・憲法改悪阻止などの闘争を積極的に行っています。加えて近畿生コン関係の中小企業と連帯し、生コン業界の民主化、健全化にも取り組み実績を上げています。  これに対して、差別排外主義者集団が暴力的ヘイト攻撃を加え、大阪府警・京都府警・滋賀県警は、関生の委員長、書記長、執行委員等を次々に逮捕・勾留し、家宅捜索をくり返し、大勢の組合員の事情聴取を行い圧力をかけ、組合つぶしの大弾圧を行っています。これらは、正当で合法的な労働運動に対する違法捜査・不当逮捕に他なりません。この弾圧は、政権および警察・検察が初の共謀罪適用を狙っているためと考えられています。  現在の関生への激しい弾圧をみると、次は別の労働組合へ、さらには平和運動や沖縄の基地反対、反原発などの市民・住民団体への弾圧につながるおそれが強いと思われます。これに対して、私たちは、関生支部のメンバーや弁護士を迎え、関係者の皆さんとともに、抗議と反撃のための緊急集会を開催します。大阪から発信されている「労働組合つぶしの大弾圧を許さない!実行委員会への賛同の呼びかけ」を東京で広め、盛り立てる機運になることを願っています。  ぜひ、多くの皆さまがご参加され、状況をご理解いただき、行動を共にしていただけるよう、お願い致します。  ご参加が無理な方は、「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同のご検討をお願いします。 ■ 日 時:2018年12月15日(土) 午後6時30分~8時30分(6時開場) ■ 会 場:日本教育会館・中会議室(7階)  〒101-0003 東京都千代田区一ツ橋2丁目6−2  地下鉄「神保町駅」(A1出口)下車徒歩3分  地下鉄「竹橋駅」(6番出口)下車徒歩7分  地下鉄「九段下駅」(6番出口)下車徒歩7分  JR総武線「水道橋駅」(西口出口)下車徒歩15分  地図:http://www.jec.or.jp/koutuu/ ■ 参加費:500円 ーーー ■ 主な内容: ・講演「大弾圧といかに闘うか」  大口昭彦弁護士(救援連絡センター運営委員) ・連帯労組関西生コン支部からの報告 ・労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会(大阪)の報告 ・連帯発言(国会議員、市民団体、労働組合ほか) ーーー ■ 主催・問い合わせ先:  12.15労働組合つぶしの大弾圧を許さない!東京緊急集会実行委員会  仮事務局:東京都中野区中野2-23-1-3F 協同センター・東京  Tel.03-5342-1395 Fax.03-6382-6538

特集(新着順)

  1. 12.15労働組合つぶしの大弾圧を許さない!東京緊急集会

    2018-12-6

    12.15労働組合つぶしの大弾圧を許さない!東京緊急集会

  2. あわじ寺子屋

    2018-12-5

    地域の力で子らに居場所を 新大阪・NPO あわじ寺子屋の奮闘

  3. 安倍総理を厳しい目で見つめる明仁天皇

    2018-12-3

    天皇制と闘うとはどういうことか(4)/菅孝行(評論家) 第四回 二人の天皇と日本国憲法「緊急避難」か国是の指標か

  4. 米国への積み込みを待つ日本車―この風景がいつまで続くか?

    2018-11-28

    日米FTAの先にある、米国主導のブロック経済圏形成/大野和興

  5. 連帯

    2018-11-25

    「労働組合つぶしの大弾圧を許さない実行委員会」への賛同人募集!

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