関生支部への未曾有の大弾圧が続いているーこれは共謀罪のリハーサルである/永嶋靖久(弁護士)

関生支部への未曾有の大弾圧が続いている
不当逮捕の組合員を直ちに釈放せよ!


 11月21日、大阪府警は全日本建設運輸連帯労働組合関西生コン支部・武建一委員長(拘留中)をはじめ4名の労働組合役員・組合員を不当逮捕した。昨年末の輸送運賃値上げ実施を要求したストライキに関連した弾圧である。以下は、永嶋弁護士が救援連絡センター機関誌『救援』11月号に寄稿した小論である(執筆は10月)。永嶋弁護士は一連の関西生コン支部への弾圧が「共謀罪の予行演習」だと警鐘を鳴らしている。明日の弾圧対象は、ユニオン運動や市民運動を担う私たち全てだ。 【コモンズ編集部】

緊急!コモンズ号外2面 永嶋靖久弁護士による解説

20181121コモンズ号外

【号外目次】
11・21不当弾圧を弾劾する!
大弾圧の性格と内容/永嶋弁護士
12・8抗議集会に集まろう!
12・15東京でも緊急集会
あなたも賛同人になろう!

■ 大弾圧は現在も進行中

 現在、全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部(以下、「関生支部」に対する滋賀県警と大阪府警による弾圧が続いている。
 滋賀の事件は、中小の生コン企業で作る協同組合の役員が「大変なことになりますよ」とゼネコンを脅して、滋賀の工事現場で使う生コンを協同組合から買わせようとした、脅す手段は、労働組合による建設現場でのコンプライアンス(法令順守)活動などだったという。これが恐喝未遂とされている。同一の事件で10人が3回に分けて逮捕され、9人が起訴されている。関生支部委員長・副委員長・執行委員2人のほか、かれらと共謀してゼネコンと交渉したという協同組合の役員が起訴された。建設現場でコンプライアンス活動に従事した労働組合員は現時点では逮捕されていない。

 大阪の事件は、セメントのサービスステーションでセメント運搬車の輸送を妨害したという威力業務妨害である。まず港区での行動について16人が逮捕され、7人起訴、9人釈放。その後、同一日の近接した場所での行動について8人逮捕、うち5人は再逮捕だった。2回目の逮捕は10月30日が勾留満期となる。現在まで大阪の事件では逮捕されたのは現場行動の参加者だけとなっている。

■ 共謀罪適用のリハーサル

 一連の弾圧の性格は、企業の枠を超えた産業別労働運動への弾圧、大資本に対抗する中小企業の協同組合運動への弾圧、建設現場での労働組合によるコンプライアンス活動への弾圧、大阪サミットの先行弾圧、マスコミや YouTube を利用した労働組合への反社会勢力キャンペーンなど、いろいろ挙げることができるが、共謀罪適用のリハーサル弾圧という側面にも注目しなければならない。具体的には以下の諸点である。

 第一に、大阪の事件はこれまでの関生への弾圧と同様、大阪府警の警備課が担当しているが、滋賀の事件は滋賀県警の組対(組織犯罪対策課)が担当し、現在のところ逮捕には至っていないが、京都府警によってくり返されている家宅捜索も組対が担当している。

 第二に、逮捕された労働組合員が全員黙秘することは警察もわかっているし、現に黙秘している。ではどうやって事件を構築するのか。今はどんな事件の捜査でも同じだが、関係者の電話履歴や、メールのやりとりやラインチャットを大量に集めるとともに、この事件では、現・元の組合員に対して手当たり次第片っ端からの大量呼出しをかけて、「共謀」を立証しようとしている。

 第三に、滋賀の事件でも大阪の事件でも勾留理由開示公判で、裁判官が罪証隠滅の対象は共謀の構造、罪証隠滅の方法は共犯者・関係者との通謀という趣旨を明確に述べている。大阪の事件では、現場の行為については、会社側が記録した大量の録音録画がある。共謀といっても現場共謀の問題で、録画されている行為をどう評価するかということになる。

 これに対して、滋賀の事件では外形的にはどう見ても犯罪行為になるかどうかそもそも疑わしい。関生支部のコンプライアンス活動については、民事裁判では大阪高裁でも適法とする決定もある。そうすると、犯罪の共謀があったということをどうやって作り上げるのか、それが事件の要であり事件の全てとなっている。

 最初の逮捕者がこの夏に出て以降、勾留満期がきて起訴されるごとに次の逮捕者が出るということがくり返され、現在も弾圧が終息する見通しがない。全ての読者のみなさんに、この弾圧への注目と、未曾有の大弾圧を受けている関生支部への支援をお願いしたい。

永嶋靖久(弁護士)


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