徴用工判決・旭日旗禁止・竹島(独島)に安倍政権の呆然自失/村山和弘

現在の日本:2015年9月、戦争法で、安倍政権は韓国再侵略を宣言した
=徴用工判決・旭日旗禁止・竹島(独島)に、呆然自失の安倍政権=
徴用工判決
 徴用工判決の打撃にうろたえた安倍政権は、大きな墓穴を掘った。11月1日の国会発言である。大打撃をウソで乗り切ろうと必死だ。NHKやマスコミの情報操作で乗り切ろうとしている。だが、破綻するのは時間の問題である。

■ 11月1日、衆院予算委員会。安倍首相発言

徴用工判決「今般の判決は、国際法に照らせば、あり得ない判断だ。国際裁判を含め、あらゆる選択肢を視野に入れ、毅然と対応していく。政府としては徴用工という表現ではなく、旧朝鮮半島出身労働者の問題と言っている。当時の国家総動員法下の国民徴用令には募集と官斡旋と徴用があったが、裁判の原告4名はいずれも、募集に応じたものだ。」
 安倍首相による歴史に残る重大な「国会での虚偽発言」である。

●真実!
(イさん)。「旧日本製鉄は1943年頃、平壌で大阪製鉄所の工員募集広告を出したが、その広告には大阪製鉄所で2年間訓練を受ければ、技術を習得することができ、訓練終了後、韓半島の製鉄所で技術者として就職できると記載されていた」。(ロさん)名義口座に大部分を一方的に入金。貯金通帳と印鑑を寄宿舎の舎監に保管させた
●植民地支配とは〈富山の不二越女子勤労挺身隊〉の場合。
「賃金が当たる、富山の美味しいお米を腹一杯食べられる。勉強も出来て賃金も当たる。お花も出来る。不二越で勤めたら(韓国に帰ると)上級学校にも行ける」と富山まで連れてきた。
●〈日本製鉄も韓国青年たちをだました〉
当時10代の未成年者だ。植民地支配下では「工場への応募を勧誘される」と事実上は強制力を持っていた。不二越から勧誘に来ると教師が立ち会って、植民地支配下では拒否しにくい状態であった。

 安倍発言の前提は「併合・植民地化は、韓国側が望んだ」と「併合は合法」の立場である。その延長で[応募して応じた]と語っている。安倍政権の虚偽発言での「乗り切り策謀」は、真実・事実の前に破綻する。日本の植民地支配を美化したい安倍政権は、怒りの火に油を注いだ。だが、火に焼かれる。

■ 韓国・朴槿恵政権の墓穴を掘った安倍政権

朴槿恵逮捕

逮捕された朴槿恵

 「没落を前にした者は自分の墓穴を掘る」と言う。安倍首相は朴槿恵と「日韓慰安婦合意」(9月戦争法強行後、11月29日)を行った。戦争法とは「朝鮮半島に自衛隊が軍事出動を行える」と、ここで事実上の解釈改憲を実行した。「憲法に明記」する明文〝改憲〟は現在企んでいるとおりである。

 最も重要な問題は、朴槿恵打倒の民衆闘争は、「日本の戦争法」と「日韓慰安婦合意」を一体として燃え上がったということである。
 戦争法強行は日本の再侵略への布石だ。朝鮮半島に軍事侵略する日本に立ち向かう闘いが「植民地支配・強制連行」責任の追及であり従軍隊慰安婦合意を許さない」闘いの朴槿恵政権打倒だった。

■ 韓国民衆の意識と、現実を見ない日本の「進歩」知識人

 日韓慰安婦合意を、賛成だと評価した『リベラル・マスコミ』と一部の左翼政党。更に、(一部)の戦後補償派の人も悲惨だった。戦争法に反対しながら、慰安婦合意には賛成したのだ。(朝鮮半島の)「戦争に巻き込まれない」日本の平和運動が(事実上)破綻したのだった。
 朝日新聞がその先頭に立った。革新政党が賛成論説を掲載した。韓国で軍慰安婦が怒りの声をあげてもそれを撤回しなかった。一部の人は、ようやく「寄り添う」と人道問題へと切り縮めた。

 戦争法と慰安婦合意はまるで、別物のように言われた。人道問題の方が幅広と思ったのか。だがそれは政治と一体だ。他方、韓国では「慰安婦合意許すな!」「新安保法制の安倍日本許すな!」である。
 日本は2015年9月以後「戦争法を実行している安倍政権」である。それが、元軍慰安婦のおばあさんに「黙れ」と強要したのだ。

■ 戦前と戦後、2015年戦争法強行後の現在―連続と断絶

 私は、安倍政権という現実を根底から見据えるには、「明治150年は『連続している』(それ以前から)と、しっかりとその連続性を掘り下げるべきだと思う。
 だが、現実の政治局面では「戦後史の敗北の象徴は2015年戦争法だ」と見据えるべきだ。そこから敗北を乗り越える闘いの道がひらける。

 戦争法は、敗戦と戦後史から日本資本主義が延命するために不可避とした「経済大国からの飛躍」を賭けたものだった。戦後史の延長であるが、世界と日本の現実の中で新たな「戦争的質を持った飛躍」だった。財界が安倍政権を求めた。だが、「戦後、今までの日本は良かった」「平和を守ろう」だった。「戦後の平和とは何か?」と自問した人が少なかった。

 他方、韓国民衆闘争が課題としたのは、安倍日本が戦争的に飛躍する姿を見据えて、安倍と結ぶ「韓国朴槿恵政権を打倒する」闘いだった。2015年安倍政権は「産業遺産登録・戦争法・日韓慰安婦合意」を一体的に(朴槿恵政権と手を組んで)進めたのである。

■ 韓国民衆は怒りで安倍政権と朴槿恵政権に向き合った

韓国キャンドル革命 戦争法とは何か!「韓国の了解を受けずに自衛隊は『朝鮮半島に軍事展開できる』と宣言した」のである。それは、再び韓国に侵略する戦争宣言だったのだ。朴政権は「日韓軍事同盟に反対する邪魔な被害者の口に蓋をする」ために安倍政権と固く合意したのだった。
 だが、歴史は皮肉である。安倍政権は、韓国民衆に朴槿恵を「安倍と同罪」だと差し出したのだった。こうして、安倍政権は、自己の「盟友」を「切り落とした」。

 今、起きている事は何か。
 日本の我々が課題に向き合う番だ。日本民衆は、今後の闘いが問われている。安倍政権は自分を自分で切り落とす「歴史の皮肉」を実行している。日本の民衆も、騙されてばかりではない。
 11月1日、安倍首相は、(韓国民衆だけでなく)日本の民衆に向かって「侵略者の私を断罪して下さい」と自己を差し出している。日本民衆が3年前「戦争法反対!」を叫んだ時の「闘う内容に『何が』抜け落ちていたのか」を反省し見据える姿勢に立つべきだ。

 この3年間闘われてきたろうそく革命は「侵略と植民地支配の惨禍を受けた韓国の民衆闘争は如何に闘うべきか」を示している。韓国から日本はよく見える。2015年「日本は侵略戦争の出来る国に舵を切った」と確信して闘っているのだ。

 日本のマスコミは「韓国は今までと違って友好国ではなくなるか」「衝撃の判決」「国際法に違反」「日韓関係は泥沼になる」と騒いでいる。彼らは、自分を自覚することを恐れている。

■ 韓国が変わったのではない。日本が戦争法で変わったのだ。

不二越本社前抗議

不二越本社前での抗議行動

 徴用・強制連行の責任は、日本の問題である。だが、多くの良心的日本人は「韓国被害者を支援」するという、外在的な立場だった。そのような立場からの「連帯」では、安倍・戦犯企業との主体的な闘いは出来ない。

 10・30判決は日本に急に降って沸いたのではない。日本の安倍政権と闘う最重要課題だった。2015年の戦争法反対の行動で「朝鮮半島に自衛隊が出動し、日本が侵略する」「日本・我々が再び侵略する」という危機感を持った声は(非常に)少なかった。

 不二越門前闘争で感じる事は、小さくても現場で闘う意味だった。人間は恐怖が先行する、意識を持つ存在だ。それが昂じると、自己規制してしまう。いざ、前に進もう。

村山和弘(不二越訴訟連絡会・会員)

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<参考>強制動員真相究明ネットワーク声明

2018年11月1日

内閣総理大臣 安倍晋三 様

強制動員真相究明ネットワーク
<共同代表>飛田 雄一 神戸学生青年センター
      庵逧 由香 立命館大学

韓国大法院の判決を受けとめ、日本政府と企業は戦時の朝鮮人強制動員問題の包括的解決を!

 2018年10月30日、韓国の大法院は日本製鉄の強制動員被害者の損害賠償請求権を認め、被告の新日鉄住金の上告を棄却しました。
 大法院は強制動員被害者の損害賠償権を、日本政府の朝鮮半島に対する不法な植民地支配と侵略戦争の遂行に直結する日本企業の反人道的な不法行為を前提とする強制動員被害者の日本企業に対する慰謝料請求権と規定しました。
 大法院は、日韓請求権協定は債権債務関係を処理したものであり、この協定には日本企業による反人道的な不法行為に対する慰謝料請求権は含まれないとし、強制動員被害者への賠償を命じたのです。

 わたしたちは韓国での真相究明の動きのなかで、2005年に強制動員真相究明ネットワークを結成し、強制動員の研究、名簿の調査、遺骨の返還、強制動員被害者の尊厳回復にむけての活動をすすめてきました。今回の大法院の判決は、強制動員の事実と被害者への損害賠償を認め、被害者の尊厳を回復するものです。わたしたちはこの判決を支持し、日本政府と企業がこの判決に沿って対応することを求めます。

 日本政府は、1939年から45年にかけての朝鮮半島から日本への80万人に及ぶ労務動員を強制労働として認知せず、損害賠償については日韓請求権協定で解決済みとしてきました。企業もそのような姿勢に追随してきました。今回の判決については、「請求権協定に違反」、「国際法に照らし、ありえない」、「毅然として対応する」、「韓国政府が必要な措置を取るべき」などと語り、強制動員問題の解決に向けて行動する姿勢を示していません。

 しかし、2国間の条約・協定で個人の請求権を消滅させることはできないのです。動員被害者は訴える権利を持ち、裁判所は賠償を命じることができるのです。国際法では人道に対する罪に時効はありません。朝鮮の植民地支配を合法とするのではなく、強制動員などの植民地支配の歴史に真摯に向き合い、反省すべきです。動員被害者の尊厳回復に向けて、日本政府と企業が必要な措置をとることが求められているのです。

 今回の判決をふまえ、日本政府と企業は強制労働の事実を認め、不法行為への損害賠償をおこなうべきです。そこから信頼が生まれ、アジアの友好と平和がすすみます。侵略と植民地支配の事実に目をそらし、過去を正当化してはならないのです。

 今回の韓国大法院の判決は、人類の強制労働の克服をめざす国際的な活動の歴史的成果であり、世界の正義と良心に支えられたものです。この判決を受けとめ、解決にむけて行動することで、日本の評価は高まります。わたしたちは、安倍政権がこの判決を受けとめ、政府と企業が基金の設立など戦時の朝鮮人強制動員問題の包括的解決に向けての作業をはじめることを呼びかけます。

強制動員真相究明ネットワーク
Network for Research on Forced Labor Mobilization
URL:http://www.ksyc.jp/sinsou-net/
Facebook:https://www.facebook.com/shinsounet/

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