国際生物多様性の日】辺野古・高江の基地建設中止を求める環境団体声明

2014 年 5 月 22 日
国際生物多様性の日


     辺野古新基地および高江ヘリパッドの建設に強く抗議し
     計画の撤回を求める環境団体の声明と要請

      ~軍事基地建設ではなく世界自然遺産への登録を~

sabe the dugon 琉球列島は、サンゴ礁や干潟、マングローブ林、亜熱帯林などの多様な自然環境に恵まれ、地球規模で見てたいへん生物多様性の豊かな地域・海域となっています。島々は、地殻変動や氷河期の海面変動により大陸との分離・連結をくり返し、大陸から渡来した生物が隔離された島ごとに独自に進化し、その結果、多様な固有種、固有亜種が生息・生育しています。これらの種は、多くが絶滅のおそれのある種です。(略)

 名護市の辺野古・大浦湾・嘉陽の海域は、巨大なアオサンゴ群集を含むサンゴ礁や海草藻場が広がり、日本では絶滅のおそれが最も高い哺乳類であるジュゴンが生息するなど、たいへん生物多様性が豊かな沿岸域です。2009 年には、大浦湾の海底の泥の中から 36 種の新種のエビ ・カニ類が発見されています。この海域 は、生物多様性と絶滅のおそれのある種の生息地として、また、独自の進化・種分化が沿岸域の底生動物でも起きている可能性が考えられることから、世界自然遺産の登録申請に含めるべき地域です。

このちゅら海を埋め立てるな(「大浦湾を守ろう」より)

このちゅら海を埋め立てるな(「大浦湾を守ろう」より)


 この辺野古・大浦湾では米軍普天間飛行場の移設先として新たな巨大軍事基地建設計画が進んでいます。昨年 12 月末に、沖縄県知事は公有水面の埋立を承認しました。しかし、この埋立承認は、公有水面埋立法の第 4 条 1 項を満たしていない違法なものと言えます。(略)

 沖縄県には日本の米軍専用基地の 74 パーセントが集中し、沖縄島はその面積の 18 パーセントが米軍基地で占有されています。米兵および米軍属による事件・事故が絶えない状況です。戦後の 69 年間、かつては日本本土からの移転による土地の強制収奪により基地は増大し、現在ではさらに機能強化された基地が新たに建設されようとしています。基地の見返りとして振興資金が投入されていますが、他県では通常の配分であるものが沖縄県に対しては振興資金の名目がつき、高補助率の公共事業費の多くは本土企業に還流するなど、決して優遇されているわけではなく、必ずしも地元のためにはなっていないのが現状です。振興資金による大規模公共事業により、沖縄の海も山も川も、その自然環境は破壊されつつあり、地域住民の持続可能な生活も脅かされつつあります。

 このような沖縄における状況は、日本国憲法が保証する住民の権利を無視するもので明らかな差別です。沖縄では、環境、人権、平和がないがしろにされています。

 以上のことから、私たち自然保護および環境保全に係わる団体は、沖縄県名護市の辺野古新基地および東村高江でのオスプレイ用ヘリパッドの建設に強く抗議するとともに、軍事基地の建設計画を撤回して世界自然遺産に登録することを強く主張し、日米両政府および沖縄県知事に以下のことを要請します。

1. 日本政府とアメリカ政府に対して、
(1) 豊かな自然環境と生物多様性に悪影響をおよぼす辺野古における新基地計画、高江におけるオスプレイ用ヘリパッド建設を中止、撤回すること。
(2) 琉球列島の固有種・固有亜種の重要生息地である北部訓練場は部分返還ではなく全面返還すること、また、普天間飛行場も早急に返還すること。

2. 日本政府に対して、
(1) 辺野古・大浦湾・嘉陽の海域およびやんばるの森の自然環境の保全と持続可能な利用、地域住民の安全で安心な生活環境の確保を政策として実現すること。
(2) 「奄美・琉球」の世界自然遺産登録の申請には、辺野古・大浦湾・嘉陽の海域および北部訓練場全域のやんばるの森を含めること。

3. 沖縄県知事に対して、
(1) 辺野古の公有水面埋立承認を取り消すこと。
(2) 高江のオスプレイ用ヘリパッド建設を容認せず中止を求めること。
以上

この件に関する連絡先は以下のとおりです。

NPO 法人 ラムサール・ネットワーク日本
 〒110-0016 東京都台東区台東 1-12-11 青木ビル 3F
 TEL/FAX:03-3834-6566
 E メール:okinawa2014@ramnet-j.org(環境団体声明専用)
 ウェブサイト:http://www.ramnet-j.org/okinawa2014/(呼びかけ文、声明文)
 担当者:花輪伸一(共同代表)

共同声明・要請の呼びかけ人
花輪伸一(NPO法人ラムサール・ネットワーク日本)、 安部真理子(沖縄リーフチェック研究会)、三石朱美(国連生物多様性の10年市民ネットワーク)、蜷川義章(ジュゴン保護キャンペーンセンター)、真喜志好一(沖縄環境ネットワーク)、吉川 秀樹(沖縄・生物多様性市民ネットワーク)、安次富浩(ヘリ基地反対協議会)、伊佐真次(ヘリパッドいらない住民の会)

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