2019 辺野古新基地反対闘争の前進へ!/安次富 浩

土砂投入阻止12・13辺野古集会

土砂投入前日の12月13日、辺野古の浜に抗議に集まった人々。同日に首相官邸前でも抗議の声があがった

諦めない!土砂投入―辺野古新基地建設阻止

安次冨 浩(ヘリ基地反対協議会共同代表)

安次富 浩さん

安次富 浩さん

 新年を迎えて、辺野古新基地建設反対闘争はいよいよ正念場である。
 昨年の県知事選挙では、故翁長知事の遺志を継いだ玉城デニー知事の誕生、城間那覇市長の再選など名護市長選の雪辱を果たし「辺野古新基地建設ノー!」の沖縄の民意は一層鮮明になった。
 8・11県民大会の場で故翁長雄志知事の次男雄治那覇市議が「父は生前、沖縄は試練の連続だ。しかし、一度もウチナーンチュとしての誇りを捨てることなく闘い続けてきた。ウチナーンチュが心を一つにして闘うときにはおまえが想像するよりもはるかに大きな力になると何度も何度も言っていました。」と報告していたが、まさに翁長知事の遺言通りのウチナーンチュの団結の現われであった。沖縄県民は故翁長知事の「辺野古に基地はつくらせない」との遺志を玉城デニー新知事へしっかりとつなぐことを選択した。ウチナーンチュ、ウシェティナイビランド―!

故翁長知事の功績、その遺志を継ぐ
オール沖縄路線と日米地位協定見直し

故翁長知事の卓越した政治力
 それにしても故翁長知事の卓越した政治力に驚きを隠せない。太田昌秀革新県政から稲嶺恵一県政に転換した時の選挙参謀は故翁長那覇市長であった。その時に採用した選挙戦術が自公路線であった。この路線によって、公明党の選挙協力が全国展開し、自公連立内閣に繋がったのである。稲嶺県政は辺野古移設沖合論を展開し、「軍民共用空港」と「15年使用期限」を提示し、ゆくゆくは物流型の民間空港を想定していた。

 自公路線の立役者がオール沖縄(保守・中道及び革新、経済界)路線を新たに提示したのである。源は2013年1月13日に安倍内閣へ提出した「沖縄建白書」である。彼が那覇市長時代に、沖縄選出国会議員と全県議及び県内41市町村長、市町村議会長などが連名し、「普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念、オスプレイ配備反対」を掲げて日本政府交渉を行ったのである。後に官邸側と自民党本部の巻き返しで保守系が崩れ去るが。オール沖縄路線は自公路線に終止符を打つことになるであろう。

 2点目に、故翁長知事は2016年の全国知事会にて、「日米地位協定の見直し」を要請し、その要請に基づき「米軍基地負担に関する研究会」が設置された。沖縄県はドイツ、イタリアへ現地調査をおこない、今年の全国知事会へ報告書を提出した。全国知事会は7月27日、その報告書に基づき「米軍基地負担に関する提言」を全会一致で採択した。全国知事会が日米地位協定の抜本的見直しを採択したのは初めてである。保守系の故翁長知事だったからこそ成しえた画期的な出来事である。我々は全国知事会の提言を実現してこそ、故翁長知事の遺志を受け継ぐことになるのである。

諦めない!
土砂投入―辺野古新基地建設阻止へ

これが民意だ!玉城デニーさん当選
 安倍政権は県知事選挙の民意に振り向かず、相変わらず「辺野古が唯一の解決策」と表明している。故翁長県知事の辺野古埋め立て承認撤回表明を継承した職務執行代理者副知事のブレない姿勢に対し、岩屋毅新防衛大臣が石井国交大臣へ行政不服審査法に基づく審査請求と執行停止の請求を行った。3年前と同じ手法を執った。デニー知事が「自作自演」と論破したように、安倍内閣の身内同士(沖縄の言葉ではヤーニンジュ)で審査することは茶番劇であり、公人が私人に成り代わるという詐欺まがいの手段を取ったことにファッショ的な臭いを感じるのである。今度は「国地方係争処理委員会」での審査の結果如何によって行政訴訟が想定される。

辺野古新基地護岸の埋立 そして12月14日、安倍政権は名護市辺野古沿岸部へ土砂投入を開始した。
 台風24号、25号の被害により本部港塩川地区が6か所の岸壁のうち3か所が損傷し、「港が復旧するまでは、あらゆる船の新たな受け入れは困難」と通告され、海上からの埋め立て土砂の搬出が困難となっていた。安倍政権は威信をかけて埋め立て土砂の海上輸送の再開を12月中旬とマスコミに流し、焦った沖縄防衛局は、12月3日、塩川地区に隣接する琉球セメント会社(親会社は宇部興産)が使用している安和埠頭に切り替えて土砂を運搬船に積みだした。安和埠頭はセメント会社の原料や製品の搬入出用に造られたもので、埋め土搬出のための桟橋ではない。まさしく目的外使用である。

 また防衛省が沖縄県に提出した埋め立て申請には、搬出港を本部港と国頭村の辺土名漁港としており、沖縄県への変更申請が必要である。土砂投入のためには手段を選ばず、入管法強行採決と本質は変わらない。法治国家を自称する安倍政権は国策実現のためには何でもありのファッショ政権だ。

剣道を封鎖する辺野古埋立のトラック この奇策の真の狙いは新年2月24日に実施される辺野古新基地建設の是非を問う県民投票への妨害工作と断言できる。9日には県民投票を成功させるため、県知事選挙並みの運動団体ー「辺野古埋め立て・新基地建設反対の民意を示す県民投票連絡会」が結成された。一連の選挙戦の勝利の勢いを基に県民投票を絶対に勝ちぬかねばならない。

 いずれにしても、大浦湾側の軟弱地盤や活断層の存在、そして高さ制限問題などの難問を抱えている防衛局の沖縄の民意を無視した強行突破に対して、非暴力抵抗闘争と勝つまでは諦めないことを闘いの指針として現場で立ち向かっていく。

アメリカの世論、朝鮮半島の動向を視野に
沖縄の自己決定権の獲得に向け闘い続ける

玉城デニー知事就任記者会見
 アメリカのメディアはデニー候補の勝利を「海兵隊員の息子が沖縄の米軍基地に挑む」、「米軍人の息子が安倍・トランプ戦略の新たな脅威となる」と掲載した(琉球新報。10月1日)。また沖縄タイムス(3日付)はニューヨーク・タイムス1日付の社説で、「沖縄の米軍駐留縮小に向けて」と題して、「新知事は米軍が去ることを望んでいる。ワシントンと東京(日米両政府)は妥協案を見つける時だ」と、辺野古移設の見直しを鋭く指摘した。ワシントン・ポスト紙は「玉城の勝利は、新たな手ごわい交渉と法廷闘争の始まりを意味している」、CNNは「新時代が始まった」、ウォール・ストリート・ジャーナルは「新たな長期法廷闘争につなげる可能性がある」と分析した。

 米政府は辺野古移設計画が政府間協議の結果であり、日本政府から見直し計画がない限り移設を維持する方針だと伝えられている。沖縄の民意を注視しており、基地の安定運用から、兵士への規律順守の徹底と軍用機の不具合が生じれば予防着陸するよう指導しているとの報道もある。これらの対応を見れば玉城デニー知事の誕生はトランプ政権を震撼させていると解釈できるであろう。

第88回日比谷メーデー・ジグザグ会も参加

沖縄の自己決定を認めよ!(日比谷メーデーにて)

 オール沖縄会議は故翁長知事の「イデオロギーよりアイデンティティ」をモットーにして、非暴力抵抗運動(故瀬長亀次郎の「弾圧は抵抗を呼び、抵抗は友を呼ぶ」)を前進させ、沖縄の自己決定権の獲得に向け、沖縄の民意を貫くことが重要である。そして、治外法権的な「日米地位協定」の抜本的見直しを安倍政権に求めていく必要がある。

 新時代沖縄の行く先は従来の保守・革新の枠をさらに越え、故翁長知事の遺志でもある「平和な緩衝地帯」と位置付け、沖縄経済が基地依存型から自然・観光を中心とする平和経済型へと転換し、東アジア経済圏の主要な構成員になることである。
 朝鮮半島の非核・平和的民族統一の動きを視野に入れながら、在韓米軍の撤退と在沖・在日米軍の撤退を国際連帯として同時並行的に闘う必要がある。

「コモンズ」126号の目次にもどる

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

  1. コモンズ最新号目次

特集記事(ランダム)

  1. 2016-4-17

    関生労組の歴史と日本労働運動の未来(上)/木下武男(元昭和女子大教授)

季刊「変革のアソシエ」第34号発行

最近の記事

  1. ■ 編集後記 ●平成から元号が変わる。無論庶民の側からの願いに応えたと言う事ではなく、全て皇室…
  2. 七福神イラスト
    これからの革命興す年が明け 原発の次は辺野古も頓挫する 天皇をヨイショの記事があふれ出る…
  3. 笙野頼子『ひょうすべの国』
    笙野ワールド・魂の連作 汚辱世界と表現で対決 怨念の巫女の口伝のような…    追い詰められた…
  4.  12回目を数える「国際有機農業映画祭」が2018年11 月18日にに法政大学・市谷キャンパスで…
  5. アムネスティ 死刑制度反対
    安倍政権下で相次ぐ死刑執行 国際社会は死刑廃止に大きく前進している  日本で死刑執行が相次い…

職場・労働相談はこちら(外部リンク)


連帯労組の闘い ↑ 映画「フツーの仕事がしたい」より 労働相談は連帯ユニオン

特集(新着順)

  1. 新年天皇一般参賀(2019)

    2019-2-4

    天皇制と闘うとはどういうことか(6)/菅孝行(評論家) 第六回 象徴天皇制―権力・霊性・日本資本制

  2. F35Bステルス機

    2019-1-23

    新連載】要塞化すすむ南西諸島(1)/小西 誠(軍事評論家)

  3. 土砂投入阻止12・13辺野古集会

    2019-1-22

    2019 辺野古新基地反対闘争の前進へ!/安次富 浩

  4. 韓国・沖縄民衆と連帯しトランプ・安倍両政権を追い詰め、 東アジアから米軍を撤退させていく新しい扉を開こう! ーー日米安保破棄し対米隷従の「この国のかたち」変える時だーー

    2019-1-21

    年頭主張】激動する時代の基本認識と わたしたちの政治・運動戦略の重心

  5. 大阪府警本部前に翻る抗議の連帯旗

    2019-1-15

    獄中よりの新年挨拶/武建一(関生労組委員長)

バックナンバー

カテゴリ一覧

本日
昨日
累計
FROM 2014/01/01
ページ上部へ戻る