年頭主張】激動する時代の基本認識と わたしたちの政治・運動戦略の重心

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習近平とトランプ

1、私たちは、今、どのような世界・時代を生きているか
「アメリカの時代の終わり」世界はどこに向かっているか。

 一昨年の年頭主張で私たちは、トランプ米政権発足をもって「『アメリカによる平和』(パックス・アメリカーナ)の時代は終わった」との認識を示した。その根底には、5世紀にわたる資本主義の世紀が確実にその終末期を迎え、戦後のアメリカ帝国主義基軸の多国籍金融・多国籍独占資本の世界秩序は崩壊しつつあるとの認識による。

1)トランプ米政権の蛮政と衰退
差別・排外主義の横行、ナショナリズムの台頭

トランプ大統領 この1年、ユーラシア大陸の西端の欧州と東端の朝鮮半島までを切りとるように形成されてきた米帝一極覇権体制の終わりは、「アメリカ第一」を掲げ、自国・白人中心主義の差別と排外主義を煽るトランプ政権の蛮政によって決定的に加速された。難民を「犯罪者」として入国拒否するメキシコ国境の「壁」建設と米軍隊の派遣と弾圧、シリア空爆、TPP・「パリ協定」からの離脱、「イランとの核合意」や「ロシアとの核兵器削減協定」の破棄、エルサレムをイスラエルの「首都」とした「中東和平」の破壊などとして。

 資本の断末魔のあがきにも似た米帝の世界秩序の破壊過程それ自身が、米国の政治的・倫理的権威の失墜を一層促進し、米国内部の分断・階級対立を激化させつつ、世界に「分断と憎しみ、暴力の連鎖」を、「戦争への志向」を拡げている。トルコ・インドそしてドイツのメルケルキリスト教民主同盟党首の辞任やブラジルでの極右大統領誕生に象徴される差別排外主義・ナショナリズムの台頭も著しく、「米中貿易戦争」など「新たな冷戦」、米・ロシア・インドなど核軍拡と戦争への志向が強まっている。

2)中国の軍事大国化と覇権拡大の野望

中国の一帯一路構想 同時に米覇権の瓦解過程は、2025年頃にはアメリカを追い抜き世界第1位の経済大国となる「資本主義・中国」が、習近平体制の下で「中華帝国の復興」をめざした海と陸のシルクロード経済圏構想「一帯一路」戦略を推進し、東アフリカ・ジプチに初の中国軍基地を置くなど、東シナ海から太平洋・インド洋を含む広範囲な地域でその経済的・軍事的影響力を拡げている。

 もちろん、中国の台頭が直ちに世界支配の基軸国・中国となる「パックス・チャイナの時代」へと移行することを意味しない。しかし、中国の台頭に対して、米トランプ政権が「対中戦争戦略」に舵を切り「対中貿易戦争」を仕掛けるなど、硬軟両面での米中対立が世界を揺るがしていく情勢がある。

3)朝鮮半島における冷戦構造の崩壊・平和への流れ
世界に拡がる新たな闘いの波

韓国キャンドル革命 他方、画期をなす新たな情勢の核心となる問題は、南北朝鮮首脳会談と「板門店宣言」を契機とした朝鮮半島における冷戦構造の崩壊、平和への流れの朝鮮情勢であり、それを根底で規定している韓国のキャンドル革命による南北朝鮮民衆の朝鮮戦争終結と自主的平和統一への歴史的な情勢である。(3項で取り上げる)

 また、差別・排外主義、極右・ナショナリズム台頭への逆流に抗して、グローバル資本主義がもたらした格差と貧困、失業と生活苦、農業と環境破壊、地球温暖化など、総じて地球丸ごと次世代の生存と社会の再生産そのものにかかわる人類史的危機に対応すべく、欧米・韓国をはじめ世界各地で「1%」の富者に対する「99%」の民衆の闘いも拡がっている。

GSEF2018ビルバオ大会 国連での歴史的な核兵器禁止条約の採択、韓国のキャンドル革命、米国発の「セクハラ・性暴力」反対運動、沖縄の新基地建設阻止の闘い。そして反トランプの若者・女性・マイノリテイの新しい流れは米中間選挙で米議会の民主党の下院奪還、ロシア疑惑に揺れるトランプ政権の「終わりの始まり」を下から促進させている。

 同時に、資本主義に代わる新たな経済・社会システムへの挑戦も世界で拡がっている。韓国・ソウルに始まりカナダ・モントリ―オール大会へと繋がった「社会的連帯経済」への挑戦が、昨年のスペインで開催された「GSEFビルバオ2018大会」に国連傘下の諸組織をはじめ欧米・中南米・アフリカなど84ヶ国・1700名が参加したように、一握りの大企業と大国が世界の経済と政治を牛耳ってきた時代の終わりと「資本の世界」へ対抗する世界の新しい流れが確実に拡大している。

4)世界的激動と攻防の中心舞台は東アジア・太平洋に
安倍政権の戦後日本の国家再編は新しい段階に入った

 こうして世界的激動と攻防の中心舞台は、中国の台頭と朝鮮半島情勢に対し、南西諸島から沖縄全域―日本列島弧を戦場にしてアメリカ本土を守る「新戦争戦略」に舵を斬り米中対立を激化させているトランプ政権の「終わり」への今後の動向と朝鮮半島情勢の行方を軸に、米・日・韓、中国・ロシア・インドなどが3つ巴、4つ巴の覇権争奪と抗争を激化させつつある東アジア・太平洋にある。

南西諸島 市街戦訓練 この情勢に対応して、日米金融独占資本・軍産複合体の意を受けた安倍政権が、米「対中戦争戦略」下で、集団的自衛権行使-安保・戦争法、秘密保護法・共謀罪法を強行し、日米安保同盟を戦争同盟へ深化させ―戦後日本の「この国のかたち」を「戦争国家」つまり「軍事強国」へと日本帝国主義国家再編の新たな段階を踏みこんだことを重視すべきである。

 地政的に東アジアの「へそ」に位置する沖縄・辺野古に巨大新基地建設を強行し、沖縄の軍事要塞化、宮古・与那国など南西諸島全域への自衛隊配備と要塞化、オスプレイの横田をはじめ全国への配備やイージス・アショア配備、「働き方改革」法を強行し、「9条明文改憲」を急いでいるのもこうした事情による。

戦争か、新たな「共生・協同」か
激動の階級闘争の時代の始まり


 世界は一言で言えば、グローバル資本主義の終焉に向かう諸大国が延命と新たな世界支配への覇権を争い「憎しみと暴力の連鎖」を繰り広げながら戦争へと進むのか、それとも資本主義のもたらす貧困と格差の解消、腐った民主主義に代わる新たな民主主義、競争と弱肉強食の資本主義に代わって「核なき平和な世界」「共生・協同の世界」へと進むのか、人類史の未来をかけた新たな激動の階級闘争の時代の只中にある。

次ページ:資本主義にかわる新たなビジョン(構想)の提示を


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