年頭主張】激動する時代の基本認識と わたしたちの政治・運動戦略の重心

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徴用工判決

3、朝鮮半島情勢激変の中で、韓国・沖縄の民衆に連帯し、
安倍政権打倒をいかなる質で闘うのか。

 闘いの正念場となる2019年。この1年の闘いの成果の意義を、また関生支部への大弾圧の階級的本質の意味を、こうした世界と時代の認識の中でとらえかえし、情勢に確信を持ち、朝鮮半島情勢の大激変、沖縄の闘いの新たなステージを見据え闘おう。
 当面する政治・運動戦略の重心を定めるにあたって、世界史の中心舞台に競り上がってきた朝鮮半島・東アジア・沖縄の攻防に関わる諸要素の中で、特に重視すべき点は以下である。

1)日本の階級闘争の発展のために重視すべき視点
朝鮮半島情勢と米隷従の「この国のかたち」変えるチャンス

平昌オリンピック

平昌オリンピック南北統一選手団

 1つは、言うまでもなく本年の南北朝鮮首脳会談と「板門店宣言」、それに続く史上初の米朝首脳会談と「共同声明」にみる朝鮮半島における朝鮮戦争終結、南北朝鮮の平和と自主統一への歴史的画期をなす朝鮮半島情勢の大激変である。

 一触即発の世界的危機の焦点であった朝鮮半島が、今や、「平和な東アジア」構築への要となった。これを根底で規定しているのは、朴政権打倒で文政権を誕生させ、政治の民主化だけでなく財閥解体も含む新たな社会体制建設へ挑戦する「キャンドル革命」に見る韓国労働者市民の大衆闘争の力である。同時に、それはトランプ米政権とこれに追随する安倍政権の北朝鮮への戦争挑発と「圧力」路線の破綻を意味した。

 この歴史的情勢は、朝鮮戦争を契機に成立し、憲法の上に超法規的に覆いかぶさって戦後日本の「この国のかたち」と沖縄への米軍基地の強制、対米隷従の政治と社会のあり方を決めてきた戦後「サンフランシスコ・システム」-日米安保体制を根本から突き崩し、日本の労働者市民がこれを終わらせる大きなチャンスと闘いの条件を整えるものである。

「新時代の沖縄」の新しいステージと日米地位協定見直し

玉城デニーさん当選 2つは、「新時代の沖縄の到来」を掲げた玉城デニー新知事の圧勝で、自公「勝利の方程式」を崩壊させ「安倍政権の終わりの始まり」を告げた沖縄の闘いである。

 日米両政府がアジア・太平洋での軍事的覇権ー「対中国戦争戦略」の軍事的要とする沖縄で、沖縄民衆が屈せず・諦めず「辺野古新基地阻止、米海兵隊撤退」を掲げて闘い続け、安倍政権の戦争体制つくりを頓挫させる全国の大衆運動の「核心」となっていること。「沖縄の新時代」の新しいステージは、日米安保条約破棄に通じる日米地位協定見直しを全国知事会に提案・決議し、自己決定権の確立と自立の志向を強め、朝鮮情勢の激変に応え韓国・中国・台湾などアジア民衆と向き合い、沖縄を東アジアの「平和の拠点」とすることにある。

 現在の辺野古埋め立て承認撤回に対する安倍政権の執行停止・土砂投入工事再開の暴挙は、こうした戦略と展望をもつ沖縄の怒りの「マグマ」に火をつけるものである。

新たな攻防水準の競り上がりの中で
闘う側の弱さはどこにあるか


 3つは、全国で安倍政権の戦争法・共謀罪強行、原発再稼働、横田をはじめ全土でのオスプレイ配備・飛行訓練が強行され、消費税10%増税、福祉の切り捨て、米トランプ政権言いなりのTAG-実質的な日米FTA(自由貿易協定)交渉の開始、「水産改革」の企みなど「国の基」となる農業・漁業を大企業の餌食にする安倍暴政への民衆の怒りと怨嗟の声と行動が「沖縄に続け!」と拡がっている。

 しかしながら、安保―戦争法に反対してきた9条護憲の革新・左派において、韓国の労働者民衆の闘った「日韓慰安婦合意」や最近の「徴用工判決」問題を戦争法などと一つのものとしてとらえて安倍政権と闘うという面で弱さがある。また2019年の天皇の「代替わり」を前にして、平成天皇への共感や天皇制を容認する空気がこれら革新勢力にもあること、また対米隷従の根本にある日米安保を当たり前のこととして容認するなど、「この国のあり方」が相互補完的に人々の中に内面化している問題と一対である。


朝鮮侵略、沖縄差別、安保と天皇制
の三位一体の課題


安倍総理を厳しい目で見つめる明仁天皇 つまり、明治に成立した近代日本の天皇制国家は、内にアイヌ民族と琉球民族に対する暴力による併合(琉球王国の解体と併合)、外に朝鮮・中国・アジアへの侵略戦争と軌を一つにし、それはアジア太平洋戦争に至る近代国家日本の植民地支配・強制連行・徴用・日本軍慰安婦強制の歴史である。

 敗戦と米軍占領、朝鮮侵略戦争を契機に成立した戦後日本国家の基本的特徴は、日米安保体制と「平和憲法」の異質な原理の抱き合わせの関係の中に、沖縄を米軍に売り渡して維持した天皇条項を「象徴天皇制」として遺し、国家の深部で戦前の侵略と他民族殺戮・抑圧の「大日本帝国の栄光」を継承するものである。

 こうした歴史とその持つ本質を隠蔽し、「明治150年」、天皇の「代替わり」を喧伝し、天皇制への上記のような人々の意識を利用しながら新たな「戦争のできる日本帝国主義国家」への完成を急ぐ安倍政権との闘いは、こうした戦前と戦後の近代日本国家の中にある断絶と連続性において、朝鮮侵略、沖縄差別、安保と天皇制の三位一体の根本問題を踏まえて闘うことが日本の階級闘争の前進のための課題となってきたことを自覚する必要がある。


注「日米安保条約を破棄し、米軍基地撤去し、天皇制を廃止することは、資本の企業社会・地域を変革していく事と一体不可分の革命的課題である」(「革命21」プログラム)

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