映評『バハールの涙』を見る/まっぺん

バハールの涙
 イラク山岳地帯、30万人のヤズディ教徒が住むクルド人自治区をIS(イスラム国)が襲撃した。逃げ遅れた男たちは皆殺しにされ、子どもたちは子ども兵士養成所へ送られ、女たちは全員が男の慰み者にされた。弁護士として幸せな暮らしを満喫していたバハールは、愛する夫と一人息子を奪われ、ISに拘束された。一緒にいた妹は絶望し自殺。彼女は一瞬にして地獄にたたき落とされたのだった。

バハールの涙 人権活動家たちの手で救出されたバハールは同じ境遇の女たちと共にクルド自治政府軍に志願。「太陽の娘たち」部隊を結成しリーダーとなって敵の根拠地へ進軍、息子の救出に向かう。

 IS戦闘員たちは「女に殺されると天国に行けない」と信じている。ISにとってバハールの女性軍部隊は恐怖の的となった。地獄を見た女たちの戦闘精神は逞しく凄まじい。臆病な男の司令官と訣別し、「太陽の娘たちのうた」を歌いISの町へ攻撃に向かう。

 ISの占領する町を攻撃しこれを奪回したバハールは、塔の上に掲げられている黒いIS旗を投げ捨てて叫ぶ。「自由クルディスタン万歳!」

 この映画は多くの実話に取材し構成されている。昨年ノーベル平和賞を受賞したヤズディ教徒ナディア・ムラドの体験もそのひとつだ。
 また不幸な境遇に突き落とされた女性が数多く登場する。家族を殺され奴隷のように売られた女性たち。戦闘の中で死んでゆく女性たち。夫を殺され自分も片目を失ったフランス人戦場ジャーナリスト。「男たちが始めた戦争が、女たちに犠牲を強いる」理不尽なパラドックス。戦場こそが最も性差別が暴力的に発現する場なのだ。

私たちの信念は
新しい日の始まり
新しい時代がやって来る
女と命と自由の時代
新しい時代がやって来る
女 命 自由の時代

1月19日より全国の映画館にて上映中 111分
http://bahar-movie.com/
上映スケジュール(シネスイッチ銀座、新宿ピカデリー他)
http://rentai-union.net/archives/2409

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