3・21さようなら原発全国集会に1万人
- 2019/4/9
- 反原発, 報告記事
- さようなら原発1000万人アクション, 淵上太郎
3月21日、東京代々木公園において、「さような原発全国集会」が開催され、約1万人が参加した。
3.11の大震災と原発事故から8年が経過する今もたくさんの被災者が生活を取り戻すことができないまま不安の日々を送っている。ところが安倍政権は被災者たちの惨状を顧みようともせず、住宅手当などの援助を打ち切っている。東京電力もこの加害責任を何一つ負うことなく、多額の損失を我々から毟り取ろうとしている。もうたくさんだ。全ての原発を廃炉にしよう。東電と国に責任をとらせて、被災者への補償を勝ち取ろう。
■原発は道義的にも人為的にも破綻している
集会は野外ステージで李政美(イジョンミ)さんのライブで始まった。
呼びかけ人でルポライターの鎌田慧さんはあいさつの冒頭、経産省前脱原発テントひろばの代表者として7年半の間闘い続けてきた淵上太郎さんが亡くなられたことを伝えた後、「原発のない安心して暮らせる社会にすることを未来の人たちから託されている。力を尽くして闘っていきたい」「小泉、鳩山、細川、菅、野田、日本の歴代首相が原発はダメだと言っているのに、安倍首相は判断できない。原発は道義的にも人為的にも破綻している。原発にはメリットは何もない」と語った。
鎌田さんは続いて沖繩・辺野古の新基地建設問題にも触れ、「70%の県民が基地はいらないと言っているのに、毎日土砂を投入している。そしてジュゴンが死んでいる」「沖縄の基地はつくらせない。私たちの故郷、私たちの住んでいるこの世界に再稼働は許さない」と述べ、安倍政権の打倒を訴えた。
■安全基準値を不当に高く吊り上げる政府
福島原発告訴団の人見やよいさんは原発の放射能被害はいまだに続いているにも関わらず、まるで終わったかのように宣伝される事実を告発し、迫る統一地方選挙にあたって「原発政策に反対する候補を当選させ、安倍政権に原発NOを突き付けましょう!」と結んだ。
「避難の協同センター」世話人の熊本美弥子さんは国が被曝についての安全基準の数値を不当に高く吊り上げ、被曝の事実を闇に葬り去ろうとしている事実を具体的数値を示して訴えた。
■安倍が発する「寄り添う」の欺瞞性
集会呼びかけ人でもある作家の落合恵子さんも淵上太郎さんの死を悼み「本当に悔しい」「私たちの悔しさなど比較にならないほど淵上さんご自身が無念さを噛み締めていたと思います」と述べた後、四選を目指す安倍首相が沖縄や福島に対して発する「寄り添う」という言葉の欺瞞性を告発した。また人生を小説に例え「あと何ページ残されているかはわからないけれど、最後の数ページの中で答えを出しましょうよ。こんな政治は絶対許さないという私たちの想いを、選挙で出していきたいと思います」と語った。
続いて登壇した東海村村議会議員の阿部功志さんが東海第二原発について解説した。
これまで20年とされていた運転期間を40年に延長し、この老朽化した原発にかかる費用を、「電気料金上乗せ」の形で我々から吸い上げるという新制度が作られた。また、東海村に作られた「新安全協定」への疑問、原発周辺30キロの避難計画が作られたが、そこに暮らす96万人もの住民の避難など、どう考えても不可能であることなどが明らかにされた。
■空も海も奪われてきたウチナンチュの怒り
立憲民主党衆議院議員の山崎誠さんが国会内での自民・公明との間での審議の報告を行ったあと、高校生平和大使の布川仁美さんが高校生1万人署名活動の仲間たちとともに登壇しあいさつした。
高校生平和大使は1998年に長崎から始まり全国に広がった核廃絶と平和な世界の実現を目標とし、毎年ジュネーブの欧州国連本部を訪問し、平和活動の交流をしている。
次に登壇した沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの外間三枝子さんは今後の沖縄辺野古埋め立てへの抗議行動の予定と参加を伝えるとともに、沖縄のジュゴンを殺され翁長知事を殺され空と海を奪われてきたウチナンチュの怒りを叩きつけ、「沖縄が何をしましたか? なぜこんなにひどい目に遭うんですか? 人間だけじゃなく自然を、ジュゴンを私たちに返してください」と声をふりしぼるように訴えた。
■もはや行き詰っている安倍政権を打倒しよう
総がかり行動実行委員会共同代表の福山真劫さんがあいさつに立った。
福山さんは、森友・加計学園不正疑惑、政府統計の不正問題、国民生活を無視した上での軍事予算の大幅拡大、沖縄県民の意思を無視した基地建設強行、貧困・格差拡大、朝鮮侵略支配の過去の歴史からの責任回避とナショナリズムの扇動、憲法9条改悪による戦争国家路線など、安倍政権の不正・腐敗・強権政治を糾弾するとともに、その安倍政権の支持基盤である日本会議など親米右翼勢力を告発。「このまま安倍の暴走を許せば日本は財政赤字を抱えファシズム・軍事大国になり破滅する」と訴えた。
しかしもはや安倍政権は行き詰り、不支持率が高まっている。5月3日には10万人で大集会を開こう、沖縄に関して我々は安倍政権の共犯者になってはいけない、朝鮮半島の人々と連帯しよう、4月統一地方選、7月参議院選では野党共闘の団結で勝ち抜き、今度こそ安倍を倒そう、と訴えた。
福島連帯キャラバン隊の報告の後、集会決議文が読み上げられた。この決議文は国会へ提出される。プラカードを掲げてのアピール。総がかり行動実行委員会の藤本泰成さんは閉会のあいさつで「安倍政権は福島を無かったことにしようとしている。我々は原発を無かったことにしていこう」と訴えた。