トランプ訪日 極東に緊張もたらす日米同盟の闇

米軍軍服にかしづく恥ずべき売国官僚たちの秘密会合

トランプの忠実な下僕・安部
 訪日した大統領トランプ。今度は前回のように裏玄関の横田基地ではなく、羽田空港からだが、そのむき出しの言動はボスのご機嫌をひたすら取り結ぶこの国の首相にも容赦なかった。『非常に重要なのは、日本が膨大な兵器を追加で買うことだ。多くの雇用が私たちのために生まれ、日本はもっと安全になる』と露骨に迫った(NYタイムズ)。首相安倍は「防衛力を質的に量的に拡充しさらに購入していく」とあうんの呼吸で応じた。悲しくなるほどの「忠実な下僕」(Wポスト)ぶりは、なぜなのか?日米が、軍事同盟で結びついてきた歴史と、日本国憲法と国会行政の上に位置し、一切内容不明な日米合同委員会の危険な姿を暴露する。
(関西M)

支配する米軍・従属する日本官僚
米国務省さえ「異常な関係だ」

 隔週木曜日の午前11時前、米軍横田基地から軍人最高位将軍クラス7名が、軍用ヘリで東京・六本木にある米軍基地六本木ヘリポートに降り立つ。そこから神宮外苑西通りを特別リムジンが走り抜け、南麻布にある米軍施設ニューサンノー米軍センター(ニュー山王ホテル)に到着する(古い山王ホテルは1936年の2・26事件で反乱軍が本拠をおいた。何という歴史の皮肉だろうか)。

 そこには、日本側6人の各省庁のトップ官僚があらかじめ、めいめい呼びつけられている。ドアが開いて、彼ら官僚の真のご主人様たちがラフに入って来る。米側は前述の全員軍人。中に1人アメリカ大使館公使がいるとされる。そしてランチを挟んで会議は行われる…今まで一度も国会で取り上げられた事もなければ、ましてあのNHKなどが報道する筈もなく、東京のど真ん中一切外部に非公開の秘密会合が行われ続けて来たと言う、この何という不気味さ。

 ここで定められた内容は、国会にも報告する必要も、外部に公表する義務もない。その場にいる日米わずか10数人たちの口約束が、日本国民に過大な防衛費用と沖縄など基地被害をもたらす元凶となり、多くの国民を苦しめ、ごく一部の日米軍産~死の商人たちが潤う。これが日米合同委員会と呼ばれる謎の会議で、日本の国会や憲法より上位の存在とされるものだ。

 ここに出席する日本側6名は、外務省は北米局長、法務省・大臣官房長、農林水産省経営局長、財務相大臣官房審議官等々のトップ官僚たちで、会議はその命令フロー図の上にある……つまりは上司が米軍と言うことになる。要するに日本の官僚達のトップが戦後忠誠を誓い続けて来た相手は、主権の存する国民でもなければ、天皇でもなく、米軍ということになる。軍人政治がまかり通る…これが被占領国家・日本の正体である。

「日米合同員会」法務官僚トップが、わが国の司法全権まで掌握する

 こんな「占領中にできた極めて異常関係をやめるべきだと」との発言もかつてあったのは事実だ。しかし日本からではない、米側からだ。

 1972年の沖縄返還交渉を担当した米国スナイダー駐日公使(Richard Lee Sneider・1922 – 86年。国務省で30年以上を過ごし、アメリカ合衆国の東アジア政策に関与した親日家)は、この問題についての駐日大使への報告の中で、「日米合同委員会のメカニズムに存在する、米軍司令官と日本政府の関係は、きわめて異常なもの」「(本来なら、他のすべての国のように)米軍に関する問題は、受け入れ国の中央政府の官僚とアメリカ大使館の外交官によって処理されなければならない」「(ところが日本における日米合同委員会がそうなっていないのは)ようするに日本では、米国大使館がまだ存在していない1945年―1952年の占領期間中に出来上がった、米軍と日本の官僚との間の異常な直接的関係が、いまだに続いているということだ」と警告を発している。

  

 その後も、米国務省は、この日米合同委員会の代表を米軍司令官から、外交官(駐日公使)に交替させようとするものの在日米軍の抵抗で拒否されて来たという。そのたびに軍部の抵抗によって、次のように拒否される。
「日米合同委員会はうまく機能しており、日本政府にその変更を求めている事実はない。米国政府は日米合同委員会の構造を、より公式なものにする方向へ動くべきでは無い」(1972年米軍太平洋司令官見解)
 この言葉は「戦後日本という巨大利権を手放したくない米軍」と、「それに全面的に服従することで(そう装って?)、政府与党政治家からも優位性に立つ日本の官僚組織」が原因だということをよくあらわす。

 さてこの日米合同委員会の日本側代表理事の筆頭として、法務大臣官房長というポストが書かれている。このポストについたエリート法務官僚は、ほとんどが法務省のトップである事務次官を経て検事総長になっている。
 これは60数年以上つづく、米軍と日本官僚の共同体たる「日米合同委員会」が、検事総長を輩出すると言う権力ピラミッドの構造が出来あがってしまっている事の証しだ。

  

 検事総長ポスト利権を握っているこの「日米合同委員会」が、日本の法的権力をすべて握っており、米国および米軍権益を侵す、いわゆる反米的存在は、たとえそれが総理大臣であろうが両者は日米でタッグを組んで、CIAコントロール下にあるマスコミらを総動員して、撃ち落とすのだ(ロッキード事件のことを想起すればいいし、近々では鳩山政権でも起こった事だ)。
 極東に常に戦争状況を仕掛けて来た謎の砦と、動力源は何と東京のド真ん中にあるのだ。

日米の戦後史タブーを解明する必読の3冊

「日米合同委員会」の研究―謎の権力構造の正体に迫る
 :吉田敏浩

日本の超エリート官僚と在日米軍の軍人たちが毎月2度行う秘密の会議「日米合同委員会」。そこで合意された取り決めは日本の法律・憲法よりも、強い効力をもっている。しかし、軍事、外交、司法のさまざまな側面で日本の主権を侵害し続けるその協議の内容は厚い秘密のベールに包まれ、ほとんど公表されることがない。米外交官から見ても「きわめて異常」と評されるその驚くべき実態に、第一人者の大宅賞作家、吉田敏浩が迫った。第60回日本ジャーナリスト会議賞受賞。

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」
 :前泊 博盛

本書にはにこんな一節がある。「結局TPPとは、いままで安全保障の分野だけに限られていた『アメリカとの条約が国内の法体系よりも上位にある』という構造を、経済関係全体に拡大しようという試みなのです」。さも対等に協議しているようなふりをしながら、実際には密室でアメリカ側がすべていいように決めてしまう。そうなることは火を見るより明らか…と、我が国の官僚―行政全般を支配する在日米軍の地位を保護する「日米地位協定」のおそるべき現状が告発されている。

戦後史の正体「戦後再発見」
 :孫崎 享

元外務省・国際情報局長だった著者が、戦後最大のタブー「米国からの圧力」によって変えられた日本の政党政治史を軸に戦後70年を読み解いたこの種の、戦後史再発見双書シリーズの評価を定めた一書だ。元外務省・国際情報局長という日本のインテリジェンス(諜報)部門のトップで、「日本の外務省が生んだ唯一の国家戦略家」と呼ばれる著者が、日本の戦後史は、アメリカからの圧力を前提に考察しなければ、その本質が見えてこないとして、これまでのタブーを破り日米関係と戦後70年の真実について語る驚愕の真実がある。

   

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